『STAND BY ME ドラえもん』の音楽は?
2014年に公開され、ジブリスタジオの『思い出のマーニー』を抑えて邦画作品の年間ランキング第1位の座を手にした『STANSD BY ME ドラえもん』。藤子・F・不二雄による原作第1話「未来の国からはるばると」や「のび太の結婚前話」といった原作の7つのストーリーを再構成した作品で、「ドラえもん」シリーズ初の3DCG作品ながら、興行収入と観客動員数はシリーズ史上最高記録を達成した。
サントラを手掛けたのは?
『STAND BY ME ドラえもん』を“ドラ泣き”というキャッチコピーに相応しい感動大作に押し上げた原動力の一つが、その音楽である。『STAND BY ME ドラえもん』でサントラを手がけたのは、作曲家の佐藤直紀。『ALWATS 三丁目の夕日』(2005)で日本アカデミー賞最優秀音楽賞を受賞し、その後も3度の日本アカデミー賞優秀音楽賞を受賞した作曲家で、映画「るろうに剣心」シリーズや『DESTINY 鎌倉ものがたり』(2017)、『STAND BY ME ドラえもん』の続編である『STAND BY ME ドラえもん 2』でも音楽を手がけている。
主題歌を歌ったのは?
ぞして、『STAND BY ME ドラえもん』の主題歌を歌ったのは秦基博だ。2006年に「シンクロ」でメジャーデビューを果たすと、2014年までに4つのアルバムを発表し、満を持して『STAND BY ME ドラえもん』の主題歌「ひまわりの約束」を担当した。この曲はオリコンデイリーランキング最高4位を記録すると、秦基博最大のヒット曲に。アニメの曲としては「残酷な天使のテーゼ」(1995)や「創聖のアクエリオン」(2005) と並んで100万ダウンロードを記録した曲としても知られる。「ひまわりの約束」は、発表後の5年間で10名以上のアーティストにカバーされた。
「ひまわりの約束」はのび太の視点から歌われた曲で、「ガラクタだったはずの今日が、ふたりなら宝物になる」と、ドラえもんの存在によって人生が変わったのび太の心情が描かれている。また、タイトルの「ひまわり」とはドラえもんのことで、歌詞の中ではドラえもんの優しさを「ひまわりのよう」と形容している。
中国語バージョンも
『STAND BY ME ドラえもん』の主題歌「ひまわりの約束」は、実は中国語にも翻訳されて歌われている。中国版では金貴晟が歌を担当した。また、香港版のドラえもんの声優を務めてきた林保全が2015年に急逝したことを受けて制作された追悼歌「奉献」では、歌詞は林保全に捧げる内容になっているが、曲は秦基博が作曲した「ひまわりの約束」が使用されている。
なお、スペイン版『STAND BY ME ドラえもん』の主題歌は「ひまわりの約束」ではなく、バルセロナのポップロックバンドFiverが制作したオリジナル楽曲「Stand by Me」が使用されている。「自分たちで物語を描いていくんだ」「エンディングも自分たちで決める、君と私とで」と歌われており、日本版の主題歌より明るく元気な印象を残している。こちらはバンドメンバーの演奏シーンと劇中の映像がコラボしたミュージックビデオも公開されている。
海外でも根強い人気を誇る「ドラえもん」シリーズ。音楽もまた、それぞれの国のファンのための工夫がなされている。
佐藤直紀が手がけた『STAND BY ME ドラえもん』のサウンドトラックは日本コロムビアより発売中。
秦基博が歌う主題歌「ひまわりの約束」は、Universal Musicよりシングルが発売中。Amazonプライム特典のAmazonミュージックでも配信されている。
映画『STAND BY ME ドラえもん』はBlu-rayで豪華版が発売中。