『こうしてあなたたちは時間戦争に負ける』発売
アマル・エル=モフタール&マックス・グラッドストンによるSF小説『こうしてあなたたちは時間戦争に負ける』(山田和子 訳) が、早川書房より2021年6月16日(水)に発売される。『こうしてあなたたちは時間戦争に負ける』は、2019年に英語で発表されたアマル・エル=モフータルとマックス・グラッドストンの二人による共作によって生まれた“時空横断SF中編”。2020年にヒューゴー賞中長編小説部門、ネビュラ賞中長編小説部門、ローカス賞中長編部門、英国SF協会賞中短編部門を受賞した話題作だ。
『こうしてあなたたちは時間戦争に負ける』の物語は、《エージェンシー》の工作員であり時空を超えて任務を遂行するレッドが、戦場に残された手紙を発見するところから始まる。《エージェンシー》と時空の覇権を争う《ガーデン》の工作員であるブルーとの文通が始まり、レッドとブルーは次第にお互いを認め合うようになるが……。
著者は二人とも1984年生まれ。著者の一人であるアマル・エル=モフタールはレバノン系で、カナダ生まれのSF作家。『SFマガジン』2020年6月号に原島文世による翻訳が掲載された「ガラスと鉄の季節」では、2017年のヒューゴー賞、ネビュラ賞、ローカス賞の短編小説部門を受賞している。
マックス・グラッドストンは「Bookburners」シリーズなどで知られるファンタジー作家。中国で教師をしていた時期もあるという。2012年に『Three Parts Dead』で長編デビュー。2022年には長編小説『Last Exit』の刊行が予定されている。
『こうしてあなたたちは時間戦争に負ける』の読みどころの一つは、翻訳を手掛けた山田和子による詳細な訳注。歴史や文学、哲学、民間伝承、音楽や映画にゲームなど、本編に散りばめられた古今東西の詩やサブカルコンテンツからの引用が巻末で解説されている。
主要SF賞4冠を達成した“時空横断SF中編”の世界をご堪能あれ。
アマル・エル=モフタール&マックス・グラッドストンによるSF小説『こうしてあなたたちは時間戦争に負ける』(山田和子 訳) は、早川書房より2021年6月16日(水)。