『アイアン・スカイ/第三帝国の逆襲』名作ファンタジーを題材にしたSF愛溢れる一作

(C)2019 Iron Sky Universe, 27 Fiims Production, Potemkino. All rights reserved.

『アイアン・スカイ/第三帝国の逆襲』に込められたSF愛


「アイアン・スカイ」最新作が日本上陸

フィンランドの鬼才ティモ・ヴオレンソラ監督によるSFアクション映画『アイアン・スカイ/第三帝国の逆襲』が7月12日(金)に日本全国で公開される。“月の裏側”で生き延びていたナチスの残党が地球に攻めてきた——そんなブッとんだ設定で展開された前作に引き続き、今作では“恐竜に乗ったアドルフ・ヒトラー”が登場。歴史上の人物が次々登場する更にブッとんだトレイラーも話題を呼んでいる。

5月29日(水)に開催された『アイアン・スカイ/第三帝国の逆襲』のジャパンプレミアでは、来日していたティモ・ヴオレンソラ監督が登場。撮影秘話を明かし、ファンを喜ばせた。

元ネタになった『来たるべき種族』

ヒトラーやローマ法王、マーガレット・サッチャー、スティーブ・ジョブズの登場にスポットライトが当たっている『アイアン・スカイ/第三帝国の逆襲』だが、実は、その裏には深いSFファンタジー愛が隠されている。『アイアン・スカイ/第三帝国の逆襲』の原題は、『Iron Sky: The Coming Race』だが、これはエドワード・ブルワー=リットンの小説『来たるべき種族』(1871) の原題である『The Coming Race』から採用されたものだ。地球の中心は空洞で、そこには地底世界が広がっており、“ヴリル”と呼ばれる無限のエネルギーが眠っている——『アイアン・スカイ/第三帝国の逆襲』におけるこの設定は、実は『来たるべき種族』で描かれた内容だ。ティモ・ヴオレンソラ監督は、「アイアン・スカイ」シリーズのストーリーに名作ファンタジーの設定を取り入れるというアクロバティックな手法で、全く新しい世界観を作り出したのだ。

ナチスも信じた地球空洞説

一方で、エドワード・ブルワー=リットンの『来たるべき種族』とナチスは決して無縁だったわけではない。現実においても、ヒトラーをはじめとするナチスの高官たちは『来たるべき種族』の設定を現実のものだと考え、地球空洞説を信奉していたとされる。『来たるべき種族』では、地底で栄えた高度な文明社会の姿と、そこに住む“来るべき種族”が地上への侵攻を目論んでいるというストーリーが描かれた。もちろん、ブルワー=リットンはこの物語をフィクションだと主張したが、選民思想に取り憑かれていたヒトラーは、地球の底には優れた文明を持つ人種の人々が暮らしていると信じ込んだと言われている。

『第三帝国の逆襲』の壮大なコンセプト

『アイアン・スカイ/第三帝国の逆襲』には、名作『来たるべき種族』のアイデア「アイアン・スカイ」シリーズのストーリー、そして現実の歴史を組み合わせた壮大なコンセプトが備わっている。もちろん、「アイアン・スカイ」シリーズでおなじみの“隠された歴史”や宇宙船によるドッグファイト、今回は恐竜まで登場するなど、監督の強いSF愛が示されている。「スター・ウォーズ」シリーズや「ジュラシック・パーク」シリーズに強い影響を受けた同監督によるハリウッド顔負けの演出も必見だ。

(C)2019 Iron Sky Universe, 27 Fiims Production, Potemkino. All rights reserved.

『アイアン・スカイ/第三帝国の逆襲』 は、2019年7月12日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国で公開。

『アイアン・スカイ/第三帝国の逆襲』
7月12日(金)、TOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開
監督:ティモ・ヴオレンソラ
脚本:ダラン・マッソン、ティモ・ヴオレンソラ
出演:ララ・ロッシ、ウラジミル・ブラコフ、キット・デイル、トム・グリーン、ユリア・ディーツェ、ウド・キアほか
配給:ツイン
宣伝:スキップ
フィンランド・ドイツ/英語・ドイツ語/原題:Iron Sky : The Coming Race/カラー/デジタル/93分

映画『アイアン・スカイ/第三帝国の逆襲』公式サイト

VG+編集部

VG+編集部

映画から漫画、ゲームに至るまで、最新SF情報と特集をお届け。
お問い合わせ

関連記事

  1. 中国が牽引するハリウッドの「パシフィック・リム化」 〜『パシフィック・リム』をおさらい〜

  2. 『流転の地球 (さまよえる地球)』Netflixで配信へ!! 世界190ヶ国以上、28の言語で

  3. 映画『ジョーカー』トーマス・ウェインは“トランプ過ぎて”俳優交代——「バットマンの父」を演じた歴代俳…

  4. 映画『ジョーカー』を評価できない理由

今週の人気記事

新着記事

今月の人気記事

PAGE TOP