『トランスフォーマー/ONE』監督「デザインをG1のスタイルに戻しました」 新規ファンも楽しめるノスタルジー溢れる作品に | VG+ (バゴプラ)

『トランスフォーマー/ONE』監督「デザインをG1のスタイルに戻しました」 新規ファンも楽しめるノスタルジー溢れる作品に

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『トランスフォーマー/ONE』監督ジョシュ・クーリー「デザインをG1のスタイルに戻しました」

2024年4月18日(木)に、宇宙へ打ち上げられたディスプレイでティザーPVを公開するという驚きのマーケティング戦略を行なった新作アニメ映画『トランスフォーマー/ONE』。その監督であるジョシュ・クーリーのインタビューが米IGNで公開された。そこでは新作アニメ映画『トランスフォーマー/ONE』におけるトランスフォーマーたちのデザインから、惑星サイバトロンの創生神話まで多く語られた。

まず、新作アニメ映画『トランスフォーマー/ONE』のキャラクターデザインについて、なぜオプティマス・プライムにマスクがないのかをジョシュ・クーリー監督は語った。それはトランスフォーマーたちの感情表現を豊かにするためであり、初期のアニメ群であるG1(ジェネレーション1)寄りのデザインにキャラクター全体を近づけ、マスクやゴーグルなどは取り除かれたということだった。もしかすると、メガトロンとの決別の象徴としてオプティマス・プライムにマスクが付くのかもしれない。

もちろん。そうですね。CGではすべてが選択なのです。だからまず、彼らは自分のフェイスプレートを獲得しなければなりません。すぐに手に入るものではないです。基本的には権利を獲得しなければなりません。そう、キャラクターたちが明確に感情を表現できるようにするためには、彼らの目や顔が見えるようにしたかったのです。ですから、キャラクターたちのデザインをG1のスタイルに戻しました。オリジナルのアニメでは、表情豊かな顔をしていましたから。

そして、続けてこれまで映画になっていた「トランスフォーマー」シリーズが惑星サイバトロンの大きな歴史の一部でしかないと語り、新作アニメ映画『トランスフォーマー/ONE』はそれを掘り下げるものだと話した。その比較対象として、J・R・R・トールキンの中つ国の神話を持ち出してきたのだから驚きだ。

『指輪物語』に代表される中つ国の神話は膨大であることで知られている。新作アニメ映画『トランスフォーマー/ONE』は惑星サイバトロンの膨大な神話の一端に過ぎないのだろうか。「トランスフォーマー」シリーズのファンならば様々な考察をしてしまう発言だ。

新規ファンも楽しめるオリジン・ストーリーに

また、多くの観客が気になっていたところにも、ジョシュ・クーリー監督は答えている。それは「トランスフォーマー」シリーズのファンが予想していたよりも新作アニメ映画『トランスフォーマー/ONE』の作風がコミカルであり、明るいものになっていたことだ。ジョシュ・クーリー監督はこれについて、以下のように述べた。

万人向けの映画を作ることを目指したと言えるでしょう。オリジン・ストーリーですから、ファンのためだけでなく、すべての人のための映画を作りたかったのです。トランスフォーマーについて何も知らなくても、この映画を見て楽しむことができます。とはいえ、予告編ではたくさんのコメディを披露していますが、それは、このキャラクターたちや俳優たちと一緒に楽しんでいるうちに、自然と映画の中に入っていったからです。

オプティマス・プライムとメガトロンは敵同士になるので、観客が早い段階で兄弟として、友人として彼らを好きになるようにしたかったのです。この映画の最後には、重大な賭けがあり、トランスフォーマー映画に期待されるようなアクションと冒険があります。楽しくて軽いトーンでありながら、とても現実的でもあるのです。

俳優たちの雰囲気をキャラクターに投影

また、後にメガトロンとなるD-16のキャラクター像について、ジョシュ・クーリー監督は彼を演じるブライアン・タイラー・ヘンリーと話し合ったそうだ。そこではメガトロンを単純な悪役にせず、それでいて最後は破壊大帝メガトロンとしてオートボット総司令官オプティマス・プライムとどのように袂を分かつかどうかが議論されたとのことだ。

また、オプティマス・プライムに関しては、行動的だがそれが正しい行動かどうかわからない未熟な面を併せ持つキャラクターにしたとのことだ。そこには彼を演じるクリス・へムズワースのアドリブも大きく影響し、MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)でマイティ・ソーを演じた経験が活かされているとジョシュ・クーリー監督は語った。

クリス・へムズワースが本当によくやっているのはヒーローを演じることです。彼はまさにヒーローです。でも、クリス・へムズワースについて驚いたことのひとつは、実生活での彼の面白さなのです。私は、「ああ、この映画でもっとそれを見せてほしい」と思いました。だから彼は、セリフはパスして、ただただ自分自身をそこに注ぎ込み、オライオン・パックスを本当に楽しいものにしてくれました。

予告編のコメディの多くは、クリス・へムズワースのアドリブから生まれているのです。それから、映画全体では、クリス・へムズワースがもう少し若く、世の中のことをあまり気にしていないという意味で、オプティマス・プライムのキャラクターの序盤に明るさをもたらしていたのです。

この俳優の私生活の面をキャラクターに反映させるというのは、後のバンブルビーであるB-127を演じたキーガン=マイケル・キーも米Colliderで語っていた。そのため、今回の新作アニメ映画『トランスフォーマー/ONE』では俳優たちの持つありのままの雰囲気をキャラクターに投影していると考察できる。

『トランスフォーマー/ONE』の重要キャラクター、エリータ-1

同じくMCUでブラック・ウィドウという重要なキャラクターを演じたスカーレット・ヨハンソンも『トランスフォーマー/ONE』ではオプティマス・プライムの恋人であり、革命家の同志でもあるエリータ-1として参加している。エリータ-1はオプティマス・プライムの恋人という役柄だけではなく、新作アニメ映画『トランスフォーマー/ONE』の物語全体を動かす重要な鍵になるとのことだ。

エリータ-1はとても素晴らしいキャラクターです。オライオン・パックスがすべての答えを持っているわけではないことが重要でした。世の中にすべての答えを持っている人なんていないですし、完璧なキャラクターなんていません。他のキャラクターからの後押しも必要です。

だから、エリータ-1をこのアンサンブルの一部とし、B-127にオライオン・パックスとD-16の関係をサポートさせるという選択をしました。エリータ-1なしではこの映画は成り立ちません。それが彼女のキャラクターの好きなところなのです。彼女は、ただ後ろで寄り添って面白いことを言うだけの存在ではありません。彼女はストーリーの中で極めて重要なキャラクターなのです。

これまで「トランスフォーマー」シリーズを追ってきたファンにとっては、ノスタルジーを感じさせる作品になると語られている新作アニメ映画『トランスフォーマー/ONE』。制作開始が2023年に発表されてから、長い間、「トランスフォーマー」シリーズのファンは情報不足に耐えてきた。今後、更なる情報解禁があることに期待したい。

『トランスフォーマー/ONE』は2024年9月20日(金)より全米公開予定。

『トランスフォーマー/ONE』公式サイト

Source
IGN/Collider

 

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『トランスフォーマー/ONE』でバンブルビーを演じるキーガン・マイケル=キーの役作りはこちらから。

『トランスフォーマー/ONE』がこれまでと異なる8つのポイントがある。詳しくはこちらから。

鯨ヶ岬 勇士

1998生まれのZ世代。好きだった映画鑑賞やドラマ鑑賞が高じ、その国の政治問題や差別問題に興味を持つようになり、それらのニュースを追うようになる。趣味は細々と小説を書くこと。
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