「ゼルダの伝説」実写化へ
世界的な人気を誇る任天堂のゲーム「ゼルダの伝説」が実写映画化されることが発表された。2023年11月8日(水)、任天堂は「『ゼルダの伝説』実写映画の企画開発開始のお知らせ」と題したリリースを公開。任天堂代表取締役フェローの宮本茂と、アラッド・プロダクション代表のアヴィ・アラッドがプロデューサーを務め、両社が制作を担当するという。映画制作費の50%を任天堂が出資し、配給と共同出資をソニー・ピクチャーズ・エンターテインメントが担う。
宮本茂は「マリオ」や「ゼルダの伝説」の生みの親として知られ、1986年にファミコン用ソフトとして発売されたゲーム『ゼルダの伝説』ではプロデューサーとディレクターを務めた。シリーズ最新作で2023年5月に発売された『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』でもゼネラルプロデューサーを務めている。
宮本茂と共同でプロデューサーを務めるアヴィ・アラッドはマーベル・スタジオの創設者であり、CEOと会長を歴任した。映画作品では多くのマーベル映画の製作に携わっており、近年では第91回アカデミー賞長編アニメ映画賞を受賞した『スパイダーマン:スパイダーバース』(2018) および続編『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』(2023) のプロデューサーを務めている。
「マリオ」と同じく世界的な人気を誇る「ゼルダの伝説」を巡っては、2015年頃にNetflixで実写ドラマ化が進められていたが、情報のリークが原因でこちらは頓挫している。今回の実写映画版は「長年」進めてきたといい、正式に発表されたことで期待が高まっている。
宮本です。「ゼルダの伝説」の実写映画の企画を数々のヒット作を手がけたAvi Aradさんと長年進めてきました。今回Aviさんに共同プロデューサーをお願いし、任天堂自ら制作に深く関与して正式に開発をスタートしました。完成まで時間がかかりますが、楽しみにお待ちください。https://t.co/UDjMVPtcAx
— 任天堂株式会社 (@Nintendo) November 7, 2023
監督は13年前に“予言”
注目は実写版「ゼルダの伝説」を指揮すると発表されたウェス・ボール監督。ウェス・ボール監督は人気SFスリラー小説を実写映画化した「メイズ・ランナー」三部作を手がけたことで知られ、2024年初夏日本公開の『猿の惑星/キングダム』でも監督を務める。
実はウェス・ボール監督は過去に旧Twitterで「ゼルダの伝説」の実写映画化について言及している。13年以上前にあたる2010年1月29日、ウェス・ボール監督は以下のように投稿した。
Since I could never even hope to have the chance to direct it… the next big mo-cap Avatar-like movie should be… THE LEGEND OF ZELDA.
— Wes Ball (@wesball) January 29, 2010
私が監督を務められるチャンスなんて望むことすらできませんが、次に来る「アバター」のようなモーションキャプチャーを用いた大作は……『ゼルダの伝説』です。
なんとウェス・ボール監督は13年前の時点で『ゼルダの伝説』の実写化に言及していたのだ。2014年に公開された『メイズランナー』で初監督を手がける前の時点である当時は「望むことすらできない」と謙遜しているが、今回「ゼルダの伝説」実写化を監督として手がけることになった。
今回の発表を受けて、Xユーザーの一人が上記のウェス・ボール監督の投稿を引用し、映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(1985) の主人公マーティの「I’m from the future(私は未来から来た)」というセリフを投稿。ウェス・ボール監督はこの投稿をリポストしている。
https://t.co/Qr7l9HEvM0 pic.twitter.com/V5DaWw5TBN
— Joe october spooky szn (@Joefanatic23) November 8, 2023
ウェス・ボール監督はVFXやグラフィックアート畑の出身。モーションキャプチャーを多用すると見られる『猿の惑星/キングダム』で監督を務めるが、実写映画版「ゼルダの伝説」もモーションキャプチャーを用いた超大作になるのだろうか。
なお、米Deadlineの報道によると、脚本は「ジュラシック・ワールド」三部作や『名探偵ピカチュウ』(2019) で共同脚本を担当したデレク・コノリーが務めるという。SF映画界の精鋭が集結するようだ。
映画化が続く任天堂作品
任天堂の作品では、「マリオ」をCGアニメで映画化した『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』が2023年に公開され、世界興収13億6千万ドル超の特大ヒットを記録。同作はアニメスタジオのイルミネーションが任天堂と共同で製作を、ユニバース・ピクチャーズが配給を手がけた。
宮本茂と共に映画版『マリオ』のプロデューサーを務めたクリス・メレダンドリは、今後も任天堂と協業していくことを希望しており、任天堂の他のキャラクターを起用したプロジェクトについては「いかなる可能性も排除しない」とコメントしていた。
今回は実写化ということもあり、任天堂はアラッド・プロダクションとソニー・ピクチャーズ・エンターテインメントとの協業に踏み切ったようだ。アニメだけでなく実写にも広がっていく任天堂の人気IPたち。実写版『ゼルダの伝説』が成功すれば、ユニバース化もあり得るかも?
「ゼルダの伝説」最新作、Nintendo Switch用ソフト『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』は発売中。
Source
任天堂 / Wess Ball X / Deadline
映画『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』ラストの解説はこちらから。
ウェス・ボール監督最新作の映画『猿の惑星/キングダム』の情報はこちらから。