第6話ネタバレ解説&考察『アガサ・オール・アロング』 『ワンダヴィジョン』と繋がる要素、アノ人は誰? | VG+ (バゴプラ)

第6話ネタバレ解説&考察『アガサ・オール・アロング』 『ワンダヴィジョン』と繋がる要素、アノ人は誰?

©2024 Marvel

『アガサ・オール・アロング』第6話はどうなった?

マーベルドラマ最新作『アガサ・オール・アロング』は2024年9月から配信を開始。ドラマ『ワンダヴィジョン』(2021) のスピンオフとして公開され、ヴィランのアガサ・ハークネスのその後が描かれる。

『アガサ・オール・アロング』第5話のラストでは驚きの展開が。それを引き継いだ第6話では、どんな展開が待っていたのか。今回もネタバレありで解説&考察していこう。なお、以下の内容は『アガサ・オール・アロング』第6話のネタバレを含むので、必ずディズニープラスで視聴してから読んでいただきたい。

ネタバレ注意
以下の内容は、ドラマ『アガサ・オール・アロング』第5話の内容に関するネタバレを含みます。

『アガサ・オール・アロング』第6話ネタバレ解説

ティーンの正体

『アガサ・オール・アロング』第6話「使い魔たずさえ」でエピソード監督を務めるのはガンジャ・モンテイロ。Netflixドラマ『ウェンズデー』(2022-) や『ウィッチャー』(2019-) のエピソード監督などで知られ、『アガサ・オール・アロング』では最終週に同時配信される第8話と第9話でも監督を務める。

第5話のラストでは、アリスの死を経て“ティーン”が覚醒。魔法でアガサ・リリア・ジェンを沼に沈めると、その額にはスカーレット・ウィッチのようなクラウンが出現していた。ティーンの正体がワンダの子どものビリーであることを示唆して第5話は幕を閉じている。

しかし、MCUのメインユニバースであるアース616では、ビリーはドラマ『ワンダヴィジョン』(2021) でワンダによって創り出された存在で、ヘックス(結界)と共に消滅したはず。このビリーは一体どこからやってきたのか、そして誰がビリーに“シジル”の魔法をかけたのだろうか。

『アガサ・オール・アロング』第6話の冒頭では、一転してティーンの過去が描かれる。ティーンはユダヤ人の民族衣装であるキッパ(ヤマカとも呼ばれる)という帽子を被っており、オリジンがユダヤ人であることを示している。

さらに、映った小冊子には「バル・ミツヴァ」と書かれており、これはユダヤ教の成人式、成人男性になったことを意味している。ユダヤ教では男児が13歳で成人男性=バル・ミツヴァに、女児が12歳で成人女性=バト・ミツヴァになる。

そして、ティーンの名前は「ウィリアム・カプラン」となっている。「ビリー」は「ウィリアム」の愛称で、「カプラン」はユダヤ系のファミリーネームだ。ウィリアム・カプランが抱えて歩いているのはトーラーと呼ばれるもので、この中にユダヤ教の教えが記されている。

この成人の儀式でウィリアム・カプランの両親も登場しているが、父親のジェフを演じるのはドラマ『プリズン・ブレイク』(2005-2017) のフリードマン役などで知られるポール・アデルスタインだ。自身もユダヤ系の家系に生まれている。なお、ポール・アデルスタインは自身のSNSで、イスラエルとイスラエルが侵攻を続けるガザの双方に平和がもたらされるべきという主張の投稿をシェアしている。

リリアの占い

儀式を終え、多様なユダヤ教徒と踊るウィリアムの姿は、ドラマ『ミズ・マーベル』(2022) で多様なイスラム教徒が描かれた描写と重なる。両親から愛されている様子のウィリアムだが、パーティー会場の手相占いのテントでリリアと出会う。出張で出店しているのだろうか。

この時にフロアで流れている曲はClementine & The Galaxy「Black Night」(2014) だ。

この占いで未来について聞いたウィリアムは、転機となる長い旅が待っていると、魔女の道での経験を預言される。「生命線が真っ二つ」「新しい自分になる」という予言は、カプランからマキシモフになるということだろう。さらに「逆さの塔」なるキーワードも。これは後々大事な場面で登場することになりそうだ。

ウィリアムが去り際に「初期のアルジェント風だね」と言っているのは、リリアがユダヤ系ではなくイタリア系だから。アルジェントはおそらくイタリアの映画監督ダリオ・アルジェントを指している。

そしてリリアは木片にヘビのような記号を書き、ウィリアムが忘れていったジャケットのポケットにそれを忍ばせる。シジルの呪文である。だが、リリアは何者かに動かされてこの行動を取った様子だ。

『ワンダヴィジョン』と交差する物語

そんな中、ウエストビューで事件が発生したということでパーティーは解散になる。ウィリアムが13歳の時にマキシモフ事変が起きていたということは、その3年後を舞台にした『アガサ・オール・アロング』では、ウィリアムは16歳ということになる。

カプラン家が車で帰宅する中、ラジオではワンダとヴィジョンの声が流れている。『ワンダヴィジョン』と同じ描写だ。ワンダが作り出したヘックスが縮んでいく途中、イーストビューの手前でカプラン家の車は事故を起こしてしまう。

『アガサ・オール・アロング』第1話では、アガサが警察モノの世界に入り込んでいる時、発見された遺体の死亡時刻の1時間前にイーストビューで自動車事故があったと言われていた。この事故というのは、カプラン家の事故だったのだ。

この事故でウィリアムは頭から血を流して意識を失うが、『ワンダヴィジョン』でビリーとトミーが消える前の「おやすみ」という声がすると、ウィリアムは「トミー!」と叫びながら意識を取り戻す。ビリーの意識がウィリアム・カプランに乗り移ったのである。

そこに駆けつけた警察はアリスだった。アリスは『アガサ・オール・アロング』第2話で元警察であることを明かしていた。アリスは原作コミックでも警察になるキャラクターだ。一命を取り留めたウィリアムだが、その意識はビリーのもののようで、両親からはすっかり別人になったと言われている。しかもビリーには両親の心を読む能力が目覚めている。

見た目は13歳、中身は10歳という微妙な逆コナン君状態。退院してカプラン家に帰ったビリーだが、犬のグレッグはその正体が分かっているようだ。心の声が聞こえてしまうビリーは、両親の心配が多大なストレスになってしまう。しかし、ジョークで自宅での夕食を「おごるよ」と言う姿は『ワンダヴィジョン』の頃のビリーっぽい。

ウィリアム・カプランの部屋に入ったビリーは、壁に飾られた「アリス・イン・ワンダーランド」や「オズの魔法使い」「コルドロン」といった作品のポスターを目にする。いずれもファンタジーものの作品だ。棚にはオズの魔法使いのフィギュアも見られ、ウィリアムが元々ポップカルチャーを通して魔法に関心を持っていたことが示唆されている。

ビリーとエディ

ビリーは鏡に向かって自分はウィリアム・カプランだと言い聞かせ、新しい人生を生きることになる。「生命線が真っ二つ」「新しい自分になる」というリリアの予言は早くも的中したのだった。3年後、16歳になったウィリアム(ビリーとしては13歳だろうか)は、第2話で着信を受けていた彼氏のエディと会っている。

ビリーが同性愛者と言うのは原作コミックに沿った設定で、演じるジョー・ロックも同性愛者である。MCUでゲイカップルのキスが描かれたのは、映画『エターナルズ』(2021) 以来のことになる。そして、ビリーは“大切な人が強い感情を抱くと心が読める”という力について示唆する。

また、自分は事故の日に死に、完全なウィリアムではないこと、事故前の記憶はないこと、その後に出会ったエディに救われたこと、エディを愛していることをエディに伝える。家族を失ったビリーだが、大切な人が近くにいてくれて良かった。

そして二人は、ビリーが本当は誰なのかを調べることに。エディが言う「赤いドーム」はワンダが作り出した結界=ヘックスのこと。マキシモフ事変は、世間的にはアベンジャーズの訓練が失敗して起きた事故ということになっているらしい。実際にはアベンジャーズは存在しないが、サノスの指パッチンからの人口復活直後の出来事だったので、アベンジャーズは健在だと思われていたのだろう。

ビリーのパソコンの画面に映ったのはスキンケア商品を紹介するジェン。第2話で、ジェンが消費者から告訴されていることをビリーが知っていたのは、ビリーが以前からジェンの動画を見ていたからということのようだ。

アノ人が登場

ビリーはウェブ上の動画を見て、ヘックス内にルーン文字が描かれていることを発見。『ワンダヴィジョン』最終話でアガサとワンダが戦った際にワンダが描いたものだ。現住民は証言を拒否しているというが、ビリーは元住人と落ち合うことに成功。待ち合わせ場所にやってきたのはラルフ・ボーナーだった。

「ボーナリフィック69」というハンドルネームでピンときた人もいるだろう。『ワンダヴィジョン』で登場したラルフ・ボーナーは、過去の「X-MEN」シリーズでクイックシルバー/ピーター・マキシモフを演じたエヴァン・ピーターズが演じていたことから、ヘックス内ではワンダの死んだはずの兄ピエトロとして登場。ビリーとトミーのおじとして振る舞っていた。

しかし、その正体はピエトロやワンダとは無関係のラルフ・ボーナーという名の住民で、アガサが内偵として操っていただけだった。この時、ラルフは魔法にかけられたことでクイックシルバーと同じように超高速での移動が可能となっており、ウエストビューの住民の中でも事件から大きな影響を受けた人物でもある。

ラルフは、ランダルと呼ぶよう要求すると、ヘックス内で起きたことを話し始める。ランダルには記憶が残っているようで、ワンダが事件を起こしたという真相を話すが、ビリーはランダルの「アガサ・ハークネスのことは聞かないでくれ」という心の声を読み取ってしまう。「大切な人が強い感情を抱いた時」という条件に当てはまったのだろう。

すっかり人生が滅茶苦茶になったという様子のランダルは、他の住民よりも酷い目にあった、アガサに人生を乗っ取られたと吐露。「夫にされたが操り人形」と話しているが、アガサは『ワンダヴィジョン』で夫の名を出す時に「ラルフ」と呼んでいた。

そういえば、『ワンダヴィジョン』ではアガサはピエトロの遺体が別大陸にあるため降霊術が使えず、水晶玉を使って偽物を操ることにしたと話していた。降霊術は『アガサ・オール・アロング』第5話で登場したが、同じ大陸にいなければ不可というルールがあったのだ。

また、ラルフが「家を奪われて、市場価値も落ちた」と話しているということは、『アガサ・オール・アロング』でアガサが住んでいた家は元々ラルフ・ボーナーの物だったようだ。「ご婦人を屋根裏に閉じ込めた」というのは、モニカ・ランボーを自室に監禁したことを言っているのだろう。

その他にも、「ワンダの子どもに入れ知恵をした」「犬に毒を持った」と、『ワンダヴィジョン』でアガサがラルフにさせたことを明かしていく。そしてラルフは、ワンダとヴィジョンに双子の子どもがいたこと、名前がビリーとトミーだったこと、それぞれ高速移動と思考を読む力があったことを明かす。『ワンダヴィジョン』第7話では、ビリーはワンダに「頭の中がうるさい」と相談しており、思考を読む力の片鱗を見せている。

ワンダは死に、ヴィジョンはS.W.O.R.D.に分解され、双子はドームの中で消えた——それがラルフの見解だった。ラルフはビリーに「嗅ぎ回るな」という忠告を与えつつ、自分が出ている何かのチケットを売り込んで退場する。『ワンダヴィジョン』ではラルフ・ボーナーの扱いが微妙だったので、その後が描かれたのは嬉しい。

「ジョリーン」とは

家に帰ったビリーは、父からエディについて聞かれる。二人の関係は両親公認のようだ。ちなみに父が作ったと話すポットローストは、伝統的なユダヤ料理の一つである。

ビリーは部屋でローナ・ウー&コーラル・ショア版の「魔女の道のバラッド」をかけながら、自分の過去についての真相を追っている。その時目に入ったのは、リリアが作ったシジルの木片だった。

インターネットでアガサが魔女裁判の生き残りであることを突き止めたビリーは、飛行機事故や1972年のドリー・パートンの写真にアガサらしき人物が写っていることを認める。2007年付の記事の見出しには「ドリー・パートンのリアル『ジョリーン』?」と書かれている。

1973年にシンガーのドリー・パートンが発表した「ジョリーン」という曲では、ジョリーンという名の人物に「お願い、彼を奪わないで」と歌われている。ドリー・パートンがアガサのような人物にビンタをする写真が掲載されており、アガサが「ジョリーン」のモデルになったのではないかと思わせる演出だ。

この画像のコメントにリンクが貼られていた「魔女の百科事典」というサイトを見たビリーは、アガサが他の魔女を殺したこと、魔女の道の唯一の生存者であることを知る。その時、「魔女の道のバラッド」の歌詞「道の果てに足りないものが見つかる」「君の元へ」を聴いて、生き別れたトミーのことを思い、ウエストビューへ向かったのだった。こうして物語はビリーの視点で『アガサ・オール・アロング』第1話へとつながっていく。

第1話を新たな視点で

ビリーはアガサ宅に侵入すると、第1話でアガサが持っていたブローチを発見。「解放の呪文」には「本人が大事にしているもの」が必要で、17世紀後半から存在する髪の毛が入ったブローチがキーアイテムになるようだ。そして第1話と同じ流れで、ビリーはシャロンに行く手を阻まれる。ただし、一連の出来事は実際にはアガサが見ていた刑事物の世界よりかは大人しかったようだ。

魔法にかけられているアガサは、完全に役に入り込んでビリーを聴取する。第1話ではアガサ目線で描かれたシーンが、実際はどうなっていたのかを知れる面白い演出だ。アガサが絵を見る時は、マジックミラーの向こうにリオ・ヴィダルがいるつもりなのだろう。

ビリーは何を探しているのか聞かれ、「魔女の道」と答えるが、アガサには「魔女の」が聞こえていない。第1話でもビリーは「道」とだけ答えたことになっている。「ベッドで寝てた〜」のくだりは第1話を少し大袈裟に再現したもので、アガサ役のキャスリーン・ハーンのセルフパロディが光る。

取り調べも終盤に入ると、ビリーの「花の写真だよ」という言葉がようやくアガサに届き、マジックミラーはアガサが住む家の絵に変わって見える。第1話でもアガサ視点でこの現象が進行していた。そしてビリーは呪文を唱えたことでアガサはビリーを拘束。これも第1話と同じ展開である。

ビリーはクローゼットに入れられる際に「クローゼットには戻りたくない(I do not wanna go back in the closet.)」と言っている。英語では、同性愛者であることを公にすることを「come out of the closet(クローゼットから出る)」と言う(転じて「カミングアウト」と言われる)。ビリーはゲイであることを両親にも共有しているみたいなので、物理的にクローゼットに入れられることと、クローゼットの中に戻る=再び自分のアイデンティティを隠すことをかけているのだ。

そして、お話はアガサの解放後までジャンプする。アガサがティーンに名前を聞き、シジルにかけられていることが分かった場面では、ティーンは一度目は「ウィリアム・カプラン」、二度目は「ビリー・マキシモフ」と二つのアイデンティティを名乗っていたことが明らかになったのだった。

「立派な魔女」になったビリー

場面は魔女の道に戻り、沼に落とされたアガサが復活し、ビリーはシジルを破壊。シジルは不要になった時に解けるとされていた。ビリーは魔女の道に行く目的を「力」と言っていたが、これは嘘だったようで、やはりトミーを見つけるために魔女の道に来たようだ。

アガサはクセが母親と同じであることから、最初からビリーではないかと怪しんでいたという。否定する時に首を細かく左右に振る仕草だろうか。

アガサは、ビリーがリリアとジェンを殺したことを仄めかして自分と同じような存在だと思わせようとするが、ビリーは「あんたとは違う」と突っぱねる。『ワンダヴィジョン』最終話ではワンダがアガサに「あなたは私と違って故意に人を苦しめた」と言い放っている。

しかし、アガサはビリーがウィリアム・カプランの死という機会を逃さずに体を乗っ取ったこと、それによって生きながらえたことを、魔女はずっとそうしてきたと肯定する。ビリーを特別な存在だと認め、「立派な魔女(Witch)」だと認めるのだった。

これまで「使い魔」「ペット」とされてきたビリーはついに悪名高い魔女のアガサ・ハークネスに認められることになったが、ビリーはアガサを「もう不要」と突き放す。ところが、ビリーは前回のラストで使ったパワーを十分には操れない様子だ。

アガサは、ビリー・マキシモフが「道」に何を望むのかを改めて問う。ビリーは「力」をすでに持っているからだ。ビリーが魔女の道に探しにきたのは、やはり双子のトミーだった。ビリーはトミー見つけるために、アガサを決して信用しないが共に道を行くことを決意する。

第6話のラストシーンで「お人よしは注意して」と言われ、フードをかぶって道を進むビリーの姿は、かつてのワンダのようでもある。ティーンの素性が明らかになり、残りの3話でどんな冒険が待っているのだろうか。

ちなみにエンドクレジットでは、第6話からティーンの名前が「ビリー・マキシモフ/ウィリアム・カプラン」となっている。

『アガサ・オール・アロング』第6話ネタバレ考察&感想

トミーはどうなった?

『アガサ・オール・アロング』第6話は、『ワンダヴィジョン』第4話「番組を中断します」のようなネタ明かし回だった。同作で消えたはずのビリーは、同じタイミングで事故死したウィリアム・カプランの体に転生しており、魔女の道を行く理由は、転生前の双子のトミーを見つけるためだった。アリスは同様に母の姿を求めて魔女の道に来ていた。だからビリーはアリスに共感を寄せていて、アリスを殺したアガサに怒りを抑えられなかったのだろう。

なお、ビリーがユダヤ教徒の両親のもとに転生するという設定は、原作コミックを踏襲したものだ。ゲイであるという設定も含めて、ビリーについてはかなり原作に忠実な設定が用いられている。

気になるのはトミーの方だが、ビリーと違ってトミーにはワンダの魔法の能力は遺伝していない。遺伝したのはおじのピエトロの高速移動能力だ。

しかし、この高速移動能力が本家ピエトロに与えられたのは、マインド・ストーンを用いた人体実験によるものだ。後天的な能力なので遺伝はしないと思われ、あくまでワンダの想像力と魔力が付与した力だと思われる。ワンダの魔法を力の源にしているのであれば、トミーにもビリーのような転生が可能だったかもしれない。

シジルをかけたのは誰?

『アガサ・オール・アロング』第6話では、シジルの呪文を結んだのはリリアだということが分かった。しかし、この呪文が結ばれたのはウィリアム・カプランが死ぬ直前のことで、リリアは何かに操られたようにシジルの文字を書いている。ワンダはヘックスを閉じなければいけないと確信した時に、ビリーとトミーが生き延びる抜け道を作っていたのだろうか。

また、アガサは第1話でワンダが自分に魔法をかけていたことを知って解放されたが、第6話ではビリーがアガサの魔法を解いたわけではなかったことが示された。ビリーはクローゼットに入れられる前にアガサのペンダントを落としているが、リオ・ヴィダルがそれを拾ってアガサの呪いを解いたのだろうか。

そもそも第6話には第5話まで一緒にいたリオ・ヴィダルが登場しなかったし、第5話の試練の部屋から出てきていないように思える。アガサの刑事物の世界では、リオはワンダが死んだ(と思われている)ことや、アガサがワンダの魔法に閉じ込められていることを知っていた。これがリオの妄想ではないとしたら、グリーン・ウィッチことリオは、スカーレット・ウィッチの使いだったという展開もありえるかもしれない。

第6話の最後にアガサは、ビリーの母ワンダが「家族よりウエストビューを選んだ」と言っていたが、ビリーにはおそらくワンダに関する記憶がない。ワンダは『ワンダヴィジョン』のラストでヘックスを消す=家族を失うことを選んだという情報しかないはずだ。ビリーがワンダとの生活を思い出せば、母への気持ちも蘇るはず。とにかく、ワンダに出てきてもらって、二人がトミーと再会を果たすことに期待しよう。

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『アガサ・オール・アロング』第7話のネタバレ解説&考察はこちらから。

第5話のネタバレ解説&考察はこちらから。

第4話のネタバレ解説&考察はこちらから。

第3話のネタバレ解説&考察はこちらから。

シャロンは死んだのか? ショーランナーと俳優が語った内容はこちらから。

『アガサ・オール・アロング』第2話のネタバレ解説はこちらから。

第1話のネタバレ解説はこちらから。

第1話でアガサが裸になったシーンの裏側はこちらの記事で。

 

ドラマ『ワンダヴィジョン』最終話のネタバレ解説はこちらから。

ドラマ『ヴィジョン・クエスト(仮)』についての情報はこちらの記事で。

 

【ネタバレ注意】映画『デッドプール&ウルヴァリン』ラストのネタバレ解説はこちらから。

【ネタバレ注意】ドラマ『エコー』最終話のネタバレ解説&考察はこちらから。

齋藤 隼飛

社会保障/労働経済学を学んだ後、アメリカはカリフォルニア州で4年間、教育業に従事。アメリカではマネジメントを学ぶ。名前の由来は仮面ライダー2号。 訳書に『デッドプール 30th Anniversary Book』『ホークアイ オフィシャルガイド』『スパイダーマン:スパイダーバース オフィシャルガイド』『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース オフィシャルガイド』(KADOKAWA)。正井編『大阪SFアンソロジー:OSAKA2045』の編集担当、編書に『野球SF傑作選 ベストナイン2024』(Kaguya Books)。
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