「小松左京展―D計画―」開催
2019年10月12日(土)より、世田谷文学館にて「小松左京展―D計画―」が開催される。小松左京(1931-2011)は『復活の日』(1964)『日本沈没』(1973)などの著作で知られる、日本を代表するSF作家の一人。星新一、筒井康隆らと共に長く日本SF界の歴史を支えてきた人物だ。前述の二作品も含め、数多くの長短編作品が実写ドラマ化・映画化されており、現代のクリエイター達に与えた影響は計り知れない。7月には、NHK Eテレの『100分de名著』で小松左京の著作をテーマにした「小松左京スペシャル」が四週に渡って放送されている。
会期は10月12日より
「小松左京展―D計画―」を主催するのは公益財団法人せたがや文化財団 世田谷文学館。後援は世田谷区および世田谷区教育委員会が、小松左京ライブラリが資料提供などの協力を行う。世田谷文学館では、過去にも「日本SF展・SFの国」など、SFをテーマとした展示会を開催してきた。「小松左京展―D計画―」でも、小松左京にまつわる多彩な資料が展示される予定だ。会期は2019年10月12日(土)から12月22日(日)まで。
遺族コメント
本企画展は小松左京と対話する空間を目指したものです。
代表作「日本沈没」における、日本人の脱出そして未来のため、日本の持てる全ての力を注ぎ込んだ緻密かつ壮大なプロジェクト<D計画>の名を冠しています。
小松左京は、“広大な宇宙と人類の関係”、“儚いからこそ愛しい人のありよう”を常に意識していました。
同時に、人類の未来の可能性や、ささやかな人の幸せを奪い去ろうとする戦争、地殻変動、異常気象などの“大いなる災い”を危惧し、物語を通じて人々に訴え続けました。
遠い先祖からの伝承、幼い頃からの体験、あらゆるジャンルの人との対話、多種多様なプロジェクトへの挑戦。一個人の想像力だけでなく、これらすべてが、小松左京とその物語を築き上げてきたのです。
小松左京の幼少期からの記録、ラジオの台本書き漫画家といったSF作家になるまでの試行錯誤、物語をつむぐための創作メモ、何度も推敲を重ねた直筆原稿、幻となった作品の残滓、そして疲れた精神を癒してくれた愛する猫たち。
これらすべてを、一つの空間に配した本企画展で、作品の外に拡がる小松左京の世界を感じ対話していただければ、遺族としてこれほど嬉しいことはありません。
主催者コメント
世田谷文学館は「星新一展」(2010)「『地上最大の手塚治虫』展」(2012)「日本SF展・SFの国」(2014)「筒井康隆展」(2018)に続き、2019年秋、ついにSF界の巨星、「小松左京展」に挑みます。小松さんの言葉「SFとは文学の中の文学である(『SF魂』)」を、本展でぜひとも体験していただきたいと願っています。どうぞお楽しみに!
「小松左京展―D計画―」開催概要(世田谷文学館提供)
『復活の日』『果しなき流れの果に』『日本沈没』『首都消失』ほか、壮大なスケールで描いたSF大作の数々で、絶大な支持を得ている小松左京(1931—2011)。作品は、徹底した取材・調査と膨大な知識・想像力によってつくられ、その迫力と高いエンターテインメント性に読者は圧倒され続けてきました。しかも作品に描かれている地球規模で起こる災害や世界の変化が、今、現実として我々の目の前にあらわれていることも、驚異的と言わざるを得ません。
これらを生み出した小松左京とは、いったい何者なのか。
本展は多彩な資料をもとに、<小松左京>という巨大な<宇宙>に挑みます。
【主 催】 公益財団法人せたがや文化財団 世田谷文学館
【後 援】 世田谷区・世田谷区教育委員会
【協 力】 小松左京ライブラリほか
【会 期】 2019年10月12日(土)~12月22日(日)
【会 場】 世田谷文学館2F展示室
. 〒157-0062 世田谷区南烏山1-10-10
. TEL03(5374)911
. FAX03(5374)9120
. https://www.setabun.or.jp
【開館時間】 午前10時~午後6時
. 展覧会入場、ミュージアムショップは午後5時30分まで
【 休館日 】 毎週月曜日 休館
【 観覧料 】 一般 800円
. 高校・大学生、65歳以上 600円
. 小・中学生 300円
. *各種割引についてはホームページをご確認ください
. *10月18日(金)は65歳以上無料