『MEG ザ・モンスターズ2』公開
史上最大のヒットを記録したサメ映画の最新作『MEG ザ・モンスターズ2』が2023年8月25日(金)より日本でも劇場公開を開始した。前作『MEG ザ・モンスター』(2018) から5年ぶりの新作になるが、巨大ザメのスリルは更にスケールアップしている。
『MEG ザ・モンスターズ2』では、前作に続きジェイソン・ステイサムが主演を務めた。DJ役のペイジ・ケネディやマック役のクリフ・カーティス、メイイン役のソフィア・ツァイらが続投している一方で、新たなメインキャラクターであるジウミンをウー・ジンが演じている。一方で、前回の『MEG ザ・モンスター』で活躍を見せたあの人の不在を不思議に思った人も多いはずだ。
以下の内容は、映画『MEG ザ・モンスターズ2』の内容に関するネタバレを含みます。
『MEG ザ・モンスターズ2』では、前作でメインキャラクターだったリー・ビンビン演じるスーインは登場しなかった。スーインは海洋研究所マナ・ワンの主任海洋学者。メイインの母で、前作のラストではジェイソン・ステイサム演じるジョナスを間一髪のところでサメから助けた。
『MEG2』でもリー・ビンビン演じるスーインの活躍に期待したいところだったが、『MEG2』では序盤のマナ・ワン10周年パーティーの場でスーインが死んだことが明かされる。具体的な理由には触れられなかったが、前回の事件の後にスーインが死んだことで、その娘のメイインはスーインの弟で叔父のジウミンが面倒を見ていることが示唆されている。
ジウミンはスピーチの中で、自身の企業と父が遺した研究所を併合したことにも触れている。スーインとジウミンの父ミンウェイは前作『MEG』の中で亡くなっている。それから『MEG2』までの間にスーインも死んでしまったということだ。パーティー会場で表示されたスライドでは、スーインが亡くなったのは2021年となっている。おそらく前作から3年後、本作から2年前あたりのタイミングだろう。
冒頭のジョナスは前作を経て環境保護活動家として命懸けの活動に取り組んでいるが、その背景にはスーインの死による精神的な影響もあったのかもしれない。スーインが亡くなったことに関する詳しい情報は語られることはなかったが、結果的に、ウー・ジン演じるジウミンとジェイソン・ステイサム演じるジョナスがメイインにとって“二人の父親”のような存在になっていく。このストーリーを駆動させるためには、スーインの退場とメイインの親代わりになるジウミンの登場はセットで必要だったものと考えられる。
それにしても、スーインの退場を行方不明などの一時的な不在にしなかったことには、制作側の明確な意図を感じる。この設定によりスーインの再登場はほぼほぼなくなったわけだが、スーインを演じるリー・ビンビン自身の俳優活動も、前作『MEG』の後は中国国内の映画『平凡英雄』(2022年9月30日公開)に主演したのみとなっている。1973年生まれで、2023年に50歳を迎えたリー・ビンビン。俳優業からの引退も考えられるが、今後その活躍を見ることは叶うのだろうか。
映画『MEG ザ・モンスターズ2』が2023年8月25日(金) より全国の劇場で公開。
前作の原作小説は角川文庫から発売中。
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