『カリオストロの城』の音楽は?
1979年に公開された映画『ルパン三世 カリオストロの城』は、宮崎駿の初監督映画として知られ、後世のアニメーターたちに多大な影響を与えた。『カリオストロの城』では、ルパンは世界最高の偽札技術を追い、ハイテク技術で固められたカリオストロ城に潜入する。宮崎駿の描き出す繊細で大胆なアニメーションに魅了された人も多いはずだ。
サントラを手掛けたのは?
その『ルパン三世 カリオストロの城』を彩っているのは、こちらも拘って制作された音楽だ。サントラを手掛けたのはジャズピアニストで作曲家の大野雄二。1977年から現在に至るまでアニメ版「ルパン三世」シリーズの音楽を手がけ続けている。また、宮崎駿が手がけた『未来少年コナン』(1978)の後にNHKで放送された『キャプテン・フューチャー』(1978-1979) の音楽も手がけている。
大野雄二は、実写作品では映画『犬神家の一族』(1976)などの音楽も手がけた。2019年10月には、映画公開40周年と大野雄二の音楽活動55周年を記念した映画『ルパン三世 カリオストロの城』のシネマ・コンサートが開催されている。
また、劇中では、クラシック音楽も採用されており、銭形とカリオストロの面会場面でバッハの「パストラーレヘ長調 BWV.590」、カリオストロの結婚式の場面で同じくバッハの「管弦楽組曲第4番第4章 Menuet」、舞踏会のシーンではヨハン・シュトラウス2世「ウィーン気質」が流れている。
主題歌を歌っているのは?
そして、『ルパン三世 カリオストロの城』の特徴的な主題歌「炎のたからもの」の作曲・編曲を手がけたのも大野雄二だ。作詞は「ブルー・ライト・ヨコハマ」(1968)「亜麻色の髪の乙女」(1968)などを手がけた橋本淳。そして、この曲を見事に歌い上げているのは、ロックシンガーとして活動していたボビー (BOBBY)。
「炎のたからもの」では、「旅人のさむいこころ」「荒野をさすらうあなた」とルパンを指し、「眠らせてあげたい」「私のこの愛」「あなたにだけは分かってほしい」と、クラリスの心情が歌われている。なお、「炎のたからもの」は、後年、石井竜也、高橋洋子、佐咲紗花など、数多くのアーティストにカバーされている。
また、「炎のたからもの」は、2008年公開のOVA『ルパン三世 GREEN vs RED』で今井美樹が歌うアレンジバージョンが主題歌に起用され、2013年のTVスペシャル『ルパン三世 princess of the breeze 〜隠された空中都市〜』ではPredawnが歌う英語バージョン「Treasures of Time」がエンディングテーマとして採用された。
このように、『ルパン三世 カリオストロの城』は、そのアニメーションと共に色あせることのない音楽も遺してくれている。『カリオストロの城』の音楽が気になった方は、「炎のたからもの」も収録されているサントラをチェックしよう。
『ルパン三世 カリオストロの城』サウンドトラックは日本コロムビアから発売中。
『ルパン三世 カリオストロの城』は4K ULTRA HD Blu-rayが発売中。