ファリンとマルシルの出会い
ジャイアントクラーケンとの戦いなど、アクロバティックな水上戦闘が描かれたアニメ『ダンジョン飯』第7話「水棲馬/雑炊/蒲焼き」だったが、そこから引き続き第4階層での水上戦闘が描かれることになるアニメ『ダンジョン飯』第8話「木苺/焼き肉」。そのような水上戦闘だけではなく、アニメ『ダンジョン飯』第8話「木苺/焼き肉」ではマルシルとファリンの出会いが描かれることになる。
本記事では、そのようなダイナミックな水上戦闘から思い出までをスタジオTRIGGERの作画で描き出すアニメ『ダンジョン飯』第8話「木苺/焼き肉」について解説と考察、感想を述べていこう。なお、本記事はアニメ『ダンジョン飯』第8話「木苺/焼き肉」のネタバレを含むため、本編視聴後に読んでいただけると幸いである。
以下の内容は、アニメ『ダンジョン飯』の内容に関するネタバレを含みます。
Contents
精霊との関係性
魔術学校の思い出
アニメ『ダンジョン飯』第7話「水棲馬/雑炊/蒲焼き」でのジャイアントクラーケンの激闘を経て、ライオスのアニサキス騒動もあり、まだ第4階層に留まっていたライオスのパーティー。マルシルは狂乱の魔術師シスルが構築したダンジョンの構造に感心していた。狂乱の魔術師シスルがつくりあげたダンジョンは単に地下に眠っている黄金の都を魔物によって守っているだけではなく、魔物の生態系やそれによる周囲の経済まで計算されており、正に狂気による代物だった。
マルシルはダンジョンの構造を学んでいた魔術学校のことを思い出す。学生時代のマルシルは学校はじまって以来の才女と呼ばれ、学生たちから羨望の眼差しを受けていた。魔術学校では召喚術の基礎と呼ばれるダンジョニウムの授業が行なわれており、マルシルは無害なダンジョンの構築のためにその講義を受けていた。しかし、マルシルの考える無害なダンジョンというのは生態系において問題があり、ある意味では不可能に近いことがこれまでの冒険から考察できる。
自然が生んだダンジョン
ダンジョニウムの講義でマルシルとファリンは初めて出会った。マルシルは35歳で魔術学校に入学し、ファリンと出会った当時37歳で、エルフの成人年齢が80歳であることからまだ幼いことが考察できる。それに対し、ファリンは魔術の才覚はあったものの、それが疎まれて10歳で魔術学校に入学している。そのため、幼い2人だったが、その間には出会ったときから20歳以上の年の差があったことが考察できる。
魔術学校のファリンは落ちこぼれとされていたが、実際は魔術学校の外に出て自然発生したダンジョンを冒険していた。ファリンはライオスと同様に好奇心が旺盛で、子供の頃から近所を冒険して泥だらけになることはしょっちゅうだったことがライオスの回想から考察できる。木の棒を振り回す癖はライオス譲りのものだと考察でき、ライオスとファリンの子供の頃の回想では2人はいつも木の棒を振り回している。
マルシルは自然発生しているダンジョンをマンドレイク畑に改造しようとしており、スライムを危険な魔物として排除しようとした。それを制止するファリン。ファリンはスライムが蝙蝠の糞を分解して魔力に変え、それによってこのダンジョン内に精霊を満たしていると解説するのだった。マルシルは自分がまだ知らないことが多いと悟り、これが宮廷魔術師なれたかもしれない出征街道から、危険な冒険者に鞍替えした理由だと考察できる。
ファリンは魔術の才覚のせいで村では疎まれていたが、マルシルとの出会いで自分の魔術の才覚を正しく発揮できたと考察できる。ライオスは手紙でファリンとやり取りをしていたが、この頃のライオスは兵士となって村を飛び出していた。その理由は村人と家族のファリンに対する扱いであり、兵士となって資金を貯めてファリンを村から連れ出そうと考えていたことが『ダンジョン飯 ワールドガイド 冒険者バイブル』で解説されている。
水の精霊ウンディーネと水棲馬〈ケルピー〉の焼肉
チルチャックはオークたちから聞いた炎竜〈レッドドラゴン〉の居場所をもとに残りの野営の回数を逆算していた。そして、計画を練っている中、マルシルが体をふきたいと申し出る。チルチャックは怪訝な顔をしているが、アニメ『ダンジョン飯』第7話「水棲馬/雑炊/蒲焼き」で長年髭を洗っていなかったセンシが魔物の血や脂で魔術がかかりにくくなっていることから、髪の毛同様に清潔さも魔術師にとって重要な可能性が考察できる。
マルシルは体をふきながら、かつての仲間たちが脱退したことを思い出していた。特にドワーフのナマリの脱退は同性のダンジョンメンバーということもあり堪えたらしく、怒りをあらわにしている。
沸かしすぎた湯を第4階層の水の中に捨てるマルシルだったが、そこはジャイアントクラーケンを生み出すほど魔力に満ちたダンジョンだ。水面から水の精霊ウンディーネが熱湯に反応して怒り、水球の形をとって暴れ出す。ここでのマルシルと水の精霊ウンディーネの戦いはスタジオTRIGGERの作画の良さが如実に現われている。
水の精霊ウンディーネは水を槍のように飛ばし、マルシルの体を貫く。間一髪、自身の血の色で水の精霊ウンディーネの居場所を突き止め爆破するマルシルだったが、それでも水の精霊ウンディーネを倒すことは出来ず、ライオスたちはマルシルを救い出すことだけで精一杯だった。
止血するも回復魔法もできないほどマルシルの体は弱り切っていた。その打開策としてライオスとセンシが考案したのが鉄分たっぷりの水棲馬〈ケルピー〉のレバーの焼肉だった。その焼肉の匂いに反応したのは上層階から下ってくるかつての仲間のドワーフのナマリとナマリの新たな雇い主であり、島の領主である島主からダンジョン探索の依頼を受けていたタンス夫妻のパーティーであった。
本日のレシピ
ダンジョニウム
1. 瓶の中に穴の開いた木の板を入れる。
2. 野外から採取した土を入れ、木の板で挟みながら重ねていく。
3. 結界を張り、瓶の中を魔力で満たす。
4. 瓶の中に精霊を放流する。
水棲馬〈ケルピー〉の焼き肉
1. 解体した水棲馬〈ケルピー〉の皮を剥ぎ、形を整える。
2. たてがみの水草をぶつ切りにする。
3. 野菜を適度な大きさに切り、肉と一緒に焼く。内臓は特に入念に加熱する
第8話の感想とナマリとの再会を描く第9話
第9話ではかつてのパーティーのメンバーであるナマリとの再会が描かれると考察できる。また、ナマリとパーティーの関係性は冒険者の世界における金銭問題などを描いており、ナマリの新しい雇い主であるノームのタンス夫妻はダンジョンが島にもたらした影響を表象している。そのため、第9話はファリン救出とは違った意味で『ダンジョン飯』の世界を掘り下げることになると考察できる。
ダンジョンの誕生によって島がどのように変化したのか、そしてナマリは何故パーティーを抜けたのか。それが描かれる第第9話の鍵を握るタンス夫妻のタンス・フロッカの声優がエンドロールで「NARUTO」シリーズのはたけカカシなどで有名な井上和彦であることも明らかになった。そのような豪華なキャストで描かれるアニメ『ダンジョン飯』第9話にも期待していきたい。
アニメ『ダンジョン飯』第8話「木苺/焼き肉」は2024年2月22日22:30より放送と配信が開始。
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