マーベルが黒人作家のコミック作品を無料公開
ジョージ・フロイドが警察から暴行死させられたことをきっかけに再燃したBlack Lives Matter。黒人差別に対する抗議の声が世界中に広がっている。ディズニー、マーベルやワーナーといった映画スタジオも声明を出す中、マーベル・コミックスがある取り組みを実施している。
2020年6月、マーベルは黒人作家たちが手がけた計100以上のコミック作品を無料で公開した。マーベルは、「黒人の人々の声、クリエイターとキャラクーたちはマーベルの歴史の中で密接に結びついている」と、同社の歴史における黒人クリエイターたちの存在を祝福している。
公開されたコミックは、様々な時代から黒人のシナリオライターまたはイラストライターが携わった作品が集められており、「ブラックパンサー」シリーズや、2017年の『ファルコン』、2018年に刊行された『キルモンガー』『シュリ』『アイアンハート』といった作品も無料公開されている。
2010年に発売された『キャプテン・アメリカ/ブラックパンサー』、1998年の『ブラックパンサー』『ニュー・ファンタスティック・フォー』、1991年の『デスロック』など、過去の作品も充実している。全作品のリストはマーベルコミックスのウェブサイトで公開されている。
SF作家の作品も
注目は2017年版の『ブラックパンサー/ロング・リブ・ザ・キング (原題: BLACK PANTHER – LONG LIVE THE KING)』と、2018年に発売された『シュリ/サーチ・フォー・ブラックパンサー (原題: SHURI: THE SEARCH FOR BLACK PANTHER)』。両作品はSF作家のンネディ・オコラファー (Nnedi Okorafor) がストーリーを手がけている。
ンネディ・オコラファーは、小説『ビンティ (原題: Binti)』(2015)でヒューゴー賞とネビュラ賞の中長編小説部門を制覇したSF作家。自身が手がけた『ブラックパンサー』では、「ワカンダの人々がどのように生活しているのかを描きたかった」と語っている。
アプリで無料配信中
今回マーベルが公開した黒人クリエイターのコミック作品は、マーベルのアプリ「Marvel Unlimited」で読むことができる。同アプリは日本からもiOSとAndroid向けに配信されている。通常は会員登録が必要だが、今回無料公開されたコミックについては、アプリを開くと現れる「Free Comics」のボタンをタップするだけで閲覧できる。全て英語の作品だが、カラーで公開されており、黒人アーティストたちがマーベルコミックスに刻んできた歴史をしっかり感じ取ることができる。公開期間は6月中とされている。
Source
Marvel