2023年8月27日全米公開
大人気ゲームシリーズ『ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ』(2014-)、通称“FNaF”の実写映画版『ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ(原題:Five Nights at Freddy’s)』(2023)の予告映像が公開された。制作はジェイソン・ブラムが創立し、「パージ」シリーズや『ゲット・アウト』(2017)、『M3GAN ミーガン』(2023)を生み出したアカデミー賞受賞経験のある2000年創設の新進気鋭のブラムハウス・プロダクションズが担当することも発表されている。
監督は『イントゥ・ザ・ダーク』(2020-2021)など多くのホラードラマシリーズを手掛けたエマ・タミー監督で長編映画としては『ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ』がデビューとなる。主演は『ダレンシャン』(2009)や「ハンガー・ゲーム」シリーズにも出演するティーンエイジャー向けのダークファンタジーやホラー、サスペンスの2000年代の顔とも言うべきジョシュ・ハッチャーソンだ。
本記事では実写映画版『ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ』について、原作であるゲーム版についても合わせて解説していく。なお、以下の内容は国内だけではなく国外でも発表されている範囲のキャラクターの設定に関する情報を含むので、情報を入れずに鑑賞したいと思われている方は注意していただきたい。
『ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ』とは
原作ゲームの『ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ』は2014年に発売されたスコット・コートン開発作品で、主人公はフレディ・ファズベアーズ・ピザの深夜の警備員として電話の男の指示を受けながら監視カメラで店中を見張ることになる。ここで、主人公はバッテリーの残量を気にしながらドアの開け閉めや監視カメラを駆使して、アニマトロニクスの人形から身を守ることになる。この電話の男の声を務めるのはゲーム開発者のスコット・コートン本人だ。
アメリカではアニマトロニクスの人形が楽器を弾くのを見ながらピザを食べ、子供の誕生日を祝うといったコンセプトの店が実在しており、それがリアリティが増す一因となっている。有名な店舗で言えば「チャック・E・チーズ ピザタイムシアター(Chuck E. Cheese’s Pizza Time Theater)」やそのライバル店「ショウビズ・ピザ・プレイス(ShowBiz Pizza Place)」などが挙げられるだろう。プラスチック製のボールで出来たボールプールもアメリカでは一般的な児童遊具だ。
『ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ』では閉店してしまったフレディ・ファズベアーズ・ピザで過去に起きたアニマトロニクスたちによる児童殺傷事件の謎や、なぜ倒産した店舗の警備員が重要視されるのかといった様々な謎に直面することになる。
事実、インスピレーションの元になったと思われる「チャック・E・チーズ ピザタイムシアター」は1984年に破産申請をし、ライバル店「ショウビズ・ピザ・プレイス」による買収統合など紆余曲折を経て一つの企業になる。そして1993年には解雇された従業員が9人を銃で殺傷するなど血なまぐさい事件も起き、2023年現在ではコロナウィルスの影響もあって『ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ』同様に不透明な経営状況となっている。
映画版『ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ』は警備員としてフレディ・ファズベアーズ・ピザの謎に直面しながら、かつてのビデオ映像などを頼りにアニマトロニクスたちを監視することになる。そこではアメリカではお馴染みのアニマトロニクスやボールプールなど児童遊具がホラー映画の恐怖の装置へと変貌を遂げる。
脇を固める豪華キャスト陣
主演のジョシュ・ハッチャーソン以外にも映画版『ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ』には2000年代初頭を彩った豪華なキャスト陣が出演し、「チャック・E・チーズ ピザタイムシアター」に起きた出来事のような生々しさを味わうことができる。
『ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ』でプレイヤーを襲うアニマトロニクスをつくったアフトン・ロボティクス社(Afton Robotics Inc.)のオーナーもしくは技術者のウィリアム・アフトン(William Afton)を演じるのは「スクリーム」シリーズや実写版「スクービー・ドゥー」シリーズなどでホラーからコメディに至るまで多岐にわたる活躍をしているマシュー・リラードだ。ウィリアム・アフトンは紫の男とも呼ばれることもあり、「ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ」シリーズ全体の鍵を握る人物だ。
ドラマ『ワンス・アポン・ア・タイム』(2011-2018)で『アナと雪の女王』(2013)のアナを演じ、Netflix制作『You』(2018-)で第45回サターン賞ストリーミングプレゼンテーション部門最優秀女優賞にノミネートされたエリザベス・レイル(Elizabeth Lail)の出演も発表されている。他にもブロードウェイ・ミュージカル『ナイン』(2003)でミュージカル初挑戦ながらトニー賞ミュージカル助演女優賞候補に輝いたメアリー・スチュアート・マスターソンが悪役として登場するとのことだ。
まだまだ未発表のキャストも多く、2023年5月17日現在ではフレディのバンドのメンバーで、主人公を襲うアニマトロニクス人形の一人、ひよこの女の子のチカ(Chica)の声優にはジェス・ワイス(Jess Weiss)がキャスティングされている。
ジェス・ワイスはアダム・ドライバー主演の宇宙船が6500万年前の地球に不時着し、恐竜に襲われるという「スパイダーマン」シリーズで監督を務めたサム・ライミ監督と「クワイエット・プレイス」シリーズの脚本家のスコット・ベックとブライアン・ウッズが製作する『65/シックスティ・ファイブ』にも出演している期待のホープだ。
今後、どのようなキャストが発表されるのか。そして、どのような物語となっていくのか。日本公開はいつになるのか。今後の最新情報に注目していきたい。
『ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ(原題:Five Nights at Freddy’s)』は2023年8月27日全米公開予定。
October 27, 2023 @blumhouse #FNAF pic.twitter.com/EjUHjfYTCA
— Jason Blum (@jason_blum) May 17, 2023
原作ゲーム『Five Nights at Freddy’s』公式サイトはこちらから。
Steam公式サイト『Five Nights at Freddy’s』
アップルストア『Five Nights at Freddy’s』