ガンダムシリーズ最新作『機動戦士ガンダム 水星の魔女』情報解禁!! 主人公は女性?タイトル考察・解説 | VG+ (バゴプラ)

ガンダムシリーズ最新作『機動戦士ガンダム 水星の魔女』情報解禁!! 主人公は女性?タイトル考察・解説

©️創通・サンライズ

「ガンダム」シリーズ最新作発表

今や世界的な人気を誇るガンダムシリーズ。今年2021年には最新劇場版アニメ作品『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』(以下、閃ハサ)、そして閃ハサの小説版原作者かつ初代『機動戦士ガンダム』(1979)の生みの親である富野由悠季監督が手掛けたTVシリーズを再編集した劇場版『ガンダム Gのレコンギスタ』の2作品が公開された。そんなガンダムシリーズに新たな1ページが加わることが分かった。

その名も『機動戦士ガンダム 水星の魔女』だ。こちらはTVアニメシリーズのガンダム作品としては前作『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』以来7年振りの作品となる。

©️創通・サンライズ

放送は来年2022年を予定しているが、同時に『機動戦士ガンダム』の一エピソードである第15話「ククルス・ドアンの島」を再解釈した新作映画『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』の劇場公開も発表された。こちらは初代ガンダムのキャラクターデザインを務め、また漫画『機動戦士ガンダムTHE ORIGIN』の作者でもある安彦良和が監督を務める。富野ガンダムとはまた一味違う安彦ガンダムを楽しみに待ちたい。

『機動戦士ガンダム 水星の魔女』は女性主人公?

「宇宙世紀」と「アナザーシリーズ」

さて、気になるのは『機動戦士ガンダム 水星の魔女』というタイトルだ。

ガンダムシリーズは基本的に地球に住む人類と地球の外で暮らす人類との戦争を描いている。初代『機動戦士ガンダム』では宇宙に浮かぶ人工島”スペース・コロニー”に暮らす宇宙移民が「ジオン公国」を名乗り地球連邦政府に対して挑んだ独立戦争、「一年戦争」が舞台となっている。ガンダムの代名詞であるアムロとシャアの戦いもこの作品において描かれた。初代から連なる「宇宙世紀」シリーズにおいては基本的に地球連邦政府とコロニー国家との戦争が描かれる。

その後、ガンダムは生みの親である富野由悠季の手を離れ世界観を拡大していく。その嚆矢となったのが『機動武闘伝Gガンダム』(1994)だ。

こちらは当時流行していた格闘ゲームの要素を取り入れ、「世界各国の代表選手がガンダムに乗り覇権を賭けて戦う」というそれまでのミリタリー色の強い宇宙世紀シリーズからは一線を画した斬新な設定が話題を呼んだ。世界観も宇宙世紀とは区別された「未来世紀」という世界設定が新たに用意されている。その後、W、X、∀、SEED、OO、AGE、鉄血のオルフェンズと続く所謂「アナザーシリーズ」はここから始まった。

主人公=男性パイロット以外でガンダムに乗った女性パイロット

だが、どれ程多様な世界や作品が用意されようとも、これまで映像化されたガンダム作品において常に主人公は男性だった。必ずしも主人公とは言えないが、作品の顔であるガンダムに乗り込んだ女性パイロットも居る。

一年戦争の外伝的エピソードを描いたOVA作品『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』(1989)に登場したガンダムNT-1、通称”アレックス”とそのパイロットであるクリスチーナ・マッケンジーだ。『機動戦士ガンダム』の続編である『機動戦士Zガンダム』(1985)では主人公のカミーユ・ビダンが後半主役機であるZガンダムに乗り換えた後、前半主役機であるガンダムMk-Ⅱには女性パイロットであるエマ・シーンが乗り込んだ。『機動戦士Vガンダム』(1993)では主役機であるVガンダム自体が量産機であり、マーベット・フィンガーハットやコニー・フランシスといった女性パイロットも乗り込んだ。

他、アナザーシリーズである『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』(2004)では物語後半において前半主役機であるインパルスガンダムに女性パイロットであるルナマリア・ホークが乗り込み、『機動戦士Zガンダム』の外伝的な非映像作品である『機動戦士ガンダム エコール・デュ・シエル 天空の学校』では主人公のガンダムパイロットはアスナ・エルマリートという少女が務めた。

新たな時代のガンダムには女性主人公を期待したい

以上のことから分かる通り、これまでガンダムシリーズにおいては女性パイロットがガンダムに乗ることがあっても、それはテストパイロットか型落ちした前半主役機の”お下がり”、あるいは主人公としてガンダムに乗ることがあったとしてもそれは外伝的な非映像作品に限られてきた。

しかし、『機動戦士ガンダム 水星の魔女』というタイトルからはこれまでにないチャレンジ精神が窺える。端的に言って、遂に「女性パイロット=主人公」であるガンダムのTVアニメ作品が観られるのではないかと期待している。

これまでのガンダム作品の慣例にならえば、作品タイトルには主役機ないし主人公の属する陣営の名が冠されることが多いからだ。『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』(1988)(以下、逆シャア)のような例外はあるが、逆シャアは初代『機動戦士ガンダム』からの流れを汲む物語なので文脈ありきのタイトルなのである。

けれど、『機動戦士ガンダム 水星の魔女』は「全世界の十代に向けて」作られると謳われており、既存のシリーズとは世界観を異にするアナザーシリーズに位置付けられる完全新作となることが予想される。であるならば、これまでのガンダムシリーズの文脈を用いることができない筈なので、タイトルの「水星の魔女」はやはり初代『機動戦士ガンダム』に登場したシャア・アズナブルの「赤い彗星」のような、主人公の二つ名である可能性が高いのではないだろうか。

2019年には、ガンダムシリーズのスポンサー企業であるバンダイの部署名から「ボーイズ」、「ガールズ」の呼称が消えたことが話題となった。

筆者の個人的な体験で恐縮だが、十年前はツイッターを見ていても「ガンダムという物語が好きな女性」のアカウントは目に付いたが、そこに登場するロボット=モビルスーツのデザインが好きだという女性のアカウントは殆ど見掛けることがなかった。しかし、近年は #ガンプラ女子 のハッシュタグでツイッターを検索するだけでも多くの女性がガンプラ=ガンダムのプラモデル作りを楽しんでいることが分かる。この十年でも確かに時代の変化を感じるのである。

勿論、『機動戦士ガンダム』が一大ブームを巻き起こした1980年代にも所謂「女オタク」は存在した。それと同じように「ガンプラ女子」もそう名乗ることがなかった、名乗れなかっただけでずっと存在し続けてきたのかも知れない。しかし、そう名乗ることができるようになったということはやはり時代の変化と捉えてみてもいいのではないだろうか。

最早ガンプラは「男の子」だけの楽しみではない。
他のあらゆる物事と同様、性別によって楽しみが制限されるべきではない。
このような新たな時代に作られるガンダムには、そろそろ男性以外の主人公が相応しいのではないだろうか。

『機動戦士ガンダム 水星の魔女』は2022年放送予定。

『機動戦士ガンダム 水星の魔女』公式サイト

腐ってもみかん

普段は自転車で料理を運んで生計を立てる文字通りの自転車操業生活。けれど真の顔は……という冒頭から始まる変身ヒーローになりたい。文学賞獲ったらなれるかな? ラップしたり小説書いたりしてます。文章書くのは得意じゃないけどそれしかできません。明日はどっちだ!
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