チャーリー・ジェーン・アンダーズのSF小説がドラマ化
ソニー・ピクチャーズ・テレビジョンは、SF作家チャーリー・ジェーン・アンダーズのSF小説『The City In The Middle Of The Night』のドラマ化のオプション権を取得した。この一報は米時間の2019年9月6日午前に米Deadlineが速報を伝え、午後には出版元のTor Booksがプレスリリースを発表した。チャーリー・ジェーン・アンダーズ本人もTwitterで認めている。
YES IT’S TRUE. Now it can be told! The incredibly smart humans who translated all of the coolness of The Expanse to the screen are now turning their giant brains to my book The City in the Middle of the Night. I’m so glad I no longer have to freak out in silence! https://t.co/vFujE9WtoI
— Charlie Jane Anders, Our Opinions Are Correct (@charliejane) September 6, 2019
『エクスパンス -巨獣めざめる-』製作総指揮が担当
『The City In The Middle Of The Night』のドラマ化を手がけるのは、SFドラマ『エクスパンス -巨獣めざめる-』(2015-) の製作総指揮であるシャロン・ホール。『エクスパンス -巨獣めざめる-』もまた、ジェームズ・S・コーリイの『巨獣めざめる』(2011) をドラマ化した作品だ。『エクスパンス -巨獣めざめる-』はシーズン5まで製作が決定する人気作品となっている。
異星が舞台の物語
チャーリー・ジェーン・アンダーズの『The City In The Middle Of The Night』は、2019年2月にTor Booksから発売された作品。同作はジャニュアリーと呼ばれる荒涼とした惑星が舞台だ。この惑星に文明を築いた入植者たちは専制的な政治体制を敷き、市民の労働、食事、睡眠の一切をコントロールしている。大学生の主人公ソフィーは反逆罪でかどで街を追放されるが、この惑星の先住民に命を救われる。先住民たちは入植者たちが憎み、動物あつかいしてきた存在だ。
先住民は、入植者たちの間に架け橋をかけるべく、ソフィーと先住民の間にテレパシーのつながりを形成する。入植者たちの街に戻ったソフィーだったが、そこでは専制政治を打倒しようとする革命闘争が始まっていた。ソフィーは、この惑星を傷つけるだけの戦争は望まない。人類と惑星の未来は、ソフィーと先住民の手に委ねられる。
チャーリー・ジェーン・アンダースとは?
チャーリー・ジェーン・アンダーズは、『空のあらゆる鳥を』(原著は2016年, 日本語訳は2020年発売) の著者としても知られる。同作は、N・K・ジェミシンの『The Obelisk Gate』(2016) を破り、2017年のネビュラ賞長編小説部門を受賞した作品。同年のヒューゴー賞長編小説部門にもノミネートされた他、ローカス賞長編ファンタジー部門も受賞している。2019のヒューゴー賞では、アンナリー・ネウィッツと運営するポッドキャスト『Our Opinions Are Correct』でファンキャスト部門を受賞した。
日本では東京創元社から発売された『スタートボタンを押してください (ゲームSF傑作選)』(2018) に短編「猫の王権」が収録され、話題となった。
また、長編『空のあらゆる鳥を』は、市田泉による翻訳で2020年5月8日(金)に発売されている。
また、チャーリー・ジェーン・アンダーズはトランスジェンダー女性で、セクシャルマイノリティの権利獲得に関する活動を展開してきた。2019年2月には、“強い女性キャラ”ではなく、“複雑な女性キャラクター”を描くよう呼びかけ、話題となっている。
発売からわずか半年で映像化が進み始めたSF小説『The City In The Middle Of The Night』。今後の展開に注目しよう。
Source
Tor.com