第1話ネタバレ解説&考察『アガサ・オール・アロング』ワンダの未来とアガサの過去は… あの名前に注目 | VG+ (バゴプラ)

第1話ネタバレ解説&考察『アガサ・オール・アロング』ワンダの未来とアガサの過去は… あの名前に注目

©2024 Marvel

『アガサ・オール・アロング』第1話配信開始

MCUドラマ最新作『アガサ・オール・アロング』が2024年9月19日(木) よりディズニープラスで独占配信を開始した。ディズニープラス配信のMCUドラマ第1弾『ワンダヴィジョン』(2021) のスピンオフとして製作された『アガサ・オール・アロング』は、『ワンダヴィジョン』の後のアガサの物語を描く作品だ。

キャスリン・ハーンがアガサ・ハークネス役で続投し、『ワンダヴィジョン』で原案と脚本を手がけたジャック・シェイファーが手がける『アガサ・オール・アロング』。ワンダに記憶を奪われたアガサは、どのようにして再び魔女の道を歩むことになるのか。ワンダの再登場にも関わっていそうで、MCUファンの間でも注目のシリーズとなっている。

今回は、ドラマ『アガサ・オール・アロング』第1話についてネタバレありで解説と考察を記していこう。以下の内容は『アガサ・オール・アロング』第1話のネタバレを含むので、必ずディズニープラスで本編を鑑賞してから読んでいただきたい。

ネタバレ注意
以下の内容は、ドラマ『アガサ・オール・アロング』第1話の内容に関するネタバレを含みます。

ドラマ『アガサ・オール・アロング』第1話ネタバレ解説

これまでの『ワンダヴィジョン』は

ドラマ『アガサ・オール・アロング』の冒頭は、いつものマーベル・スタジオのロゴタイトルではなく、“マーベル・テレビジョン”のロゴタイトルと共に幕をあける。マーベル・テレビジョンは元々ABCスタジオや旧20世紀フォックスと共にドラマ『デアデビル』(2015-2018) などを手がけていた制作会社だが、のちにマーベルスタジオに組み込まれた。『アガサ・オール・アロング』からは、マーベル・スタジオ内のレーベルとしてドラマ作品に用いられることになった。

『アガサ・オール・アロング』第1話のタイトルは「道を探せよ」第1話と第2話はショーランナーのジャック・シェイファーが自らエピソード監督を務める。ジャック・シェイファーはドラマ『ワンダヴィジョン』のショーランナーと脚本家を務め、映画『ブラック・ウィドウ』(2021) でも原案を担当した。『ワンダヴィジョン』の更なるスピンオフであるドラマ『ヴィジョン・クエスト(仮)』にも関わるとされている。

少しだけ『ワンダヴィジョン』のおさらいをしておくと、同作では『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018) でヴィジョンを失ったワンダがウエストビューの町にヘックスと呼ばれる結界を張り、住民を支配していた。そこにいたアガサ・ハークネスは1693年に母を含む魔女たちから処刑されそうになった長寿かつ強力な魔女で、同じく強力な魔女であるスカーレット・ウィッチになる素質を持ったワンダに接触しようとしていた。

ヴィジョンと幸せな家庭を築きたいと願い、ヘックス内で理想の家庭を築いたワンダに対し、アガサはワンダの力を奪うことを決意。しかし、ワンダの強力な力の前にアガサは敗れ、罰としてワンダに記憶を奪われてしまった。最後にワンダはアガサのことが必要になった時に現れると言い残している。

謎の遺体

『アガサ・オール・アロング』第1話の冒頭で車を走らせるアガサは、警察が集う事件現場に到着する。主人公が車に乗っているシーンから幕を開けるというのは『ワンダヴィジョン』の第1話を踏襲しているが、新婚夫婦として登場したワンダとヴィジョンと違い、殺人事件の現場に向かうアガサの方は暗い雰囲気だ。それでも、両者に共通しているのは、このシーンがすべて“虚構”だということだ。

相棒の刑事にコーヒーを持ってきてあげたアガサは、どうやら容疑者を殴って謹慎に入ってたらしい。謹慎中はスマホアプリのパズルゲーム『キャンディークラッシュ』をやっていたそうだ。『キャンディークラッシュ』がリリースされたのは2012年で、スマホで時間を潰していたという設定から、舞台が現代であることが示されている。そして、この相棒の刑事は『ワンダヴィジョン』に登場したハーブという隣人で、ワンダが作ったヘックスの中でもアガサと話をする場面が見られた。庭で塀を切ろうとしていた人物である。

「アガサだけが解決できる事件」と言われて殺人現場にやってきたアガサだったが、被害者は匿名で、現場にはウエストビュー図書館の貸出票が遺されていたという。同じ場所かどうかはわからないが、ウエストビューの図書館は『ワンダヴィジョン』にも登場していて、ヴィジョンがそこで行われていた自警団の会合に出席している。

被害者は「大きくて重いもの」で殴られ、外傷で死んだとされているが、アガサは被害者が「死んだ」ということ自体を疑っている。普通の刑事物であればあり得ない展開だが、映画『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』(2022) のラストでワンダの生死が曖昧になっている状況に重ね合わせたリアクションだとも考えられる。

そして、現場に横たわっていたのは、裸足の足、黒く染まった指先、ジーンズとパーカーという姿の遺体だった。ジーンズに裸足という特徴は、別ユニバースの自分に乗り移れるドリームウォークを用いてアース838で大暴れしたワンダと同じ特徴だ。

また、黒い指先は禁断の書であるダークホールドを使った者の特徴だ。『ワンダヴィジョン』ではアガサの、『マルチバース・オブ・マッドネス』ではワンダと、イルミナティに処刑されたアース838のドクター・ストレンジの指が黒くなっていた。

明らかにワンダを思わせる遺体だが、その顔は見えないようになっている。違和感を覚えるアガサは、近くの水たまりで何かを発見して遺体の方へ戻る。裏返された遺体の顔を見たアガサは「あなたは誰?」と語りかけるが、視聴者にはその顔が見えないようになっている。

例え遺体がワンダだったとしても、アガサには記憶がないので分からないだろう。それでも、アガサは涙を流している。そしてアガサは歯科記録を入手するよう指示しているが、これは歯の治療記録は身元の特定に繋がりやすいためである。特に米国ではホワイトニングや矯正が日本よりも積極的に行われる文化も背景にある。

実はあのドラマのパロディ

そして始まったオープニングロール……と思いきや、最後には『アガサ・オール・アロング』ではなく、ドラマ『メア・オブ・イーストタウン/ある殺人事件の真実』(2021) をオマージュした『アガサ・オブ・ウエストビュー』というタイトルが登場する。『メア・オブ・イーストタウン』は平和な地方の町で起きた事件の謎を女性刑事が追うHBOのドラマだ。アガサの服装や髪型も主人公メアを意識したものになっており、冒頭は上質な刑事物ドラマをやっているように見えたが、一連のシーンは『メア・オブ・イーストタウン』のパロディだったのだ。

オープニングのクレジットの名前も本物のスタッフやキャストではなくウエストビューの住民たちの名前になっており、「原作 デンマークのシリーズ『WandaVisdysen』」という表記も。『ワンダヴィジョン』をデンマーク語風に言い換えたものだろう。

2023年1月には、出演者のジョー・ロックがInstagramに同作のタイトルを思わせる「Agnes of Westview(アグネス・オブ・ウエストビュー)」というロゴが入ったディレクターズチェアの写真を投稿。本作が刑事物になるのではという予測も立っていた。真面目にやっているようで遊んでいるというのが、なんともアガサらしい。

図書館に出向いたアガサは、司書のドッティの元へ。ドッティは『ワンダヴィジョン』にも登場した人物だ。図書館の貸出票に書かれているのは日付だけで名前がなく、しかも貸出票は今では使われていないという。しかし、貸し出された本が3年前に盗まれた『対話と修辞学:学びと討論の歴史』という本だということが分かる。

アガサは本棚まで赴くが、その本があった棚は燃えてしまっていた。火事があったと教えてくれるのは、『ワンダヴィジョン』に郵便配達員として登場したデニスだ。その後の警察署で登場する署長のジョーンズも同作に続いての登場だ。

ジョーンズ曰く、遺体の爪に付着した土から東欧にしか存在しない微生物が検出されたという。『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』のラストでは、ワンダはダークホールドの原典があるワンダゴア山を崩壊させ、その下敷きになった。

原作コミックではワンダゴア山はワンダの故郷である東欧に位置しているが、MCUでは場所は明示されていない。手と足の爪に東欧の土が付着していたということで、あの遺体が『マルチバース・オブ・マッドネス』で山の下敷きになったワンダであるということが示唆されているのだが、微妙に確定的な証拠ではない点が気になる……。

連邦捜査官の意味

そこに現れたのはヴィダル連邦捜査官。このヴィダルは『アガサ・オール・アロング』から登場の新キャラクター。なのにアガサとヴィダルは過去に関係があったことを示唆している。

ちなみに連邦捜査官というのはFBI捜査官のことだ。アメリカでは、町の警察のトップは州知事で、連邦組織であるFBIのトップは大統領ということになる。連邦捜査局が介入するのは、事件が州内にとどまらないということを意味しており、アガサが「遺体が州を越えたから?」と聞いているのはそのためだ。異なる利害を持つ組織の者同士で協力しなければならない、アメリカ的な展開である。

犯人の痕跡がなく、遺体が魔法のように現れたと話すヴィダルに対し、アガサは場所が重要だと返す。ヴィダルはアガサがウエストビューにずっと住んでいると語りかけるが、そんなことはないはずなので、アガサも微妙な反応を見せている。

アガサが現場近くで拾ったブローチはロケットブローチ(開閉式で中に大切なものを入れられるようになっているブローチ)で、その中には髪の毛が入れられていた。ここで登場する宝石商はウエストビューの住人のノームだ。ノームの鑑定によると、ブローチは17世紀後半の米ニューイングランドのものだという。

17世紀後半というと1600年代後半のことで、“ニューイングランド”というのはかつての独立13州の一つ。現在のコネチカット州、ニューハンプシャー州、バーモント州、マサチューセッツ州、メイン州、ロードアイランド州の6州を合わせてニューイングランド地方と呼ぶ。

ここで思い出されるのが、アガサの過去だ。1693年にマサチューセッツ州セーラムで魔女たちに処刑されそうになったアガサの過去が、「17世紀後半の米ニューイングランド」というブローチの出自にマッチするのだ。ちなみにブローチに髪の毛を入れているのは、大切な人の遺髪を入れる習慣から来ていると思われる。

ニコラス・スクラッチとは

警察署に戻ったアガサは、『対話と修辞学:学びと討論の歴史』の英題「Dialogue And Rhetoric: Known History Of Learning & Debate」の頭文字が「DARK HOLD=ダークホールド」であることを発見する。『ワンダヴィジョン』ではアガサがウエストビューにダークホールドを持ち込んだかに思われていたが、アガサがどこでダークホールドを手に入れたかは明かされていなかった。

署長に仕事を止められて家に帰ったアガサは、子ども部屋を見渡す。部屋には「ニコラス・スクラッチ」という名前が入った子ども合唱コンクールの優勝の盾が置いてある。ニコラス・スクラッチはマーベルコミックに登場するキャラクターで、原作コミックではアガサの息子である。

「ファンタスティック・フォー」のストーリーラインでは、アガサはニューセーラムにある魔法使いの秘密のコミュニティに住んでいた。アガサは普通の人として生きるためにこのコミュニティを抜け、ファンタスティック・フォーのリード・リチャーズとスー・リチャーズの息子フランクリン・リチャーズの乳母になる。憤慨したスクラッチはアガサを嵌めようとして、結果的にファンタスティック・フォーと戦うことになる。コミックからの改変はあるだろうが、『アガサ・オール・アロング』でも、息子との別離がアガサの過去に関わってくることになりそうだ。

ここにやってきたのはヴィダル。個人的に会いにきたようだが、アガサは事件の話を始める。死亡時刻の1時間前にイーストビューで自動車事故があったという。イーストビューは『ワンダヴィジョン』でも登場した地名で、ヘックスの外の警察官たちがイーストビューからやってきたと話していた。

この場面では、アガサが旅をした記憶を思い出せないことも強調されている。また、アガサがヴィダルを避けている理由も思い出せない。ヴィダルは、アガサがワンダに記憶を奪われたことを思い出させようとしているようでもある。

ここで何者かが家の2階に忍び込んでいることが分かり、アガサはその人物を追う。この人物を車ではねて止めたのは、ウエストビューの住民のハート夫人。逮捕されたティーンエイジャーは、取り調べでアガサのことを知っていると明かす。この人物が探していたのは“道”だという。しかも、その指先は魔術を黒く染まっている。魔術を使ったのだろうか。

アガサはこの人物が身元不明遺体の事件に関わっていると考えるが、アガサが問い詰めた次の瞬間、遺体の写真は花の写真に変わっていた。マジックミラーの向こうのヴィダルは消えている。マジックミラー自体も壁にかけられた大きな絵に変わっており、気が付けばティーンエイジャーは呪文を唱えている。ここから『アガサ・オール・アロング』第1話の状況は一変していく。

示された三つの特徴は…

取り調べを強制終了させたアガサはその夜、検死局へ出向くが、遺体安置所には遺体がない。アガサが遺体の特徴を唱えることで遺体が戻ってくるのだが、その「20代後半の女性」「緑の瞳」「身長170cm」という特徴はワンダのそれと同じだ。ワンダは1989年生まれだが、2018年から2023年の間は指パッチンで消えていたので、『ワンダヴィジョン』の時点で29歳ということになる。

さらに現れた遺体の髪の色は赤色で、アガサはこれを「スカーレット(緋色=深紅)」と呼ぶ。もちろんワンダの別名であるスカーレット・ウィッチを意識した表現だ。そして、遺体の足にかけられた図書館の貸出票には「10月13日」の項に「W. マキシモフ」の名前が浮かび上がる。ワンダ・マキシモフがダークホールドを手に入れた日を指しているように思えるが、『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019) での人口復活は2023年10月23日で、『ワンダヴィジョン』の舞台は2023年11月とされているので、実際のところは分からない。

しかし、そこに現れたヴィダルは、「あの魔女」はアガサに呪いをかけたまま、全てのダークホールドと一緒に消えたと話す。これは、『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』のラストで、ワンダが全てのユニバースのダークホールドを消し去り、ダークホールドの原典であるワンダゴア山を崩壊させたことを言っているのだろう。

ワンダは本当に死んだということなのだろうか。真実を知ったアガサは次々と服を脱いでいくと、その格好は『ワンダヴィジョン』で見せた80年代のエクササイズ姿、70年代の服装、白黒の1950年代の姿へと変化していく。そして、貸出票の1月21日の項にアガサの名前が浮かび上がり、アガサは自分が何者かを思い出すのだった。

時系列が判明

ここからは現実のウエストビューが舞台になる。裸のままご近所さんのハーブの元へ向かったアガサは、ほぼ3年間ワンダの魔法にかけられていたことを知る。その間、アガサは『ワンダヴィジョン』のラストでワンダに言われた通り「詮索好きな隣人アグネス」として生きていたのだ。

心優しい近所の人々はそのアグネスに付き合って、仕事もしていないアガサに食料品を届けたりして助けていたという。先ほどまでの刑事ドラマもアガサの視点であり、登場人物たちはアガサに付き合って演技をしてあげていたということなのだろう。

また、2023年11月からほぼ3年が経過しているという話から、『アガサ・オール・アロング』の舞台は2026年の秋と見られる。2026年は『アントマン&ワスプ:クアントマニア』(2023)、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』(2023)、『ザ・マーベルズ』(2023) の舞台と同じ年である。

ワンダのものと見られる遺体もアガサの妄想だったのだろうか。少なくともワンダの力がなくなったことでアガサは目を覚ましたと見ることはできるが、『マルチバース・オブ・マッドネス』の出来事は2024年の秋のことなので、少なくともそれから2年は経過していることになる。つまり、この時点では“ワンダの死”がアガサの覚醒と直接関係しているとは言い切れない状況になっている。

第1話ラストの意味は?

魔法は解けたアガサだが、自身の魔力は戻っていなかった。『ワンダヴィジョン』に登場したアガサ宅の洞窟のような地下室は、すっかり生活感のあるレイアウトになっていた。ここに現れたのは、アガサが飼っていたウサギのセニョール・スクラッチー。もこもこである。

前よりもこもこになっている気もするセニョール・スクラッチーを抱っこして、ワンダに恨み節をこぼしながら返り咲きを誓ったアガサは、クローゼットに監禁されていたティーンを発見する。実際にはアガサが誘拐していたらしい。そして、ここでコスチュームを身にまとったヴィダルが登場。ヴィダルはアガサの命を狙っているようだ。

ヴィダルはアガサのことを「セーラムの7人(セーラム・セブン)」に伝えると告げる。セーラム・セブンは原作コミックにも登場するチームで、先述の「ファンタスティック・フォー」のストーリーラインに関係している。

アガサは力のない自分を殺すのは本望ではないだろうと主張し、さらに自分を攻撃するよう誘惑するがヴィダルは耐える。ヴィダルは、ただし他のメンバーにアガサの居場所を伝えると話す。何世紀も待っていたと話していることから、1693年にアガサが処刑されかけながらも、魔女たちの力を吸収して生き延びた事件と関わりがあるのだろう。

ヴィダルがアガサの手のひらを舐めると、ダガーナイフの刃を握ったアガサの傷は治癒していた。魔女たちの集結を予告し、クローゼットのティーンを残して、『アガサ・オール・アロング』第1話は幕を閉じる。

エンドクレジットでは、「21世紀の現代の魔女」という見出しと共に、『奥様は魔女』や『白雪姫』『オズの魔法使い』『ザ・シンプソンズ』といった作品の“魔女”たちが映し出されている。そして、最後にようやく、初めて『アガサ・オール・アロング』のタイトルロゴが現れるのだった。

『アガサ・オール・アロング』第1話ネタバレ考察&感想

ワンダの未来、アガサの過去

ドラマ『アガサ・オール・アロング』第1話は、ワンダの魔法にかけられたままだったアガサが、ウエストビューの外からやってきたヴィダルの登場と共に呪縛から脱却するという内容だった。一方で、“ティーン”と表記される人物の登場も鍵に。呪文を唱えたティーンが呪縛をかけられたアガサに影響を与えたと見られるシーンもあったのだ。

予告編でもフィーチャーされていたワンダのものと思われる遺体については、あれが本物のワンダの遺体だとすれば、なぜ『マルチバース・オブ・マッドネス』から2年の時を経てあの場所に現れたのかということが疑問として残る。ワンダの死が事実だとしても、ヴィダルとティーンがアガサの前に現れたことの方が重要だった気がしてならない。

また、ワンダが死んでもアガサがすぐに解放されなかったということは、逆説的にワンダは死んでいなくてもアガサが解放されることは可能ということにならないだろうか。加えて、ワンダがアガサに「必要になったら会いにくる」と言っていた約束がまだ残っているのなら、ワンダは遺体になってアガサに会いにきたと考えることもできる。

『ワンダヴィジョン』『アガサ・オール・アロング』『ヴィジョン・クエスト(仮)』は、“ワンダ三部作”になると言われている。アガサの物語にも注目したいが、『アガサ・オール・アロング』でワンダの一件についてどんな進展があるのかという点にも注目していきたい。

そして、『アガサ・オール・アロング』第1話でのサプライズの一つは、アガサの息子であるニコラス・スクラッチの名前が登場したことだ。アガサはかつて自分を処刑しようとした母以外の家族の存在を明かしてこなかった。もしアガサに息子がいて別離したのだとすれば、『ワンダヴィジョン』で家族を持とうとするワンダにアガサが噛み付いたことの意味も違ってくる。

ワンダの未来とアガサの過去は——。引き続き、同時配信された『アガサ・オール・アロング』第2話を見ていこう。

ドラマ『アガサ・オール・アロング』は2024年9月19日(木) 午前10時よりディズニープラスで独占配信開始。全9話で初回は第1話と第2話が同時配信、10月30日(木) には第8話と最終回の第9話が同時配信される。

『アガサ・オール・アロング』配信ページ

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『アガサ・オール・アロング』第2話のネタバレ解説&考察はこちらから。

第3話のネタバレ解説はこちらから。

 

アガサが裸になったシーンの裏側はこちらの記事で。

 

ドラマ『ワンダヴィジョン』最終話のネタバレ解説はこちらから。

ドラマ『ヴィジョン・クエスト(仮)』についての情報はこちらの記事で。

 

【ネタバレ注意】映画『デッドプール&ウルヴァリン』ラストのネタバレ解説はこちらから。

【ネタバレ注意】『デッドプール&ウルヴァリン』時系列の解説はこちらから。

 

【ネタバレ注意】ドラマ『エコー』最終話のネタバレ解説&考察はこちらから。

【ネタバレ注意】『エコー』のラストがMCUの勢力図を変える可能性についてはこちらの記事で。

齋藤 隼飛

社会保障/労働経済学を学んだ後、アメリカはカリフォルニア州で4年間、教育業に従事。アメリカではマネジメントを学ぶ。名前の由来は仮面ライダー2号。 訳書に『デッドプール 30th Anniversary Book』『ホークアイ オフィシャルガイド』『スパイダーマン:スパイダーバース オフィシャルガイド』『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース オフィシャルガイド』(KADOKAWA)。正井編『大阪SFアンソロジー:OSAKA2045』の編集担当、編書に『野球SF傑作選 ベストナイン2024』(Kaguya Books)。
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