『E.T.』のサントラに注目!
1982年公開、スティーヴン・スピルバーグ監督の『E.T.』は、公開から40年近く経ったいまでも、人と人(宇宙人?)との心温まる出会いの物語を人々に与え続けている。その魅力はなんだろうか。今回は、『E.T.』で流れるサントラに注目してみよう。
『E.T.』の重要なシーンで流れるテーマ曲「Flying」は、本作品のみならず、現在多くのコンテンツで使われており、聴いたことのあるひとも多いのではないだろうか。
このメインテーマ曲を含む『E.T.』の音楽は、第55回アカデミー賞において作曲賞を受賞した。その作曲者は、スピルバーグ作品ではお馴染みのジョン・ウィリアムズだ。スティーヴン・スピルバーグとジョン・ウィリアムズは『ジョーズ』や『ジュラシックパーク』など、多くの作品でタッグを組んでいる。
後年語り継がれる名作映画の多くは、監督の音楽へのこだわりが感じられることに特徴があるといえるだろう。ロバート・ゼメキス監督の『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(1985)の音楽を手掛けたアラン・シルヴェストリや、クリストファー・ノーラン監督とハンス・ジマーは、ほとんどの作品でタッグを組んでいる。ジョン・ウィリアムズとスティーヴン・スピルバーグはそんな“名監督には名作曲家”のさきがけともいえるだろう。
『E.T.』の主なサントラ作品
メインテーマ曲が収録されている作品のうち、現在手軽に入手できるものは2つある。1982年映画公開年にリリースされたオリジナルサウンドトラック『E.T.』と、2002年に公開20周年を記念して製作された『E.T. <20周年アニヴァーサリー特別版>』である。
1982年のオリジナル版ではメインテーマ「Flying」のほか、映画に流れる主な曲を8曲収録している。それだけでは物足りないという方には、20周年版がおすすめだ。こちらの作品では映画のシーンを丁寧に追っており、『E.T.』の世界に浸ることができる。
マイケル・ジャクソンとの意外なつながり
ちなみに、現在入手困難な作品ではあるが、実はオーディオ・ブックとサウンドトラックを収録したアルバム版が1982年にリリースされており、そのオーディオ・ブックのナレーションを務めたのが、なんとマイケル・ジャクソンであった。
マイケル・ジャクソンは、E.T.が見知らぬ惑星に来て戸惑いながらも子供たちに夢を与えた姿を、ツアーのために世界中の大都市を旅する自身の姿に重ね合わせ、深い共感を得たと1982年12月号エボニー誌のインタビューのなかで答えている。マイケルはこの作品で、グラミー賞の最優秀子供向け音楽アルバム部門を受賞している。
メインテーマ曲「Frying」を聴くだけで、自転車に乗って飛び立ってしまいそうになる。そんな『E.T.』の世界観を包み込み、より魅力を引き立たせるサントラは必聴だ。
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