公開日:2021年8月20日
2002年公開の『猫の恩返し』
2002年に『ギブリーズ episode2』と共に上映された映画『猫の恩返し』は、外部の若手監督である森田宏幸監督に作品委ねたスタジオジブリの意欲作。近藤喜文が監督を務めた『耳をすませば』(1995) のスピンオフでもあり、一貫して続編を作ってこなかったジブリにおいては異例の作品だ。
『猫の恩返し』のストーリーは、『耳をすませば』の主人公である月島雫が描いた物語という設定。『耳をすませば』に登場したバロンとムーンも登場する。事故に遭いかけていた黒猫のルーンを助けた主人公のハルは、猫の国に招かれて“恩返し”を受けるという物語だ。
主題歌「風になる」に注目
『耳をすませば』で主題歌「カントリーロード」が大きな役割を果たしたように、『猫の恩返し』にとっても主題歌「風になる」は特別な意味を持つ。シンガーソングライターのつじあやのが手掛けた「風になる」は、当時『耳をすませば』のテレビCMで繰り返し放送され、ハウス食品のCMソングとしても知られる。思い出と共に記憶に残っている方も多いだろう。
『猫の恩返し』は当たり前の暮らしや日常の幸福感をテーマにしており、エンディングとして流れる「風になる」もそうした何気ない日常の中の「しあわせ」を歌う曲となっている。
テレビでは聴けない?
しかし、スタジオジブリ作品を放送する「金曜ロードショー」では、これまで『猫の恩返し』放送時に権利の問題からか「風になる」が流れるエンディングがカットされてきた。また、他の作品がエンディングも含めた全編が放送される「ノーカット放送」なっている場合でも、それと並んで放送される『猫の恩返し』はあくまで「本編ノーカット放送」と表記されている。
✨🎊発表🎊✨
🏖3週連続 夏はジブリ🏖
🌳8月13日🌳
宮崎駿監督渾身の超大作#もののけ姫🔶ノーカット🐱8月20日🐱
青春冒険ファンタジー#猫の恩返し🔶本編ノーカット🛩8月27日🛩
大ヒットの感動作#風立ちぬ🔶ノーカット pic.twitter.com/ZxzOrMZMiL— アンク@金曜ロードショー公式 (@kinro_ntv) July 15, 2021
「金曜ロードショー」の『猫の恩返し』紹介ページには主題歌情報も掲載されておらず、「風になる」のテレビ放送には何らかのハードルがあることが分かる。
【追記】2024年5月3日(金)に金曜ロードショーで放送された『猫の恩返し』では、エンディングで「風になる」が流れたが、途中までとなっている。
『猫の恩返し』といえば……というレベルの主題歌「風になる」はテレビ放送でカットされる可能性が高い。だが、つじあやのの公式YouTubeチャンネルでは、映画公開から18年を経た2020年9月に「風になる」のミュージックビデオが投稿された。
同年9月には新規収録されたライブバージョンも公開されている。
しかし、これらのバージョンは、実は映画『猫の恩返し』のエンディングで流れるものではない。『猫の恩返し』で流れるのはウクレレとアコースティックギターの音色をメインに構成された「風になる Acoustic Version」。こちらはAmazon Music Unlimitedで聴くか、購入してダウンロードすることができる。『猫の恩返し』のオリジナルサウンドトラックにもこちらのバージョンが収録されている。
また、『猫の恩返し』のBlu-ray版とDVD版ではエンディングまでじっくり楽しむことができるので、物語の流れで「風になる Acoustic Version」を聴きたい方はこちらをゲットしよう。
『猫の恩返し/ギブリーズ episode2』はBlu-rayとDVDが発売中。
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