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世界で高い評価を得る『カウボーイビバップ』
不朽のSFアニメ『カウボーイビバップ』(1998-1999)。物語全体を貫く独特のアティチュードに高い音楽性が人気を呼び、世界中で評価されるようになった作品だ。Netflixでは実写版ドラマの製作が進められており、2019年4月にはキャストが発表されている。
実写版キャストの詳細は以下の記事に詳しい。
『カウボーイビバップ』の最大の特徴は、やはりその音楽だ。菅野よう子が手がけたサントラは大ヒットを記録し、実写ドラマ化をめぐっても、海外では菅野よう子の再登板を望む声があがっていた。
中でも、菅野よう子率いるジャズバンドのシートベルツが演奏した主題歌「Tank!」は、今ではバラエティ番組からフィギュアスケートのプログラム曲に至るまで、様々なシーンで使用されている。
今回は、誰しもが一度は聴いたことがある、そして一度聴いたら耳から離れない「Tank!」の楽曲をカバーした様々なアーティストと団体をご紹介したい。プロアーティストからローカルな音楽隊に至るまで、その形態は様々だが、『カウボーイビバップ』への、そして「Tank!」への愛が伝わってくる演奏ばかりだ。
「Tank!」ライブカバーまとめ
まずははジャズバンドによるライブ演奏での「Tank!」カバーをご紹介しよう。
アニメコンベンションで演奏された「Tank!」
最初にご紹介するのは、ニューヨークを拠点にするジャズバンド J-MUSIC Ensembleによる「Tank!」カバー。J-MUSIC Ensembleは日本の曲のジャズカバーを行うバンドで、この動画は2018年に開催されたLiberty City Anime Conでの演奏だ。
アニメ好きが集まるコンベンションということもあり、盛り上がりは凄まじいものがある。サックス担当パトリック・バートレイのソロパートも光る。
豪音楽学校の卒業リサイタルで「Tank!」
オーストラリアでも「Tank!」はカバーされている。有名音楽学校 AIM (オーストラリアン・インスティチュート・オブ・ミュージック) での卒業リサイタルで「Tank!」を演目に選んだのはジェイミーバンド。
ウッドベースを始め、低音を利かせた演奏が印象的だ。見せ場はやはりサックスのソロパート (1:35〜)。大人数のジャズバンドでも力負けしない演奏がキーになっている。
大学でも「Tank!」カバー
アメリカ南部ジョージア州に位置するGCSU (ジョージア・カレッジ・アンド・ステート・ユニバーシティ) のジャズバンドも「Tank!」をカバーしている。
こちらもサックスのソロパートが見せ場だが、同じくらい印象的なのはイントロでのボンゴ演奏だ。まさかの1分半に渡るボンゴソロを経て“キュー”となるセリフが入る斬新なつくりとなっている。
プロだって「Tank!」カバー
お次は比較的年齢層の高いプロのジャズバンド Live Jazz Band がカバーした「Tank!」のライブ映像。『カウボーイビバップ』20周年を祝って2018年にオハイオで開催されたジャズトリビュートライブイベントでの模様だ。
クールで渋い佇まいからして視聴者を唸らせるものがある。流石はプロという腕前のアルトサックスのソロに加え、バリトンサックスのソロ (2:50-) も圧巻だ。
高校生も「Tank!」
高校生も負けていない。2010年にカリフォルニア州ニューベリーパーク高校のジャズフェスティバルで演奏された「Tank!」をご覧いただこう。
サックスソロだけでなくトランペットソロにトロンボーンの見せ場も作るなど、皆が輝ける構成になっている。ピアノとリズム隊も素晴らしい演奏を聴かせている。
スタジオ演奏の「Tank!」カバー
ここからはスタジオ演奏でのカバーをご紹介していく。
プラチナ・ジャズによるカバー
スウェーデンのラスマス・フェイバーが率いるアニメソングのジャズカバープロジェクト、プラチナ・ジャズ (Platina Jazz) は、これまで数多くの楽曲をカバーしてきた。2015年に発売されたアルバム『ラスマス・フェイバー・プレゼンツ・プラチナ・ジャズ~アニメ・スタンダード Vol.5~』には、「Tank!」のカバー曲が収録されている。
鉄筋にフルートなど独特のアレンジを加えたハイクオリティな仕上がりだ。なお、この「Tank!」カバーが収録されたアルバム『プラチナ・ジャズ~アニメ・スタンダード Vol.5~』には、MVも制作された「デビルマンのうた」のカバー曲も収録されている。
エレキギターを組み合わせたカバー
ニューヨークのバンド Time King は『カウボーイビバップ』20周年を記念して「Tank!」カバーを発表している。
サックスにエレキギターを重ねるアレンジを見せながら、原曲のスコアには忠実に進行し、アニメのオープニングとほぼ同じ尺に収めている。
ドラムカバーも
作曲家で音楽プロデューサーのステファン・C・シャピロは、「Tank!」のドラムカバーを公開している。
「Tank!」を演奏したいと考えているドラマーにとっては非常に参考になる映像だ。
このように、『カウボーイビバップ』主題歌の「Tank!」は、発表から20年以上が経過した今でも、世界中で演奏されている。愛され続ける『カウボーイビバップ』の音楽がNetflix実写版でどのような形で復活するのか、こちらにも注目しよう。
『カウボーイビバップ』のサウンドトラックとベストアルバムはJVCエンタテインメントから発売中。