MCU映画『サンダーボルツ』よりスティーヴン・ユァンがセントリー役降板か スケジュール問題が原因 | VG+ (バゴプラ)

MCU映画『サンダーボルツ』よりスティーヴン・ユァンがセントリー役降板か スケジュール問題が原因

©Marvel

複雑なバックボーンを演じきれる俳優は誰か

2025年に公開が予定されている「MCUの世界のアウトローたちが集まったチーム」を題材とした映画『サンダーボルツ(原題:Thunderbolt)』。その登場人物で100万の太陽の爆発と同等の力を持つと言われるセントリー役に出演が噂されていたスティーヴン・ユァンが、正式に降板したことを米Deadlineが報じた。

「ウォーキング・デッド」シリーズや『ミナリ』(2020)で知られるスティーヴン・ユァンが、セントリーを演じることは2023年から噂されていた。今回の『サンダーボルツ』からの降板に関しては全米俳優組合のストライキによるスケジュールのずれ込みと、それに伴ってスケジュールが複数重なってしまったことが降板の原因となったと言われている。

『サンダーボルツ』の撮影はジョン・ウォーカー/U.S.エージェント役のワイアット・ラッセルが、2024年の3月~4月になるとインタビューで語っている。その時期にスティーヴン・ユァンに別のスケジュールが入っていたと考えられる。

セントリーは強力なパワーを持つキャラクターというだけではなく、複雑なバックボーンを持ったヒーローでもある。そのため、『ミナリ』でアジア系初のアカデミー賞主演男優賞を受賞したスティーヴン・ユァンの演技が期待されていたため、今回の降板は残念でならない。

100万の太陽の爆発と同じパワーを持つヒーロー「セントリー」とは何者か。

セントリーは英語で番人や衛兵を意味しており、本名はロバート・レイノルズ。スタン・リー氏がファンタスティック・フォー以前に考案したが忘れ去っていたヒーローである。学生時代にゴールデン・セントリー血清を服用したことで、マーベル最強クラスのヒーローとなった。

その後は他のヒーローとも交流を深め、スパイダーマンの師匠にもなった。結婚もし、幸せの絶頂にあったセントリーだったが、心の中の悪の人格のヴォイドが力を増していき、ヴォイドの暴走を恐れたセントリーはセントリー自身を含む全世界の人間の記憶からセントリーの存在を忘れさせることでヴォイドを封印した。

しかし、ロバート・レイノルズが偶然「自分はセントリーである」ということを思い出したことで、2000年にヒーロー活動を再開した。ここまで長々と書いてきたが、これらはすべてセントリーが自分自身を偽るために生み出した架空の“設定”である。

更にセントリーというキャラクターはスタン・リーではなく、2000年頃にポール・ジェンキンスというライターが考案した。『ゴールデン・セントリー血清』を服用した理由もロバート・レイノルズが重度の薬物依存症患者であり、研究所から麻薬だと思い盗み出したものである。

人格もヴォイドこそが主人格であり、セントリーはロバート・レイノルズに残された僅かな良心の産物だった。そのため、セントリー自身は精神的に危うく、あらゆることが可能な強大なパワーとは裏腹にヒーローとしては危なっかしいところがあり、そこをヴィランに付け込まれることもある。

セントリーの姿は黄色のタイツに黒のブーツ、バックルに大きく“S”と書かれたベルトなど、DCコミックスのスーパーマンをオマージュしたデザインになっている。セントリーの複雑なバックボーンから、ファンの間では映画『サンダーボルツ』の重要なキャラクターになると噂され、セントリーを演じられるのはアカデミー賞主演男優賞を受賞したスティーヴン・ユァンの他にないと期待されていた。

また、スティーヴン・ユァンはAmazonプライムビデオの『 インビンシブル 〜無敵のヒーロー〜』(2021-)でスーパーマンをオマージュしたオムニマンの息子のマーク・グレイソン / インビンシブルを演じていたため、その点でも期待を集めていた。スティーヴン・ユァンの代わりに誰がセントリーを演じるのか。今後の情報解禁に注目していきたい。

Source
Deadline

映画『サンダーボルツ』の撮影時期はこちらから。

映画『サンダーボルツ』の情報初公開時の記事はこちらから。

ダークなニック・フューリーを目指すというヴァルのキャラクターについてはこちらから。

サンダーボルツのメンバーであるタスクマスターを演じた俳優が語った考察はこちらから。

鯨ヶ岬 勇士

1998生まれのZ世代。好きだった映画鑑賞やドラマ鑑賞が高じ、その国の政治問題や差別問題に興味を持つようになり、それらのニュースを追うようになる。趣味は細々と小説を書くこと。
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