第2話感想&解説!『ガンダムブレイカー バトローグ』登場機体の原作は? | VG+ (バゴプラ)

第2話感想&解説!『ガンダムブレイカー バトローグ』登場機体の原作は?

©創通・サンライズ

『ガンダムブレイカー バトローグ』とは

2021年10月19日(火)から『ガンダムブレイカー バトローグ』の新作ショートフィルムがガンダム公式 YouTube チャンネル「ガンダムチャンネル」にて配信開始された。

『ガンダムブレイカー』は2019年より展開する「ガンプラ」をテーマとするアクションゲームアプリだ。その『ガンダムブレイカー』とガンプラのコラボプロジェクト、「ガンダムブレイカー バトローグ プロジェクト」において作られた新作フィルムが『ガンダムブレイカー バトローグ』である。

劇中登場機体は実際にガンプラとして発売され、関節構造の統一などにより実際に劇中同様の組み替え遊び”ミキシングビルド”を楽しむことができる。

今回は『ガンダムブレイカー バトローグ』登場機体を”元ネタ”とともに紹介していきたい。

『ガンダムブレイカー バトローグ』第2話「開幕!GBフェスタ」あらすじ

奏海(そうかい)高校ガンプラ部のミヤマ・サナ、アイゼン・トウマ、フドウ・リュウセイの三人は、GBフェスタで催された新型バトルシミュレーターでのガンプラバトルに参加した。

まずは一番手、ミヤマ・サナが愛機の「ガンダムパーフェクトストライクフリーダム」でバトルフィールドに降り立つと、『機動戦士ガンダム』(1979)に登場したズゴック、『機動武闘伝Gガンダム』(1994-1995)に登場したペスカトーレ、『機動戦士ガンダムSEED』(2002-2003)に登場したゾノなどの水陸両用機体が出迎える。

20機程の機体を装備したドラグーンや火器類を一斉に撃ち放つ「パーフェクト・フルバースト」で一掃し一息ついたところで上空から新手が現れる。『新機動戦記ガンダムW Endless Waltz』(1997)に登場したトールギスⅢ(スリー)だ。

またしても砲撃戦で迎え撃とうとするサナだが、弾切れの隙に接近を許してしまう。あわやヒートロッドの一撃を見舞われそうになったガンダムパーフェクトストライクフリーダムの窮地を救ったのは、アイゼン・トウマの駆る「ガンダムリヴランスヘブン」だ。ヒートロッドを防いだビームランスからビーム刃を展開させ、一撃でトールギスⅢを屠るガンダムリヴランスヘブン。

しかしいくら強力とは言え接近戦用のビームランスしか武装を持たず、原典の「ガンダムデスサイズヘル」同様戦闘において取れる選択肢の限られるガンダムリヴランスヘブンはあっという間に量産機に取り囲まれてしまう。『ガンダム Gのレコンギスタ』(2014-2015)登場のカットシー、『機動戦士Zガンダム』(1985-1986)登場のバイアランなどガンダムファンにはお馴染みの機体が並ぶが、多勢に無勢とはこのことだ。

ガンダムリヴランスヘブンの窮地に「ダブルサテライトキャノン」を放ったのはフドウ・リュウセイの駆る「ガンダムヘリオス」だ。どうやらこのステージでは大量の量産機とエース級のMSが交互に出現するらしい。身構える三人だが、しかしエース機は一向に現れない。

と、突如上空から赤い光の矢のようなものが降り注ぐ。散開して難を逃れた三人だが、他の参加者の機体はその矢に貫かれ、次々に檻のようなものに囚われてしまう。これはまさに第1話でブレイジングガンダムを拘束したのと同じ種類の攻撃だ。そこへ響き渡る何者かの笑い声。この声は、第1話冒頭でガンダムダブルオーコマンドクアンタに敗れた、ガンダムバルバリックのパイロットのものではないだろうか?

その声は会場の外から配信されているようだ。リュウセイがカメラで追うと、そこには怪しげな人影が。果たしてこの人物の正体は…

待て、次回。

『ガンダムブレイカー バトローグ』第2話「開幕!GBフェスタ」登場機体解説

ガンダムパーフェクトストライクフリーダム

ミヤマ・サナの駆る『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』(2004-2005)登場の「ストライクフリーダムガンダム」のカスタム機。

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この機体の成立には少々複雑な経緯がある。

まず、『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』は『機動戦士ガンダムSEED』(2002-2003)の続編であり、『機動戦士ガンダムSEED』の主役機である「ストライクガンダム」にはエールストライカー、ソードストライカー、ランチャーストライカーという三つのストライカーパックが用意されている。

当時の劇中ではそれぞれを単独装備する「エールストライクガンダム」、「ソードストライクガンダム」、「ランチャーストライクガンダム」しか登場しなかったが、誰もが期待するエール、ソード、ランチャー”フル装備”仕様はまずSDガンダムのガンプラブランド「BB戦士」シリーズNo.259「ストライクガンダム ストライカーウェポンシステム」のプラモデルオリジナルギミック「スーパーストライクガンダム」として商品化された。

その後、これを本編にフィードバックする形で2012年1月~11月に放送された『機動戦士ガンダムSEED HDリマスター』38話「決意の砲火」にて「パーフェクトストライクガンダム」が遂にアニメ本編への登場を果たした。パーフェクトストライクガンダムは当時の1/144スケール「HG」ブランドでも商品化されている。

『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』では物語当初こそ前作『機動戦士ガンダムSEED』とは異なるシン・アスカという主人公が用意されたが、物語の進展に伴い前作主人公のキラ・ヤマトが主人公ポジションに復帰してしまった。そして、『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』後半における”主役機”の位置付けがキラ・ヤマトの駆る「ストライクフリーダムガンダム」なのである。

一見して分かる通り、『機動戦士ガンダムSEED』でキラ・ヤマトが搭乗した前半主役機である「ストライクガンダム」と後半主役機である「フリーダムガンダム」の名前を足したものが「ストライクフリーダムガンダム」だ。しかし、実際の機体構成としては単純にフリーダムガンダムを高性能化したようなものであり、例えば武装の換装によって形態変化を遂げるというようなストライクガンダムの要素は割愛されていた。

その「ストライクフリーダムガンダム」に、名前だけではなく前述した「パーフェクトストライクガンダム」をモチーフとしてエール、ソード、ランチャーストライカーの武装を併せ持つカスタマイズを施したものが「ガンダムパーフェクトストライクフリーダム」なのである。

ガンダムリヴランスヘブン

アイゼン・トウマ駆る「ガンダムデスサイズヘル」のカスタム機。

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ガンダムデスサイズヘルは『新機動戦記ガンダムW』(1995-1996)登場のデュオ・マックスウェルの愛機だ。原典のガンダムデスサイズヘルは「死神」をモチーフとしてデザインされ、機体カラーもそのイメージに相応しく黒を基調としたものだったが、ガンダムリヴランスヘブンはモチーフを真逆の「天使」に反転させている。機体カラーも明るいグレーを基調としながら差し色に黄色を配し、関節部などは暗めの金色となっており西洋画のような荘厳な印象を醸している。

ガンダムデスサイズヘルの前身である「ガンダムデスサイズ」は「HGAC」ブランドで最新の機構で1/144スケールキットがリリースされているが、ガンダムデスサイズヘル自体は未発売だ。だが、最大の特徴である前身を包み込むマント状の「アクティブ・クローク」の形状はほぼガンダムリヴランスヘブンと共通なので、ガンダムリヴランスヘブンの金型流用によるガンダムデスサイズヘルのキット化は期待できるだろう。

ガンダムヘリオス

フドウ・リュウセイの駆る「ガンダムX」のカスタム機。

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様々なガンダム作品の主役機の要素が統合されているが、最大の特徴である「ダブルサテライトキャノン」、およびそれを用いる為の胴体部には『機動新世紀ガンダムX』(1996)の前半主役機ガンダムX(エックス)のものが用いられている。「サテライトキャノン」は一撃でスペースコロニーをも破壊する劇中最大火力を誇る兵器だが、『機動新世紀ガンダムX』の後半主役機である「ガンダムDX(ダブルエックス)」はそれを改良し更に二門に増やした「ツインサテライトキャノン」を装備している。

だが、ガンダムヘリオスの装備する「ダブルサテライトキャノン」はそれとも異なり、ガンダムXの装備するサテライトキャノンをほぼそのまま二門装備しているようだ。腕部や脚部は独自の形状にアレンジされているが、バックパックの翼は『機動戦士ガンダムSEED』の後半主役機フリーダムガンダムのものを上下反転させてそのまま装備しており、頭部も『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』登場のデスティニーガンダムのものがそのまま流用されているようだ。

『ガンダムブレイカーモバイル』登場の「ガンダムアレウス」を前身とするカスタム機だが、アレウスがフリーダムガンダムのものではなくデスティニーガンダムの翼を装備していたことや、「ツインフェザーサテライトキャノン」としてガンダムヘリオス同様サテライトキャノンも二門装備している点などを考えると、見た目的にも性能的にもむしろデチューンされてしまったような印象を否めない。

そのまま装備するとどうしてもフリーダムガンダムの印象に引っ張られてしまうとは言え、上下を逆さまにしたフリーダムガンダムの翼を背中にそのまま付けた見た目にはどうしても違和感を抱いてしまうが、皆さんはどうだろうか。それとも慣れの問題か。

ところで、ガンダムリヴランスヘブンのパイロットであるアイゼン・トウマを演じるのは小野友樹で、ガンダムヘリオスのパイロットであるフドウ・リュウセイを演じるのは小野賢章で奇しくも両名「小野」姓だ。小野賢章は今年2021年公開の『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』で主人公であるハサウェイ・ノアを演じ、正規のガンダム作品でもガンダムパイロットを務めた。フドウ・リュウセイとアイゼン・トウマはライバル関係にあるらしい。果たしてどちらがガンダムを上手く使えるのだろうか?

ガンダムパーフェクトストライクフリーダムという人気主役機体の要素を詰め込んだ正統派主役機のような見た目のガンダムのパイロットがミヤマ・サナという女性キャラクターである点もこれまでのシリーズからすると目新しい点だ。同じく「ガンプラ」を主題とする『ガンダムビルドファイターズ』(2013-2014)においては表立って戦闘に参加する女性ガンプラファイターはアイラ・ユルキアイネンくらいのものであり、乗機も「キュベレイ・パピヨン」、「ミス・サザビー」と女性性を前面に押し出したものが用意されていた。

他にコウサカ・チナは「ベアッガイⅢ(さん)」というガンプラを作り上げるが、こちらも少女性を多分に意識したファンシーなデザインだった。それが2021年の『ガンダムブレイカー バトローグ』では正統派の「ガンダム」が女性キャラクターの乗機として用意されているのには隔世の感がある。これはやはり来年2022年放送予定の『機動戦士ガンダム 水星の魔女』ではいよいよ正規作品での女性主人公が期待できるのではないだろうか?

『ガンダムブレイカー バトローグ』は毎週火曜日21時30分にガンダム公式YouTubeチャンネルの「ガンダムチャンネル」で配信中。

『ガンダムブレイカー バトローグ』公式サイト

『ガンダムブレイカー バトローグ』第3話の登場機体の解説はこちらから。

第1話の登場機体の解説はこちらから。

腐ってもみかん

普段は自転車で料理を運んで生計を立てる文字通りの自転車操業生活。けれど真の顔は……という冒頭から始まる変身ヒーローになりたい。文学賞獲ったらなれるかな? ラップしたり小説書いたりしてます。文章書くのは得意じゃないけどそれしかできません。明日はどっちだ!
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