『ルパン三世 THE FIRST』で流れた音楽は?
2019年に公開された『ルパン三世 THE FIRST』は、「ルパン三世」の劇場版第10作目。『ジュブナイル』(2000)『リターナー』(2002)『STAND BY ME ドラえもん』(2014) など、国内でSF映画を手掛けてきた山崎貴監督の作品で、宮崎駿監督の『ルパン三世 カリオストロの城』(1989) に強い影響を受けた作品として知られる。豪華ゲスト俳優陣とお馴染みのメンバーによる吹き替えについては、こちらの記事をチェックしていただきたい。
『ルパン三世 THE FIRST』は、シリーズ史上初となる3DCGアニメーションで製作された作品だ。怪盗劇とCGアニメの相性の良さを提示し、「ルパン三世」シリーズに新機軸を提示した同作だが、変わらないものもある。今回は、相変わらずの魅力を発揮した音楽に注目してみよう。
サントラを手掛けたのは?
『ルパン三世 THE FIRST』の音楽を手掛けたのは、1977年の『ルパン三世』TV第2シリーズから同シリーズの音楽を手掛けている大野雄二。『ルパン三世 THE FIRST』が公開された2019年には、「ルパン三世」の映画公開40周年と大野雄二の音楽活動55周年を記念した映画『カリオストロの城』シネマ・コンサートが開催された大ベテランだが、3DCG作品の音楽を手掛けるのは『ルパン三世 THE FIRST』が初めてだった。
メインテーマとして作曲された「THEME FROM LUPIN III 2019」は、大野雄二のバックバンドの便宜的な名義として使用される“You & Explosion Band”によって演奏されている。
エンディング曲を歌ったのは?
大野雄二は、『カリオストロの城』でも主題歌「炎のたからもの」の作曲を手掛けているが、『ルパン三世 THE FIRST』でもエンディングテーマ「GIFT」の作曲・編曲を手掛けている。エンディング曲を歌っているのは稲泉りん。アニメ『ペルソナ5』(20116) ではLyn名義で主題歌「BREAK IN TO BREAK OUT」「Dark Sun…」を含む10曲以上の挿入歌を担当した。大野雄二が手掛けた『LET’S FALL IN JAZZ』(2017) 『LUPIN THE THIRD PART V~SI BON ! SI BON !』(2018) 『LET’S FALL IN JAZZ AGAIN』(2019) にはゲストボーカルで参加。ジャズシンガーとして活躍している。
『ルパン三世 THE FIRST』のエンディングテーマ「GIFT」の作詞を手掛けたのは、バンドいきものがかりのリーダーであり、メインソングライターである水野良樹。『カリオストロの城』の主題歌「炎のたからもの」は、「亜麻色の髪の乙女」(1968) などで知られる橋本淳が作詞を手掛けたが、“最新のルパン”を提示した『ルパン三世 THE FIRST』では、歴史を作ってきた大野雄二と現代音楽を代表する作詞家がコラボレーションを果たす形となった。
「GIFT」では「愛を盗みもせず わたしの胸に与えたのね」「この心には もう誰からも奪われない夢がある」と歌われている。これは、『ルパン三世 THE FIRST』にも強い影響が見られる『ルパン三世 カリオストロの城』における「ヤツはとんでもないものを盗んでいきました。あなたの心です」という銭形の名セリフと対になる歌詞となっている。
エンディングテーマ「GIFT」も収録されている『ルパン三世 THE FIRST』のサウンドトラックは、61曲入りという大ボリュームでバップから発売中。
映画『ルパン三世 THE FIRST』はBlu-ray豪華版(ブレッソン・ダイアリーエディション)が発売中。