映画『ザ・クリエイター/創造者』ヒット中
『GODZILLA ゴジラ』(2014) や『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』(2016) といった人気SFシリーズを手掛けてきたギャレス・エドワーズ監督の最新作『ザ・クリエイター/創造者』が日本で2023年10月20日(金) より劇場で公開された。本作は『TENET テネット』(2020) などで知られるジョン・デヴィッド・ワシントンが主演を務めた大作SF映画だ。
『ザ・クリエイター/創造者』では、AIと人類の対立によって2055年にロサンゼルスで核爆発が起き、反AIの西側と親AIのニュー・アジアの間で分断された時代が描かれる。ジョン・デヴィッド・ワシントン演じる元特殊部隊員のジョシュア・テイラーが、AIが開発したと言われる兵器を見つけるが、それがマデリン・ユナ・ヴォイルズ演じる子どもの姿をしたAIだったことから物語が動き始める。
『ザ・クリエイター/創造者』は、米国での公開から1ヶ月が経過した2023年11月2日時点で全世界興収9,774万ドル(約147億円)超を記録。8,000万ドルと言われる予算を上回る結果を見せている。日本でも初週末で興収1.6億円を突破する好スタートを切った。また、中国での公開情報はまだ出ておらず、SF熱の高い中国でも公開されるとなれば更なる上積みが期待できる。
『ザ・クリエイター/創造者』続編はある?
気になるのは、映画『ザ・クリエイター/創造者』に続編はあるのかどうかという点だ。監督を務めたギャレス・エドワーズは、米The Directに続編とスピンオフの可能性について語っている。
(『ザ・クリエイター』は)完全にそれ自体で完結している物語です。個人的には、より大きな物語に繋げようとするタイプの映画は好きではないんです。三部作の最初を作ります、っていうのはちょっと生意気な気がします。基本的には、映画とドラマの違いで好きな点は、映画は終わるということです。ストーリーの中で一番好きなのがエンディングです。
ですから、続編やそのようなものを作るつもりはありません。もしスタジオが(続編を)やりたがるほどにこの映画が上手くいったら、それは贅沢な悩みですね。頭を掻いてちょっと考えてみないといけないかもしれません。しかし、私はこの作品が独立していて、単発で完結しているストーリーだということにとても満足しています。私の好きなタイプの映画ですから。
ギャレス・エドワーズ監督は、『ザ・クリエイター/創造者』の続編を作るつもりがないことをはっきりと表明している。一方で、スタジオが続編やスピンオフをやりたがるほどに興行的な成功を収めた場合には、「ちょっと考えてみないといけないかもしれません」と次作制作の余地を残している。
ギャレス・エドワーズ監督は続編を作らない?
確かにギャレス・エドワーズ監督はこれまで映画で続編を手がけたことがない。同監督は、キャリアの初期にはSFモキュメンタリーテレビ映画『世界沈没』(2005) や低予算SF映画『モンスターズ/地球外生命体』(2010) を手がけてきた。『モンスターズ』は続編の『モンスターズ/新種襲来』(2015) が制作されたが、ギャレス・エドワーズ監督は製作総指揮に名を連ねたものの監督と脚本は交代している。
初の大作映画となったモンスター・ヴァース作品の『GODZILLA ゴジラ』(2014) を世界的ヒットに導いたが、小規模作品に取り組むためとして、続編『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』(2019) の監督からは降りている。ギャレス・エドワーズが映画監督になるきっかけだった「スター・ウォーズ」シリーズでは、スピンオフ映画の『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』(2016) も手がけたが、こちらも円環を閉じるタイプの作品だった。
ここまで映画では続編を手がけていないギャレス・エドワーズ監督。「続編を作るつもりはない」という言葉には説得力がある。一方で、「モンスターズ」シリーズのように同監督が製作総指揮を務める形で別の監督が続編やスピンオフを制作する可能性も残されている。スタジオの判断は、今回の『ザ・クリエイター/創造者』が最終的にどれほどのヒット作になるかにかかっているだろう。今後の展開に注目しよう。
映画『ザ・クリエイター/創造者』は全国の劇場で公開中。
映画『ゴジラ-1.0』のキャスト紹介はこちらから。
米国でヒットを記録している映画『ファイブ・ナイト・アット・フレディーズ』は2024年2月9日(金)公開。詳しくはこちらの記事で。