『シークレット・インベージョン』裏側が明らかに
ドラマ『シークレット・インベージョン』は2023年6月から配信を開始したMCUフェーズ5最初のドラマ作品。アベンジャーズをまとめてきたニック・フューリーを主人公に据えた作品で、フューリーとスクラル人の知られざる戦いが描かれた。
ディズニープラスでは、『シークレット・インベージョン』の裏側を描くドキュメンタリー『アッセンブル「シークレット・インベージョン」の裏側』の配信が2023年9月20日(水) からスタート。制作の裏側が明らかになる「アッセンブル」シリーズの最新作になる。その中で、MCUでは久しぶりの登場となったマリア・ヒルとタロスについて、製作陣の意図が明かされている。
以下の内容は、ドラマ『シークレット・インベージョン』の内容に関する重大なネタバレを含みます。
マリア・ヒルとタロスの死
『シークレット・インベージョン』の衝撃的な展開といえば、マリア・ヒルとタロスの死だ。共に本作のヴィランであるグラヴィクが擬態能力を使って殺したもので、いずれもニック・フューリーの目の前で殺害されている。
マリア・ヒルといえばコビー・スマルダーズが演じる人気キャラで、映画『アベンジャーズ』(2012) から登場した10年以上の歴史を持つキャラクターだ。タロスはベン・メンデルソーン演じるキャラクターで、登場は『キャプテン・マーベル』(2018) からだが、『シークレット・インベージョン』ではニック・フューリーとの長年にわたる絆が明かされた。
MCUにおいて、そしてニック・フューリーにとって重要な二人が新キャラのグラヴィクによって倒される衝撃の展開。スクラル人の擬態やフューリーによる偽装というどんでん返しも期待されたが、マリア・ヒルとタロスについてはその死が覆ることはなかった。
『シークレット・インベージョン』というドラマ作品の中で、なぜマリア・ヒルとタロスの二人は死ななければならなかったのか。『シークレット・インベージョン』の脚本家で製作総指揮にも名を連ねたブライアン・タッカーは、『アッセンブル「シークレット・インベージョン」の裏側』でその理由を語っている。
マリア・ヒルとタロスが死んだ理由
ブライアン・タッカーは、制作初期の段階でグラヴィクとスクラル人の反乱軍の危険性を表現するため、物語をスケールを決めたと話している。そのスケールを実現するためには、「全ての登場人物を生き延びさせるわけにはいかなかった」と話している。さらに、「惑星をめぐって血が流れる争いが地球上で行われており、戦いの犠牲になる人もいる」「皆に愛されたキャラクターに断腸の思いで別れを告げた」としている。
つまり、『シークレット・インベージョン』はドラマシリーズではあるが、地球の征服をめぐる巨大なスケールの物語であり、重要人物だからといって無傷でこの戦いを潜り抜けるということにはしたくなかったようだ。一方で、タロスを演じたベン・メンデルソーンも、『アッセンブル「シークレット・インベージョン」の裏側』で興味深い発言をしている。
それは、「タロスはオビ=ワン・ケノービに似ている。死後の方が模範として力を発揮する」というものだ。タロスは『シークレット・インベージョン』でMCUのストーリーから退場することにはなったが、娘のガイアがタロスを弔い、最も強力なスクラル人の一人としてMCUの世界に残ることになった。ベン・メンデルソーンの言う通り、タロスは死後もMCU世界でその影響力を見せることになるのかもしれない。
また、ブライアン・タッカーは、マリア・ヒルとタロスの死について、ニック・フューリーの「他の人間への愛情」が弱点になったと指摘している。二人は地球人とスクラル人だが、地球人もスクラル人も同じように敬愛していたニック・フューリーだからこそ、この二人の死にダメージを受けたのであり、グラヴィクもそれを見抜いていたということなのだろう。
マリア・ヒルとタロスは去ったが、ガイアとニック・フューリーの物語は続いていく。次は2023年11月10日(金) 公開の映画『マーベルズ』でどんな展開が待っているのか、公開を楽しみに待とう。
ドキュメンタリー『アッセンブル「シークレット・インベージョン」の裏側』はディズニープラスで配信中。
ドラマ『シークレット・インベージョン』も配信中。
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マリア・ヒル役のコビー・スマルダーズがマリア・ヒルの死について語った内容はこちらから。
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