ネタバレ考察『アソーカ』第1&2話 サビーヌはなぜ〇〇なかったのか クワイ=ガン・ジンとの違いとは | VG+ (バゴプラ)

ネタバレ考察『アソーカ』第1&2話 サビーヌはなぜ〇〇なかったのか クワイ=ガン・ジンとの違いとは

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ドラマ『アソーカ』配信開始

ドラマ『アソーカ』が2023年8月23日(水) よりディズニープラスで配信を開始した。『アソーカ』はアニメ『スター・ウォーズ/クローン・ウォーズ』(2008-2020) や『スター・ウォーズ 反乱者たち』(2014-2018) で知られるアナキン・スカイウォーカーの元弟子アソーカ・タノを主人公に据えた作品。ドラマ『マンダロリアン』(2019-) シーズン2から実写版アソーカを演じるロザリオ・ドーソンが主演を務める。

ドラマ『アソーカ』では、アニメ『反乱者たち』のキャラクターが勢揃い。初めて実写化されるキャラクターも多く、同時配信された第1話と第2話では、ヘラ・シンドゥーラやサビーヌ・レン、ドロイドのチョッパーらが実写化された姿を見せている。

「スター・ウォーズ」ファンにとっては嬉しいサプライズが用意されているドラマ『アソーカ』だが、ファンの間では第1話と第2話のある出来事が話題になっている。シリーズの過去作の内容を揺るがすその出来事とは。

なお、以下の内容は『アソーカ』第1話および第2話の重要なネタバレを含むので、必ずディズニープラスで本編を視聴してから読んでいただきたい。

ネタバレ注意
以下の内容は、ドラマ『アソーカ』第1話および第2話の内容に関するネタバレを含みます。

『アソーカ』第1話の衝撃展開

『ファントム・メナス』のオマージュ

ドラマ『アソーカ』第1話の見どころといえば、クライマックスにおいてエズラ・ブリッジャーのライトセーバーを掴んだサビーヌ・レンが、オレンジのライトセーバーを操るシン・ハティと対峙する場面だ。この戦いにおいてサビーヌはハティのライトセーバーで腹部を貫かれて破れ去る。

アソーカの到着が一歩遅かったことも含めて、「スター・ウォーズ」ファンの中には映画『スター・ウォーズ/ファントム・メナス』(1999) におけるダース・モール vs クワイ=ガン・ジン戦を思い出した方もいたのではないだろうか。この戦いでは、クワイ=ガン・ジンは弟子のオビ=ワン・ケノービと切り離され、ダース・モールに腹部を貫かれて命を落としてしまう。オビ=ワンが二人の元に辿り着いた時にはもう遅かったのだ。

ジェダイの師弟が敵の弟子と対峙して腹部を貫かれるという構図だけでも『アソーカ』第1話の展開は『ファントム・メナス』を意識したものだと言える。だが、決定的な違いは、『アソーカ』第2話でサビーヌが生き延びていたことである。

サビーヌが死ななかった理由

ライトセーバーで腹部を貫かれたクワイ=ガン・ジンは死に、サビーヌ・レンは生き残った。一部ファンの間では、二人の結果の違いを疑問視する声も見られるが、二人の違いはどこにあるのだろうか。その要因は三つ考えられる。

一つ目はライトセーバーで貫かれた位置の違いだ。サビーヌの場合は腹部の右側、脇腹のあたりを貫かれているように見える。一方、クワイ=ガンの場合は腹部のど真ん中にセーバーが刺さっており、胃を貫かれた可能性がある。クワイ=ガンの傷は致命傷になったのかもしれない。

二つ目は敗れた後の状況だ。シン・ハティの目的は地図の奪取であったため、決着がつくなりサビーヌの前から立ち去った。ゆえに直後に到着したアソーカはサビーヌをすぐに治療施設に運ぶことができたのだろう。『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』(2005) では、両足と左腕を失い全身に大火傷を負った状態のアナキン・スカイウォーカーが助けに来たパルパティーンによって救われている。

クワイ=ガンの場合、駆けつけたオビ=ワンはダース・モールと戦わなければならなかった。モールを退けた後にオビ=ワンはクワイ=ガンの元に駆け寄るが、クワイ=ガンはオビ=ワンにアナキンを託す遺言を残して息を引き取る。オビ=ワンとダース・モールがどれくらいの時間戦っていたのかは不明だが、早期の治療がサビーヌにとって一命を取り留めた要因になった可能性はある。

医療の進歩も

そして、三つ目の要因は、既にファンの間でも指摘され有力視されていることだが、「スター・ウォーズ」の世界における“医療技術の進歩”が考えられる。ドラマ『アソーカ』はタイムライン的には11 ABYあたりが舞台と考えられており、『ファントム・メナス』の32 BBYからは43年ほどが経過している。

例えば、ドラマ『マンダロリアン』では、初めてバクタ・スプレーが登場。バクタとは傷を治癒する能力を持つバクテリアで、ダース・ベイダーやルーク・スカイウォーカーはバクタ・タンクと呼ばれるタンクに浸かって重傷を治癒していた。バクタは非常に高価な物質であるとされていたが、9 ABYを舞台にした『マンダロリアン』の時代には、バクタのスプレー化に成功している。

また、ドラマ『ボバ・フェット/The Book of Boba Fett』(2021-2022) では、バクタ・ポッドが登場。バクタ・タンクは天井と床に接地した固定された装置だったが、バクタ・ポッドは移動が容易な横型になっている。『ボバ・フェット』のラストでは、ブラスターで撃たれて死んだかに思われていたコブ・ヴァンスが治療を受けて助かっている。

このように、「スター・ウォーズ」世界の医療というのは進歩しており、特にサビーヌは即座にヘラ・シンドゥーラ将軍の息のかかった高度な医療施設で治療を受けることができたと考えられる。ライトセーバーで貫かれた傷がすぐに塞がり、歩いて動けるようになったのはそのためだろう。それに、銀河全体で対ライトセーバーの治療技術が進歩している可能性もある。今後の「スター・ウォーズ」世界では、“致命傷”のハードルはこれまでとは少し違ったものになりそうだ。

刺された場所、負傷後の状況、そして医療の進歩——アソーカがサビーヌを失わずに済んだ理由はこのあたりにあったと考えられる。一人のパダワンがサバイブしたことを、クワイ=ガン・ジンも喜んでくれていることだろう。

ドラマ『アソーカ』は2023年8月23日(水)より、ディズニープラスで独占配信。

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第1話のネタバレ解説はこちらから。

第2話のネタバレ解説はこちらから。

ドラマ『アソーカ』の時系列についてはこちらの記事で。

齋藤 隼飛

社会保障/労働経済学を学んだ後、アメリカはカリフォルニア州で4年間、教育業に従事。アメリカではマネジメントを学ぶ。名前の由来は仮面ライダー2号。編著書に『プラットフォーム新時代 ブロックチェーンか、協同組合か』(社会評論社)。
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