「ミレニアル世代は本を読まない」有名作家の発言が炎上中 読者から大ブーイング

ライター

「ミレニアル世代は本を読まない」?

有名作家が爆弾発言

『レス・ザン・ゼロ』(1985) などの著書で知られるブレット・イーストン・エリスの発言に、批判が集まっている。エリスは、米時間4月21日(日)に公開された英The Timesのインタビューで、「ミレニアル世代の文化? ものを書くということをしません。本も読まないんです」と発言。インタビュー記事自体も「『アメリカン・サイコ』の著者ブレット・イーストン・エリスは、なぜミレニアル世代を嫌うのか」と、ミレニアル世代に対する挑発的なタイトルとなっている。

作家と読者から強い反発

ミレニアル世代とは、1980年から2000年ごろまでに生まれた世代のことで、現在20代〜30代後半の人々を指す。デジタルに慣れ親しんだ世代であり、1964年生まれで、冷戦下で生まれ育ったジェネレーションXに属するブレット・イーストン・エリスとは一線を画す世代だ。今回のエリスの発言には、(当然のことながら) 作家やミレニアル世代の読者たちから強い反発が起きている。

作家たちの反応は?

他世代の作家たちが反応

1973年生まれでジェネレーションXに属するファンタジー作家のマイク・コールは、「マジか。なんて野郎だ」と驚きを隠せない様子。

1969年生まれで、『老人と宇宙』で知られるジョン・スコルジーは、「“私は個人的にミレニアル世代の作家を知りません。あとは誰も私の作品に興味がないようです。”」と、エリスの発言を“解釈”して“代弁”投稿している。

ミレニアル世代の作家は…

1984年生まれでミレニアル世代に属するファンタジー作家、サム・サイクスは「攻撃に対処する術を知らず、悪意のある変人に付き合ってしまうタイプの人がいます。エリスはそのうちの一人。」と皮肉を投稿。

だが、実はミレニアル世代の作家からは、それほど声はあがっていない。「ミレニアル世代はものを書かない」というトンデモ発言は相手にもしていないようだ。この世代では、怒れる高齢者を揶揄する「雲に怒鳴る老人 (Old man yells at could)」というネットミームも誕生するなど、ある種の耐性が付いているとも言える (「スピルバーグによる「Netflix作品除外」の報道に、評論家らが相次いでコメント」も参照)。

1954年生まれで、ジェネレーションXよりも上の世代であるベビーブーマー (1946-1964年生まれを指す) に属する、『夏の樹』(1984) の著者、ガイ・ゲイブリエル・ケイは、現在の状況を作家らしく比喩表現で説明した。

[レストランで] 明らかに問題を抱えた男が家に帰るまで、皆が天井やワインボトルに関心があるフリをしている状態。

本当にミレニアル世代は本を読まないのか

読者は怒り

一方で、ミレニアル世代の読者たちからは、ブレット・イーストン・エリスの発言に対する多くの批判が起こっている。「ミレニアル世代が本を読まない世代なら、J・K・ローリングは億万長者になってない」「この人の本を読んでいないだけでは?」という論調が主なものだ。個人的な経験から詳細なデータに至るまで、「ミレニアル世代は本を読む」という様々な証拠が示されている。

ミレニアル世代は本を楽しむ世代

2017年にForbes誌が公開した「ミレニアルズ: 読書を楽しむ世代」と題した記事によると、ミレニアル世代は、上の世代よりも本を読む習慣があるとの調査結果が示されている。18〜29歳の世代は80%が本を読んでいるが、50代以上では70%、65歳以上では67%まで低下する。その上、ミレニアル世代は仕事や勉強のためではなく、楽しむために本を読む傾向が強いとされている。

炎上商法…?

エリス自身は、『アメリカン・サイコ』(1991) など、いくもの作品が映画化されている有名作家だ。かつては同世代の若者の群像劇を描く作風に定評があったが、近年は、左派メディアやリベラル陣営に噛み付く発言で注目を集めている。今回の発言も、「エリスの本を読んだことがない」というミレニアル世代が一斉に反応した結果をみると、エリスなりの“炎上商法”と見るのが正しいだろう。一方で、エリスの発言は、ミレニアル世代の“読書愛”が発露するきっかけともなった。一流作家が描き出した、皮肉なストーリーである。

– Source –
The Times / Forbes

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