『ニューヨーク1997』リメイクはどうなる?
1981年に公開され、後世のクリエイターに多大な影響を与えたSF映画『ニューヨーク1997』。米国では、1996年に公開された続編『エスケープ・フロム・L.A.』の4K Ultra HD Blu-rayが2022年2月22日に発売される。このタイミングで、同作で監督を務めたジョン・カーペンターが『ニューヨーク1997』のリメイク計画について口を開いている。
『ニューヨーク1997』のリメイク計画は20世紀スタジオによって製作が進められており、「ソウ」シリーズの脚本や『透明人間』(2020) の監督・脚本を手掛けたリー・ワネルが脚本を担当することが明かされている。今回、ジョン・カーペンター監督は、米ComicBookにこのリメイク計画について意外な事実を明かした。
リメイク版の意外な事実
『ニューヨーク1997』最大の特徴は、かつてカート・ラッセルが演じた主人公のスネーク・プリスキンだろう。小島秀夫監督の「メタルギア」シリーズの主人公スネークのモデルとなったことでも知られる魅力的なキャラクターで、リメイク版では誰が演じるのか、どのように描かれるのかということに大きな注目が集まっている。
一方、原作者であるジョン・カーペンター監督は、『ニューヨーク1997』リメイク版との関わりについて、意外な事実を語っている。正当な続編についての話はあったかという質問に対し、ジョークを交えながら、以下のように語ったのだ。
カートと私がやることに一切 “正当” なことはありませんよ。すべてが非合法です。いや、真剣に(続編の話を)したことはありません。20世紀フォックス(現20世紀スタジオ)でこの作品のリブートに取り組んでいる人がいて、監督も決まっているそうですが誰かは知らないんです。
ジョン・カーペンター監督は、真剣に続編の話をしたことはないと述べ、『ニューヨーク1997』のリメイクにも自身は関わっていないことを明かしている。リメイク『ニューヨーク1997』の脚本はリー・ワネルに決定しているが、確かに監督の名前は明かされていない。一方で、ジョン・カーペンター監督はリメイク版の監督が既に決まっているということは知っているらしく、やはり情報は入ってきているようである。
スネークについて語る
監督だけでなく、リメイク版で新たに演じ直されるスネーク・プリスキンについても、ジョン・カーペンター監督は口を開いている。ファンの中には、カート・ラッセルの息子でドラマ『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』(2021) のジョン・ウォーカー役で注目を集めたワイアット・ラッセルがスネークを演じることを望む声もある。
リメイク版の脚本を手がけるリー・ワネルもワイアットがスネークを演じることについて肯定的なコメントを出していたが、当のワイアット・ラッセルは「絶対にやりません」と否定していた。その一件も踏まえ、ジョン・カーペンター監督は以下のように話している。
彼は本当に良いですよ。ワイアットは本当に良い俳優です。しかし、それ(スネークを演じるかどうか)は彼とカート次第です。どうなるかは私には分かりません。(スネークは)女性になるかもしれませんし。
すっかり『ニューヨーク1997』には眼帯の元軍人男性のスネークが舞い戻ってくると思っている人も多いだろうが、原作者としてはスネークのリブートに制限を求めるつもりはないようだ。前述の発言から、ジョン・カーペンター監督はリメイク版については一定の情報は得ていると見られる。今回のコメントも、次の世代のクリエイターがチャレンジしやすいようにという気遣いもあるのかもしれない。
ジョン・カーペンター監督は、スネークを演じられる他の俳優について聞かれ、こうも述べている。
カートのような俳優はいませんし、スネークような人物は男性でも女性でもいませんよ。
つまり、誰であれカート・ラッセルが演じたスネークは再現できないというのがジョン・カーペンター監督の立場のようだ。既にワイアット・ラッセルの口から“世襲”は否定されている。新しい『ニューヨーク1997』とスネークはどのような姿になるのか、続報を楽しみに待とう。
映画『ニューヨーク1997』はBlu-rayが発売中。
父が演じたスネーク役を「やらない」と言い切ったワイアット・ラッセルのコメントはこちらから。
リメイク版の脚本を手掛けたリー・ワネルが語ったリメイクへの意気込みはこちらの記事で。
Source
ComicBook