アニメ『ダンジョン飯』第3話 感想&考察 動く鎧の新解釈 ネタバレ解説 | VG+ (バゴプラ)

アニメ『ダンジョン飯』第3話 感想&考察 動く鎧の新解釈 ネタバレ解説

©九井諒子・KADOKAWA刊/「ダンジョン飯」製作委員会

冒険者たちの不安定な境界線を描く第3話

これまで世界観やパーティーの専門職ごとの責任感の違い、互いの信頼など人物像を掘り下げてきたアニメ『ダンジョン飯』。第3話「動く鎧」は『ダンジョン飯』の原作者である九井諒子による魔物の新解釈が描かれるエピソードだ。そこにスタジオTRIGGERのアクションや演出が加わるとなると期待が高まる。

本記事ではそのようなアニメ『ダンジョン飯』第3話「動く鎧」について解説と考察、感想を述べていこう。なお、本記事はアニメ『ダンジョン飯』第3話「動く鎧」のネタバレを含むため、本編視聴後に読んでいただけると幸いである。

ネタバレ注意
以下の内容は、アニメ『ダンジョン飯』の内容に関するネタバレを含みます。

九井諒子による新解釈

翼獅子が示す曖昧な境界線

ライオスがマルシルやチルチャックとパーティーを組む前、ライオスとファリンは金剥ぎの一団に参加していた。その回想の中で黄金城とも呼ばれたダンジョン内の城の尖塔は黄金で覆われており、黄金を剥ぎ取って生活をしていた集団が多くいたことがチルチャックの口から解説される。このことから、現在の冒険者たちは残った黄金か、稀に見つかる財宝目当てでダンジョンに潜っていることがわかる。

城内など、ダンジョンの各所には翼を持った獅子のモニュメントが存在している。それは、もともとこの島にあったとされる黄金の王国の守護獣が翼獅子だからである。現実でも翼獅子を守護獣のように扱うことは多く、聖マルコ福音記者の象徴も翼獅子だ。そのため、聖マルコ福音記者の遺物を持ち帰った水の都ヴェネツィアには「ヴェネツィアの獅子」と呼ばれる有翼の獅子のモニュメントが存在している。原作者の九井諒子はここから着想を得たと考察できる。

その一方で有翼の獅子は悪魔の象徴としても用いられ、『ゴエティア』では60番目、『悪魔の偽王国』では59番目に、グリフォンの翼を生やした獅子の姿をした悪魔「ウァプラ」が記載されている。ヴァプラは手作業など学問に通じる悪魔だとされており、翼獅子の聖なる存在にも、邪悪な存在もどちらにも存在しうる危うさが『ダンジョン飯』の世界観を象徴していると考察できる。

ここで動く鎧との戦闘でライオスは初めて「死」を経験している。そして蘇生し、再び「生」を経験している。この2つの世界にいる曖昧さがファリンを食べられているのにも関わらず、どこか能天気なライオス一行の雰囲気を生んでいると考察できる。

上級パーティーの実力

センシとライオスが動く鎧と戦闘を行なうが、その際に的確に関節を狙っていることが描写から見て取れる。これは動く鎧が空洞であることと、鎧を着た存在にとって関節が急所であることをライオスたちが理解しているものだと考察できる。このことからも、ライオスたちのパーティーが冒険者たちの中では上級者の部類に入ることが考察できる。

ライオスは観察眼にも優れており、動く鎧が頭の向きを直す仕草にも注目していることがわかる演出となっている。そして、動く鎧が普段と違う動きをしており、動く鎧の守っている扉の先にいる者を守っていると考察している。

また、チルチャックが動く鎧を操っている存在を見たことがないと語っていることから、動く鎧は冒険者たちにとって一種の都市伝説のような存在と化していることがわかる。なお、第1話「水炊き/タルト」でライオスはそのような存在の動く鎧を食べる候補に挙げている。

動く鎧の正体

扉の先にいたのは獅子の兜を被った動く鎧であった。この動く鎧は随所に翼獅子があしらわれているのが特徴的だ。そして、この動く鎧が盾の裏にある卵鞘を守っていることをライオスは発見する。卵鞘は主にカマキリ目やゴキブリ目がつくることで知られている。

ライオスはスライムなどの不定形生物や蜂などの集合体、蜘蛛のような手先の長い動物が動く鎧を操っている可能性を考察している。そして、鎧の隙間を発見し、動く鎧が貝類に近い群生の軟体生物であることという答えを導き出した。その発見の際には閉殻筋、いわゆる貝柱を切っている。

卵鞘は前述した通り、カマキリ目やゴキブリ目がつくるイメージが強いが、現実の貝類も卵鞘をつくる。その中でも代表的なのが干潟に生息する巻貝のウミニナだ。ウミニナは雌雄同体で、汽水域に生息する巻貝だ。そして干潟の砂泥上に群れを成すことで知られている。

ウミニナは実際に食べることができ、塩茹でやピリ辛味で調理することが多い。おそらく、このような貝類が『ダンジョン飯』における動く鎧のモデルだと考察できる。ライオスは動く鎧の発見と朽ちた動く鎧が生成過程の幼体であること、手を繋いでいる動く鎧が交尾の可能性があることを嬉々として解説しているが、その早口にチルチャックは引いている。

また、貝類への拒否反応は貝類が水質浄化作用を引き起こす際に、毒素を体内にため込むため食中毒の原因になりやすいことからきていると考察できる。その代表例が岩牡蛎や生牡蠣の食中毒だ。

本日のレシピ

動く鎧のドワーフ風炒め

1. 動く鎧の閉殻筋(貝柱)を切り、殻から外す。
2. 動く鎧の内臓を取り除く。
3. 熱したフライパンに油を注ぎ、動く鎧と薬草、毒消し草、特製ソースを入れて炒める。

動く鎧のスープ

1. 動く鎧の閉殻筋(貝柱)を切り、殻から外す。
2. 動く鎧の内臓を取り除く。
3. 薬草と共に動く鎧を煮る。
4. バジリスクの卵を溶かしいれる。
5. 特製ソースと塩、胡椒で味を調える。

焼き動く鎧

1. 動く鎧の閉殻筋(貝柱)を切り、殻を片面だけ残して外す。
2. 動く鎧の内臓を取り除く。
3. 塩や醤油、酢などお好みで味付けをして焼く。

動く鎧の蒸し焼き

1. 動く鎧の兜部分を鍋の上に置き、蒸す。
2. 塩や醤油、酢などで味をつける。

第3話の感想と”未知なるエピソード”になる第4話

劇場での先行上映である第3話まで放映されたアニメ『ダンジョン飯』。ライオスの初めての死の描写や、ライオスが動く鎧を初めて食べた際の反応など、『ダンジョン飯』の世界観における「死」と「生」の境界線の曖昧さを第3話「動く鎧」は描いてくれた。

新しい仲間である動く鎧の剣「ケン助」も登場し、更なる展開に期待できる『ダンジョン飯』第4話。このペースでいけば、第4話は2巻のキャベツ煮とオークが映像化されるものだと考察できる。第2巻のキャベツ煮とオークは『ダンジョン飯』の世界においてセンシのような存在がどのような役割をはたしているかを掘り下げたエピソードだ。第4話にも期待していきたい。

アニメ『ダンジョン飯』第3話「動く鎧」は2024年1月18日(木)22:30より放送と配信が開始。

『ダンジョン飯』公式サイト

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アニメ『ダンジョン飯』第1話「水炊き/タルト」のネタバレ感想と考察はこちらから。

アニメ『ダンジョン飯』第4話「キャベツ煮/オーク」のネタバレ感想と考察はこちらから。

アニメ版『ダンジョン飯』のオープニングのBUMP OF CHICKENの新曲「Sleep Walking Orchestra」と主要キャストはこちらから。

アニメ版『ダンジョン飯』のエンディングの緑黄色社会の新曲「Party!!」と追加キャストはこちらから。

鯨ヶ岬 勇士

1998生まれのZ世代。好きだった映画鑑賞やドラマ鑑賞が高じ、その国の政治問題や差別問題に興味を持つようになり、それらのニュースを追うようになる。趣味は細々と小説を書くこと。
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