第42回日本SF大賞発表
日本SF作家クラブが主催する日本SF大賞の第42回受賞作品が発表された。大賞を受賞したのは、よしながふみ『大奥』(2004-2021, 白泉社)。パンデミックによる男女逆転から始まり、大長編SFならではの展開を見せる作品の厚みが高く評価された。
過去に映画化とドラマ化もされた本作は、疫病によって男性人口が急減した江戸を舞台にした歴史改変SF。2005年には単行本第1巻が第5回センス・オブ・ジェンダー賞特別賞を受賞している。ヒューゴー賞三連覇を達成したN・K・ジェミシンも「『大奥』はジェンダー逆転モノとして、とても良いお手本になる作品」と語り、『大奥』から影響を受けたことを明かすなど、海外でも高い評価を受けている作品だ。
なお、小説以外の作品が日本SF大賞を受賞するのは、白井弓子の漫画『WOMBS』(2009-2012) 以来となった。
第42回日本SF大賞は、2020年9月1日から2021年8月31日までに発表された作品か出来事が対象。『大奥』は、以下の最終候補6作品の中から大賞に選ばれている。
第42回日本SF大賞最終候補
『大奥』よしながふみ(白泉社)
『暗闇にレンズ』高山羽根子(東京創元社)
『ゴジラS.P<シンギュラポイント>』TVアニメ(東宝)
『七十四秒の旋律と孤独』久永実木彦(東京創元社)
『ポストコロナのSF』日本SF作家クラブ編(早川書房)
『まぜるな危険』高野史緒(早川書房)
『大奥』よしながふみ(白泉社)
『暗闇にレンズ』高山羽根子(東京創元社)
『ゴジラS.P<シンギュラポイント>』TVアニメ(東宝)
『七十四秒の旋律と孤独』久永実木彦(東京創元社)
『ポストコロナのSF』日本SF作家クラブ編(早川書房)
『まぜるな危険』高野史緒(早川書房)
贈賞式は、4月16日(土)に代官山 蔦屋書店にて開催されるイベント「SFカーニバル」内で行われ、日本SF作家クラブ公式YouTubeにてオンライン配信される。
第42回日本SF大賞の結果
大賞
『大奥』よしながふみ(白泉社)
よしながふみ『大奥』は全19巻が白泉社より発売中。