『SFプロトタイピング』が発売
早川書房より、宮本道人監修・編著、大澤博隆・難波優輝編著『SFプロトタイピング SFからイノベーションを生み出す新戦略』が2021年6月2日(水)に発売された。本書はSFの想像力を活用して未来のシナリオをプロトタイプ(試作)する“SFプロトタイピング”のガイドブックであり入門書。マイクロソフト、日産、清水建設といった大手企業が採用し、ビジネス界から注目を集めるSFプロトタイピングの“スタートブック”に位置付けられる本書では、三つの論考と五つの座談を通して、SFプロトタイピングのプロセスや効果を提示する。
論考を担当したのは、筑波大学システム情報系研究員で株式会社ゼロアイデア代表取締役の宮本道人、筑波大学システム情報系助教・HAI研究室主催者で日本SF作家クラブ理事の大澤博隆、そして美学者でSF研究者の難波優輝。宮本道人と大澤博隆は世界SF大会(ワールドコン)に出演するなど、日本のSFを海外へ発信する活動にも取り組んでいる。難波優輝は『SFマガジン 2021年6月号』の異常論文特集で「『多元宇宙的絶滅主義』と絶滅の遅延――静寂機械・遺伝子地雷・多元宇宙モビリティ」を寄稿し話題を呼んだ。
また、座談ゲストには、株式会社BIOTOPE代表/チーフ・ストラテジック・デザイナーの佐宗邦威、三菱総合研究所 経営イノベーション本部 シニアプロデューサーの藤本敦也、株式会社ALE代表取締役社長/CEOの岡島礼奈、インテグリカルチャー株式会社代表取締役社長/CEOの羽生雄毅、「WIRED Sci-Fiプロトタイピング研究所」所長の小谷知也、SF作家でコンサルタントの樋口恭介、 編集者でキュレーターの塚田有那、アーティストでデザイナーの長谷川愛、アリゾナ州立大学「科学と想像力センター(CSI)」アシスタント・ディレクターのルース・ワイリー、南方科技大学教授の呉岩、香港大学名誉助教の張峰が参加している。
各座談のもとになったSFプロトタイピング未来学会議の動画はYouTubeで視聴することができる。
注目を集めるSFプロトタイピング
SFプロトタイピングは着実に注目を集め始めている。2020年6月発売の『WIRED VOL.37』では、Sci-Fiプロトタイピングが特集された。ダイヤモンド社からは2021年7月28日(水)に『SF思考 会社とビジネスの未来を考えるスキル』が発売される。『SF思考』は『SFプロトタイピング』を監修した宮本道人と、三菱総合研究所の藤本敦也による共著だ。
未来から今取り組むべき戦略を逆算し、ビジネスにイノベーションをもたらすSFプロトタイピング。まずはそのスタートブックを手に取ってみよう。
『SFプロトタイピング SFからイノベーションを生み出す新戦略』は早川書房より発売中。