ラスト&ポストクレジット解説『ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ』 ファンに向けた名作 ネタバレ考察 | VG+ (バゴプラ)

ラスト&ポストクレジット解説『ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ』 ファンに向けた名作 ネタバレ考察

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ゲーム版「ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ」(FNaF)シリーズのために作られた作品

2014年に発売されて以降、インターネット上で高い人気を誇る「ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ」(FNaF)シリーズ。原作ゲーム製作者であるスコット・カーソンと『M3GAN/ミーガン』(2022)などを生み出してきた映画製作会社ブラムハウスがタッグを組んだ映画『ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ』が2024年2月9日に公開された。

映画『ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ』では主人公の青年と妹は潰れたピザレストランのフレディー・ファズベアーズ・ピザの警備員となり、恐怖の5日間を過ごすことになる。製作のジェイソン・ブラムはゲーム実写化が失敗しやすい理由としてゲームを知らない層を取り込もうと意識しすぎてゲームファンが置き去りになっていると考察している。

そのため、映画『ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ』はスコット・カーソンの監修や原作ゲームのファンダムの有名人がカメオ出演する作品となっている。本記事はそのような映画『ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ』のラストとミッドクレジットの解説と考察をしていこう。なお、本記事は映画『ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ』のネタバレを含むため、本編視聴後に読んでいただけると幸いである。

ネタバレ注意
以下の内容は、映画『ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ』の内容に関するネタバレを含みます。
児童虐待描写注意
以下の内容は、児童虐待に関する表現を含みます。

映画『ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ』ラスト ネタバレ解説

トラウマに囚われたマイク

2000年の4月。ルーカス・グラント演じる弟のギャレットの誘拐のトラウマに囚われ続けているジョシュ・ハッチャーソン演じるマイク。マイクは自分自身のトラウマを抱えながら、パイパー・ルビオ演じる妹のアビーの世話をしていた。しかし、マイクはピザレストランのフレディー・ファズベアーズ・ピザで80年代に起きた児童失踪事件の被害者の幽霊を介し、ギャレットの誘拐犯に迫っていく。

マイクは夢の世界で児童失踪事件の幽霊と会話するにつれて、現実世界のことが二の次になっていく。そうして補助金目当てでアビーの親権を要求するメアリー・スチュアート・マスターソン演じる叔母のジェーンへ、アビーの親権を譲ろうとしてしまうのだった。アビーはそのようなマイクを拒絶し、2人の間に決定的な溝が生まれる。

夢の世界で児童失踪事件の幽霊と会話するため、フレディー・ファズベアーズ・ピザへと足を運ぶマイク。マイクは夢の世界で児童失踪事件の幽霊が生み出したギャレットが誘拐されなかった世界に心を奪われてしまい、児童失踪事件の幽霊にアビーを引き渡す取引を交わしてしまう。

すぐに正気に戻ったマイクはアビーを渡さないと児童失踪事件の幽霊に告げるが、児童失踪事件の幽霊たちはマイクをズタズタに切り裂き、アビーを奪い去ろうとするのだった。夢から目覚め、血まみれのままフレディー・ファズベアーズ・ピザから逃げ出そうとするマイクをアニマトロニクスの1体である骨組みが剥きだしのフォクシーが追いかける。

児童失踪事件の真相

気を失ったマイクが目を覚ました先は警察施設だった。そこでエリザベス・レイル演じる警察官のヴァネッサから手当てを受けるマイクだったが、そこでマイクは児童失踪事件の真実を知る。児童失踪事件はフレディー・ファズベアーズ・ピザのアニマトロニクスを作った紫の男こと、ウィリアム・アフトンによる犯行だった。

80年代、警察は児童を必死に捜索したが見つからなかった。それもそのはず、ウィリアム・アフトンは黄色のウサギの着ぐるみスプリングボニーの恰好で児童を誘拐した後、死体をアニマトロニクスの中に隠していた。それによって警察は失踪した児童の遺体を発見することが出来なかったのだ。

これは原作のゲームである『ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ』(2014)でも解説されていた事件であり、アニマトロニクスから腐敗臭がするという新聞記事がゲーム版『ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ』で確認することが出来る。そして、映画版『ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ』の児童失踪事件の主犯のウィリアム・アフトンはヴァネッサの父親であり、ヴァネッサに児童誘拐の後始末をさせていたのだった。

ヴァネッサはアニマトロニクスの弱点は電流であると解説し、テーザーガンやスタンガンを渡す。しかし、ヴァネッサは父親であるウィリアム・アフトンに逆らうことが出来ないとも語った。アニマトロニクスが電流を浴びると中枢回路がショートして一時的に動けなくなる設定はボニーがギターでショートを引き起こす場面からも考察できる。また、ヴァネッサの心理は被虐待児によく見られる傾向だ。

フレディたちの目的

その頃、マイクの家にはゴールデンフレディ(イエローベア)が訪れ、ベビーシッターをしていた叔母のジェーンを殺害する。そうして子供の姿でアビーをフレディー・ファズベアーズ・ピザへと誘うのだった。児童失踪事件の幽霊たちの目的は、自分たちと同じような子供を増やすことだった。

アビーを児童失踪事件の幽霊たちに引き渡す取引をしてしまったため、急いでフレディー・ファズベアーズ・ピザに戻るマイク。マイクは満身創痍の体を引き摺りながらフレディやボニーを感電させ、アニマトロニクスのエラの中に押し込まれそうになっていたアビーを救い出す。マイクはアビーを抱きしめて、これまでの過去に囚われてアビーの親権すらも捨てて過去に生きようとしていた人生を改めるのだった。

アビーが押し込まれそうになっていたエラというアニマトロニクスは、ゲーム版「ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ」(FNaF)シリーズで登場するベイビーというアニマトロニクスに再利用されている。

ベイビーはお腹の中にアイスクリームを取り込む機能があるが、ゲーム版「ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ」(FNaF)シリーズのスピンオフ作品の『ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ:シスターロケーション』(2016)で子供を体内に取り込む事故を引き起こしたことが解説されている。

スプリングボニーの正体

カップケーキにマイクが襲われ、アビーと離れ離れになってしまう。マイクはカップケーキを振り払おうとするが、その間にもアビーの元にフォクシーが迫っていた。フォクシーに襲われる寸前、ヴァネッサがテーザーガンでアビーを救う。

トラウマを振り払ったヴァネッサはスプリングボニーに扮した父親のウィリアム・アフトンに立ち向かう。被り物を取ったウィリアム・アフトンの正体はマイクに警備の仕事を斡旋したマシュー・リラード演じるスティーブ・ラグランだった。ウィリアム・アフトンはスティーブ・ラグランとして警備員を雇ってフレディー・ファズベアーズ・ピザを管理させ、警備員が児童失踪事件の真相に近づきそうになると娘のヴァネッサに処理させていたのだ。

ウィリアム・アフトンは自分に歯向かった娘のヴァネッサを一瞬ためらうも包丁で突き刺し、フレディたちにマイクを処理するように命令する。しかし、マイクはアビーにフレディー・ファズベアーズ・ピザに飾られたスプリングボニーと子供が仲良くしている偽りの絵を取り払い、スプリングボニーが悪人である真実の絵を描くように言うのだった。

子供の自己表現

映画冒頭ではマイクはアビーが絵ばかり描いていることを心配していたが、スクールカウンセラーから絵は言語が誕生する前から存在するもので、アビーは絵で自己表現しているのだからそこに注目すべきだとマイクに解説している。映画版『ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ』では物語の核にアビーの絵が存在しており、子供向けのピザレストランが舞台のホラー映画というだけあって子供の自己表現などに注力していると考察できる。

アビーの描いた「スプリングボニーが児童失踪事件の被害者を殺害する絵」が貼り出されると、フレディたちに取り憑いた被害者の霊たちがウィリアム・アフトンに牙を剥き始める。カップケーキが脇腹に噛みつき、それによってバネ錠が作動してウィリアム・アフトンの肉体を抉る。ウィリアム・アフトンは崩壊していくフレディー・ファズベアーズ・ピザの中で「私は戻ってくる」と叫び、フレディたちによって店の奥へと引き摺られていった。

新たな警備員

すべての事件が解決した後、マイクは活発になったアビーを見て安心する。その後、未だ昏睡状態にあるヴァネッサのもとを訪れ、自分たちが傍にいると語るのだった。アビーは警備員がいなくなった後のフレディー・ファズベアーズ・ピザに残る被害者たちの幽霊のことを心配する。その頃、フレディー・ファズベアーズ・ピザでは警備員の代わりに死にゆくウィリアム・アフトンをフレディたちに取り憑いた幽霊たちが監視するのだった。

ミッドクレジットでは何度もマイクを驚かせてきたバルーンボーイがタクシーに乗り込む場面で終わる。このタクシー運転手はゲーム版「ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ」(FNaF)シリーズの有名な実況者であるコリーXケンシンであり、「Oh, my goodness」と叫ぶのはコリーXケンシンの実況のお馴染みのワードである。

他にもウェイター役にゲーム版「ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ」(FNaF)シリーズの有名な考察者のマットパットが登場するなど、ファンダムに向けて作られているのが映画版『ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ』の特徴だと考察できる。

前述の通り、映画『ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ』の制作陣はゲーム実写化が失敗する理由はファン以外を無理に取り込もうとすることだと考察しており、徹底してファンダムを映画に起こすことを重視している。

映画『ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ』の続編はどうなる?

エンディングロールでは、The Living Tombstoneがゲーム版『ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ』第1作に発表したファンソング「Five Night at Freddy’s」が流されるなど、徹底してファンダム文化を取り込んだ映画版『ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ』。

既に次回作の製作が決定している『ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ』だが、最後に「大きな古時計」が流れている。「大きな古時計」はゲームの『ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ2』(2014)でパペットというアニマトロニクスを動かさないようにするために必要なオルゴールから流れる音楽である。そのため、『ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ2』を下敷きに次回作が製作される可能性も考察できる。

他にもまだウィリアム・アフトンが死亡していないことから、ウィリアム・アフトンが復活する可能性が考察できる。例え、このままウィリアム・アフトンが死亡したとしても、最後にスプリングボニーの被り物を被り直したことから、他の被害者の幽霊と同じように魂をスプリングボニーに固定させて再登場する可能性も考察できる。ブラムハウスでもトップクラスのヒットを飛ばした『ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ』の続編にも期待していきたい。

実写映画『ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ』は2024年2月9日より全国公開。

>映画『ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ』公式サイト

>映画『ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ』公式X(旧Twitter)

実写映画『ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ』の続編についての情報はこちらから。

実写映画『ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ』で流れた音楽の解説はこちらの記事で。

実写映画『ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ』のキャストについてはこちらから。

原作ゲーム『Five Nights at Freddy’s』公式サイトはこちらから。

Steam公式サイト『Five Nights at Freddy’s』

アップルストア『Five Nights at Freddy’s』

Googleプレイ『Five Nights at Freddy’s』

鯨ヶ岬 勇士

1998生まれのZ世代。好きだった映画鑑賞やドラマ鑑賞が高じ、その国の政治問題や差別問題に興味を持つようになり、それらのニュースを追うようになる。趣味は細々と小説を書くこと。
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