ネタバレ考察『Ultraman: Rising』続編展開は? 続編では何が掘り下げられるか解説 | VG+ (バゴプラ)

ネタバレ考察『Ultraman: Rising』続編展開は? 続編では何が掘り下げられるか解説

Netflix

『Ultraman: Rising』2024年6月14日(金)公開

2024年6月14日(金)にNetflixで配信開始された『Ultraman: Rising』。『ウルトラマンパワード』(1993)以来、31年ぶりのアメリカ発のウルトラマンということで期待が膨らむ『Ultraman: Rising』だが、期待が膨らむのはそれだけではない。それは『Ultraman: Rising』の続編制作の可能性だ。米ComicBook.comのインタビューでシャノン・ティンドル共同監督は『Ultraman: Rising』の中で、続編のために敢えて深掘りしなかったところがあると語っている。それを踏まえて観直すと、続編で何が描かれるのか考察することができる。

本記事では『Ultraman: Rising』の続編の可能性について、『Ultraman: Rising』で敢えて深掘りされなかったところから考察と解説をしていこう。なお、本記事の内容は本編の結末に関する重大なネタバレを含むので、必ずNetflixで本作品を鑑賞してから読んでいただきたい。

ネタバレ注意
以下の内容は、アニメ『Ultraman: Rising』の内容に関するネタバレを含みます。

『Ultraman: Rising』に続編はある? 掘り下げられるのは何?

怪獣の起源はどこにある?

『Ultraman: Rising』物語のキーパーソンになるのが赤ちゃん怪獣エミだ。スーパーコンピューターのミナの発言や、怪獣防衛隊(KDF)の長官である穏田博士の発言から、人類は怪獣の子供を発見したことがないが明らかになっている。また、ウルトラマンは調和をもたらすものとされており、怪獣を殺害するKDFと異なり怪獣を戦って生息地に戻している旨をサトウ教授が語っているが、怪獣たちが暮らす怪獣島も発見されていない。

透明怪獣ネロンガなどと戦っていたサトウ教授の変身する調和を守るウルトラマンも、怪獣島の場所がわからないため、とりあえず海に押し返すという手法を用いていた。怪獣島の場所は『Ultraman: Rising』の最後で赤ちゃん怪獣エミとジャイガントロンの案内でサトウ・ケンとサトウ教授は辿り着いているが、それでもまだすべての怪獣の起源が明らかになったわけではない。

『Ultraman: Rising』の冒頭ではサトウ教授が変身したウルトラマンと戦った相手として宇宙怪獣ベムラーが登場している。宇宙怪獣ベムラーはその名の通り宇宙から来た怪獣で、『ウルトラマン』(1966-1967)では「悪魔のような怪獣」と形容され、怪獣墓場に護送されていた怪獣だ。その他にもワキタ・アミの娘が『ウルトラマンティガ』(1996-1997)に登場した変形怪獣ガゾートについて言及している。変形怪獣ガゾートは大気圏上層部の電離層に棲息している怪獣であるため、宇宙出身の怪獣など怪獣島以外の怪獣も存在しているのだ。

ウルトラマンの力の源は?

『Ultraman: Rising』ではサトウ教授からサトウ・ケンへとウルトラマンの役割が継承されている。そこでサトウ・ケンはウルトラマンに変身し、日本で怪獣と戦っているが、このウルトラマンの力はどこから来ているのだろうか。ウルトラマンは大まかに分けて、人間と融合することで人間にウルトラマンの力を与えるものと、ウルトラマンが人間に変身するものの2つが存在していることを米ComicBook.comでシャノン・ティンドル共同監督は言及している。

その答えを考えるためにはまず、『Ultraman: Rising』のウルトラマンの力がどこから来ているのかを知る必要性がある。『Ultraman: Rising』のミッドクレジットシーンでは、サトウ・ケンの母親であるエミコがM78星雲から救援要請を送っている。そのことからウルトラマンであるサトウ夫婦は宇宙人である可能性が高い。しかし、シャノン・ティンドル共同監督はそのことについて回答を濁している。

Cartoon Brewでのインタビューで、シャノン・ティンドル共同監督は「ウルトラマンが宇宙人であるという考えにはあまり傾倒していないのですか?」と質問された際、長い沈黙の後、「『ノー』とは言いません!」と返答している。このことから、ウルトラマンの力の源は3つあると考えられる。

1. サトウ教授たちはM78星雲の光の国の出身である。
2. サトウ教授たちはウルトラマンと融合している。
3. サトウ教授たちは後天的にウルトラマンの力を与えられた。

宇宙からウルトラマンの力を後天的に授けられた存在としては、『ウルトラマンオーブ』(2016)と『ウルトラマンオーブ THE ORIGIN SAGA』(2016)の惑星O-50の戦士の頂が存在している。戦士の頂は惑星O-50に存在している山頂であり、そこに登り、ウルトラマンとしての精神を認められるとウルトラマンの力が与えられる。シャノン・ティンドル共同監督が長い沈黙の後に「『ノー』とは言いません!」と返答したことから、サトウ教授たちは後天的にウルトラマンの力を授けられた人間の可能性も考察できる。

宇宙人は存在する?

ウルトラマンが宇宙人か否かを議論する上で外すことができないのが、宇宙人はそもそも『Ultraman: Rising』の世界に存在しているのかという点だ。実は背景にバルタン星人のフィギュアが展示されているため、結論を簡単に出すとすれば『Ultraman: Rising』の世界にも宇宙人は存在しており、地球に来たことがあると考察できる。

その場合、調和を守る存在であるウルトラマンはどのように対処したのだろうか。相手が宇宙忍者バルタン星人だと考えると、調和を守るウルトラマンとしてサトウ教授たちは難しい判断を迫られたことが考察できる。『ウルトラマン』の宇宙忍者バルタン星人は母星を核実験で失った後、旅行中だった20億3000万人のバルタン星人が難民たちとなり、地球に宇宙船の修理のために飛来した。そこで地球の環境を気に入ったバルタン星人たちは地球の侵略を開始し、ウルトラマンと死闘を繰り広げた。

ここで問題になってくるのが、バルタン星人の考える命の重さだ。バルタン星人は20億3000万人という大規模な集団で移動する種族であり、科特隊から生命について尋ねられた際には生命の意味を理解できなかった。そのため、バルタン星人は個を重んじる地球人とは根本的に異なる群体生物だと考察できるのである。そのことからサトウ教授が変身するウルトラマンは調和を守るために理解し合えない他種族との戦闘を経験するという辛い立場に置かれたと考えることができる。

分かり合えない怪獣とはどう戦った?

これは宇宙忍者バルタン星人が初めてではなく、変形怪獣ガゾートでも体験した出来事だと考察できる。変形怪獣ガゾートは電離層に棲息する怪獣で、クリッターという生物が電磁波やマイクロ波を浴びたことで群れごと融合して誕生した怪獣である。変形怪獣ガゾートは人間とコミュニケーションがとれるほど知能は高いが、人間とは友人などの理解が根本から異なる。変形怪獣ガゾートは食糧の無い電離層で生き残るために共食いを繰り返しており、『ウルトラマンティガ』では友達について尋ねられた際に「トモダチハ、ゴチソウ。トモダチハ、ガゾートノタベモノ」と返答しており、人間も友達として捕食していた。

透明怪獣ネロンガは電気を、ジャイガントロンは魚を主食としているが、変形怪獣ガゾートは人間か同族を主食としているため、調和を守るウルトラマンであっても倒すしかなかったことが考察できる。このように、宇宙人を含め、宇宙から飛来してきた怪獣は『Ultraman: Rising』の世界にも存在しており、ウルトラマンはその怪獣や宇宙人を倒したか、もしくは宇宙へ追放していると考察できる。宇宙人の存在はウルトラマンの力の源やM78星雲を語る上で外すことのできないテーマだが、そこに至るまでにウルトラマンであるサトウ教授は難しい判断を迫られていた可能性が高い。

『Ultraman: Rising』のM78星雲とは?

ミッドクレジットシーンで観客を驚かしたのは腕時計に来たメッセージだ。それは失踪していたはずのサトウ・ケンの母親のエミコからのメッセージで、発信元はM78星雲からだった。このことからウルトラマンの力にM78星雲には関わりがあると考察できる。しかし、興味深いのはウルトラマンたちの故郷であるM78星雲が窮地に陥っているということだ。

ウルトラマンたちの故郷であるM78星雲が窮地に陥るとすれば暗黒宇宙大皇帝エンペラ星人によって引き起こされたウルトラ大戦争(ウルティメイトウォーズ)や、闇に堕ちたウルトラマンベリアルが引き起こしたベリアルの乱ほどの大事件しか考えられない。『Ultraman: Rising』の次回作では、それほどの脅威が描かれるのか。それとも別の形でM78星雲は窮地に陥っているのか。そこにも注目していきたい。

『Ultraman: Rising』は三部作?

シャノン・ティンドル共同監督は『Ultraman: Rising』を三部作にしたい旨を米ComicBook.comに語っている。そのため、これらの要素は続編で掘り下げられていくことが考察できる。シャノン・ティンドル共同監督は後の2作品について以下のように語っている。

これだけは言えます。あと2作のアイデアがあります。その2作で何をしたいかは具体的に決まっています。私が言えるのは、ウルトラマンの感情や心のファン、ウルトラマンのことを全く知らない人たちが、もしそのような映画を作ることになったら驚くでしょうし、筋金入りのファンも楽しめるだろうということです。というのも、この映画で掘り下げなかったことが1つあります。(中略)だから、それは好きなように推察してもらうことにしましょう。

この映画で掘り下げなかったことというのは怪獣の起源、ウルトラマンの力の源、宇宙人の存在、M78星雲の窮地のどれなのだろうか。『Ultraman: Rising』でのシャノン・ティンドル共同監督ら制作陣からの今後の情報解禁を要チェックだ。

『Ultraman: Rising』は2024年6月14日(金)よりNetflixにて配信が開始。

『Ultraman: Rising』配信ページ

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Source
ComicBook.com 1/ComicBook.com 2/Cartoon Brew

『Ultraman: Rising』のラストネタバレ解説と考察はこちらから。

『Ultraman: Rising』はギレルモ・デル・トロ監督からのアドバイスも貰っている。詳しくはこちらから。

『Ultraman: Rising』のティザーPVの解説と考察はこちらから。

『Ultraman: Rising』の続編制作と日本へのリスペクトなどについてはこちらから。

『Ultraman: Rising』の予告編の解説と考察はこちらから。

鯨ヶ岬 勇士

1998生まれのZ世代。好きだった映画鑑賞やドラマ鑑賞が高じ、その国の政治問題や差別問題に興味を持つようになり、それらのニュースを追うようになる。趣味は細々と小説を書くこと。
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