藤子・F・不二雄生誕90周年記念作品
藤子・F・不二雄ミュージアムで「藤子・F・不二雄のSF短編原画展 –Sukoshi・Fushigiワールドへの招待-」が企画展として2023年7月1日(土)から2023年10月23日(月)まで開催され、さらにはドラマ『藤子・F・不二雄SF短編ドラマ』(2023-)がNHK BSで放送されるなど、藤子・F・不二雄生誕90周年に向けて盛り上がりを見せるSF(すこしふしぎ)ワールド。そして2023年10月4日(水)には藤子・F・不二雄生誕90周年として『T・Pぼん』(1978-1986)のNetflixで2024年にアニメ化されることが発表された。これは1989年のテレビスペシャル以来、35年ぶりの映像化となる。
『T・Pぼん』はタイムボートという装置を使ってタイムスリップし、歴史の谷間で不幸にも命を落とした人々を救うタイム・パトロール隊の活躍を描いた作品である。物語は全3部構成になっているが、3部は作者の藤子・F・不二雄が病気で体調を崩したことで不定期連載となり、作者永眠という形で未完の作品となっている。
今回公開されたティザーPVでは偶然にもタイム・パトロール隊の隊員となる平凡な中学生の並平凡と、彼をタイム・パトロール隊に入隊させるきっかけをつくったリーム・ストリームの2人が様々な時代をタイムボートで駆け巡る様子が描かれた。タイム・パトロール隊は歴史の流れに関係しないが不慮の死を遂げる人々を救う部隊で、本来ならば並平凡は機密保持のために歴史から消されるはずだったが、何の因果か並平凡が第三次世界大戦を止めるきっかけになっていたため、タイム・パトロール隊に入隊することになる。
原作では、リーム・ストリームは2016年のミドルスクールの3年生という設定であり、2024年にアニメが制作されるとなると2016年をとっくに通り過ぎてしまっている。また、2016年にタイムボートなどのタイムスリップ装置も開発されていないことは明白であるため、そこの設定をどのように変更するのかも興味深いポイントだ。また、アニメ『T・Pぼん』が第1部のみの制作なのか、第2部以降も制作するのかによって、登場人物も変わってくるので注目していきたい。
2024年版アニメ『T・Pぼん』の監督は「花咲くいろは」シリーズの監督など多くの著名なアニメ作品に原画や演出といった様々な形で携わってきた安藤真裕監督、音楽はNHK大河ドラマ『天地人』(2009)や2020年東京パラリンピック閉会式でもその楽曲が用いられた大島ミチル、制作会社は「交響詩篇エウレカセブン」シリーズや「鋼の錬金術師」シリーズ、「僕のヒーローアカデミア」シリーズを手掛けた株式会社ボンズが務めるという豪華布陣で2024年版アニメ『T・Pぼん』は制作される。
並平凡の声優は『タイムボカン24』(2016-2018)で主人公のトキオを演じた若山晃久、リーム・ストリームの声優は『SPY×FAMILY』(2022-)のアーニャ・フォージャーを演じた種﨑敦美が務めることも発表された。また、全2シーズンであること同時に発表され、藤子・F・不二雄生誕90周年へのさらなる盛り上がりをみせた。人の生き死にを生々しく描く藤子・F・不二雄のSF(すこしふしぎ)ワールドに期待していきたい。
『T・Pぼん』は2024年Netflixで全2シーズンが世界独占配信予定。
「藤子・F・不二雄のSF短編原画展 –Sukoshi・Fushigiワールドへの招待-」公式サイト
『映画ドラえもん のび太と空の理想郷』ネタバレ解説&感想記事はこちらから。
『STAND BY ME ドラえもん』の声優キャストまとめ記事はこちらから。
『STAND BY ME ドラえもん』の主題歌や楽曲の記事はこちらから。