『さよならジュピター』初のBru-ray化
小松左京が製作・原作・脚本・総監督を務め、1984年に公開された映画『さよならジュピター』が初めてBlu-rayで発売される。
『さよならジュピター』は、これまでに様々な媒体で発売されてきたが、小松左京の生誕90年、没後10年にあたる2021年の10月に遂にBlu-ray化される。Blu-rayには多数の映像特典も収録される。
映画『さよならジュピター』は、2020年にNetflixでアニメ化された『日本沈没』(1973) やコロナ禍で改めて注目を集めた『復活の日』(1964) などで知られる日本を代表するSF作家の一人、小松左京が製作・原作・脚本・総監督を務め、「ゴジラ」シリーズで特技監督を務めた川北紘一が特技監監督を務めた作品。
多くのSFファンとクリエイターに影響を与えた作品であり、主題歌の「VOYAGER(ボイジャー)~日付のない墓標」は、庵野秀明監督の『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』(2021) で使用され話題を呼んだ。同作の公開日にはTwitterで「さよならジュピター」がトレンド入りしたことは記憶に新しい。
1977年の『スター・ウォーズ』の大ヒットを受けて企画された『さよならジュピター』は、山田正紀、横田順彌ら多くのSF作家によるブレインストーミングを経て計画が練られ、小松左京がシナリオ化。アメリカからは原作買取のオファーも届いた。完成後、高い評価を得ることはできなかった同作だが、小松左京がノベライズ版『さよならジュピター』(1982) の「あとがき」に「たとえ勝ち目はなくとも、挑戦する側にくみしたい」と記した通り、日本SFに全力で挑戦する姿勢を示したプロジェクトだった。
今回発売される『さよならジュピター』Blu-ray版の映像特典には、特報、予告編、スチールギャラリー(静止画)、絵コンテで見る「さよならジュピター」(映画製作準備のために描かれた約850枚の絵コンテと音楽で構成)、MAKING OF さよならジュピター(1984年発売のメイキングビデオ)が収録される。
『さよならジュピター』あらすじ
《太陽系消滅》か! 沈黙の木星空間で人類が遭遇した空前の危機!
22世紀前半。人口185億人に達した人類は、宇宙へ進出。エネルギー 問題を解決するため、木星を第二の太陽に変えようとしていた。そんな時、 太陽系にブラックホールが接近しつつあることが判明。このままでは太陽 系が消滅する! 人類はこの未曾有の危機から逃れられるのだろうか?
小松左京が製作・原作・脚本・総監督を務め、ゴジラシリーズの川北紘一 特技監督が宇宙空間をリアルに描いた、壮大なSF大作!!
Blu-ray版『さよならジュピター』は東宝より、2021年10月20日(水) 発売。
小松左京が自らノベライズを手掛けた小説版『さよならジュピター』は徳間文庫からKindleで発売中。
なお、小松左京が手がけた『さよならジュピター』は、元々は立体アニメ作品として企画されていた作品だ。映画『さよならジュピター』製作の経緯は、以下のリンク先の小松左京ライブラリでご覧いただきたい。
2019年10月から12月に世田谷文学館で開催された「小松左京展―D計画―」では、『さよならジュピター』に関する貴重な資料が展示された。詳細はこちらの記事で。