『キャプテン・マーベル』ブリー・ラーソン、男女間の賃金格差を語る「次の人のために闘って」 | VG+ (バゴプラ)

『キャプテン・マーベル』ブリー・ラーソン、男女間の賃金格差を語る「次の人のために闘って」

via: Screenshot on Women in the World YouTube

男女間の賃金格差

“Women in the World”に登場

米時間の11日、2019年で第10回目を迎える “ウィメン・イン・ザ・ワールド (Women in the World)” がニューヨークで開催され、『キャプテン・マーベル』で主演を務めたブリー・ラーソンが登壇した。ブリー・ラーソンは、「The Superhero We Deserve」というテーマでインタビューを受け、#MeTooムーブメントや『キャプテン・マーベル』の出演料をめぐる議論について、自身の見解を述べた。

#MeToo 強さに感謝

ブリー・ラーソンは、ハリウッドのみならず、あらゆる業界で性暴力を告発するムーブメントとなった #MeTooムーブメントについて聞かれ、「(ムーブメントを推進してきた人々の) 強さに感謝している」と答えた。その上で、以下のようにコメントを残している。

業界を超えて、状況を変えてくれました。とりわけ、私がいる業界は変わりました。もちろん、まだまだ乗り越えるべき問題はありますが、今私たちが歴史的な転換期を迎えられている理由は、自らが受けた暴力に対して立ち上がり、声をあげた男性たちと女性たちの勇気のおかげです。

過熱した出演料報道

続けて、インタビュアーは男女間の賃金格差について質問。遠慮気味に「『キャプテン・マーベル』でのあなたの出演料についても議論がありました」と切り出した。ブリー・ラーソンをめぐっては、MCU作品における出演料をめぐる報道が過熱、日本の映画メディアも追随してブリー・ラーソンの“高額ギャラ”について報道を展開していた。だが、このインタビューでは、インタビュアーは500万ドルとも報じられたブリー・ラーソンの出演料 (実際の金額は不明) について、「新たな前例を作りました。これは素晴らしいことでした」と称賛した。

賃金格差に声をあげるべき

ハリウッドでは、映画『ゲティ家の身代金』(2017) で女優のミシェル・ウィリアムズに支払われた出演料が1,000ドル未満 (約11万円) であったことに対して、男性俳優のマーク・ウォールバーグには150万ドル (約1億5,000万円) が支払われていたことがわかり、大きな論争となっていた。そんな中、ブリー・ラーソンはお金について交渉するときでも、物怖じすることはないと主張する。

私は好奇心が強いんです。なので、いつも自分の弁護士にたくさん質問をするんです。私にとって、お金はとても気になることです。特に、こうして公の場で話すとワクワクするんです。なぜなら、皆お金について話すことは不快なことだと思ってる。でもそれは罠ですよ! お金について話すことは不快なことだと思わされてるだけです。だから自分が受け取るべきものについて話せなくなる。いくら受け取るべきか、自分では分かっているのに。

『キャプテン・マーベル』の出演料を引き出せた理由

ブリー・ラーソンがこう話すと、会場からは万雷の拍手が起こった。男性の俳優と同水準の出演料を勝ち取った彼女の説得力ある言葉だ。一方で、ラーソンは “先人” の力なしには彼女の成功はなかったと話す。

私が今こう言えたり、『キャプテン・マーベル』の映画でこの出演料を得たりできるのは、私よりも前に多くの問題に取り組んできた女性たちのおかげです。

過去に女性たちが正当な賃金を求めて闘ったからこそ、ラーソンも今回の出演料を得ることができたというのだ。

「次の人のために」

彼女は、こうした権利獲得の過程をカードゲームの“UNO”に例えて、参加者がカードを重ねていくことで次の人が得るものが大きくなっていく、と説明する。そして、彼女自身も自らを「次の人のためのステップに過ぎない」と語る。

女性が賃金 (出演料) 交渉について相談してきたら、こう言うんです。しっくりこないとしても、自分のためにやるんじゃなく、あなたの次に現れる女性たちのためにやるべきです。次の人のために、次の“自分”のために。そう考えることで少しでも闘争心が湧いてくるのであれば、ぜひ闘ってください。あなたの力が必要です。

ハリウッドでは、以前よりアカデミー賞の受賞作品を決定するアカデミー会員のほとんどが白人または男性で占められていることが問題になっていた。一方で、2020年までに業界内の性差別解消を目指す“5050by2020”ムーブメントも推進されている。2019年2月に開催されたベルリン映画祭では、審査員の半数が女性、出品された作品のうち40%が女性監督の作品となり、着実に成果をあげている。具体的な数値目標と期限を掲げることで、議論ばかりでなく実際に状況を変えていこうという動きが起きているのだ。

ブリー・ラーソンが主演を務めた『キャプテン・マーベル』は、MCU21作目にして初の女性主人公作品。2019年3月8日に全米公開されると、4月2日の時点で全世界興収が10億ドル (約1,100億円) を突破していた。

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