『SF作家はこう考える』&『フェミニスト、ゲームやってる』刊行記念! 近藤銀河&金田淳子 対談レポート | VG+ (バゴプラ)

『SF作家はこう考える』&『フェミニスト、ゲームやってる』刊行記念! 近藤銀河&金田淳子 対談レポート

近藤銀河さんと金田淳子さんの対談が開催されました

2024年6月1日(土)、三鷹の書店UNITÉにて、アーティスト、ライター、美術史研究者である近藤銀河さん社会学研究者・やおい・ボーイズラブ・同人誌研究家の金田淳子さんによるトークイベント、「ゲームばかりしていないで勉強しなさい?──ゲームとSFから学ぶフェミニズム」が開催されました。同イベントは、近藤さんが寄稿している『SF作家はこう考える 創作世界の最前線をたずねて』(Kaguya Books)と、近藤さんの単著『フェミニスト、ゲームやってる』(晶文社)のダブル刊行記念として開催されたものです。

当日は、リアルタイム・配信ともにたくさんの方々が来場・視聴しました。

近藤銀河さんは、フェミニズムとセクシュアリティの観点から美術や文学、サブカルチャーを研究しつつ、アーティストとして実践を行っています。特にレズビアンと美術の関わりを中心的な課題としています。共著に『シン・エヴァンゲリオン』を読み解く』(河出書房新社、2021)があります。『SF作家はこう考える 創作世界の最前線をたずねて』(Kaguya Books)には「過去に描かれた未来  マイノリティの想像力とSFの想像力」を寄稿。また『フェミニスト、ゲームやってる』(晶文社)が初の単著です。

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金田淳子さんは、ジェンダー論、社会学の視点から、やおいを研究しています。共著に、『文化の社会学』(佐藤健二・吉見俊哉編著、有斐閣、2006年)、『オトコのカラダはキモチいい』(二村ヒトシ・岡田育・金田淳子、KADOKAWA/メディアファクトリー、2015年)、単著に 『「グラップラー刃牙」はBLではないかと1日30時間300日考えた乙女の記録ッッ』 (河出書房新社、2019年) があります。またこの単著を原案として2021年にWOWOWオリジナルドラマ『グラップラー刃牙はBLではないかと考え続けた乙女の記録ッッ』が制作されました。

対談では、近藤さんが金田さんの「好きな作品について褒めながらも批判すべきところにはきっちりつっこんでいく」というスタイルに影響を受けて執筆していることや、『SF作家はこう考える』に近藤さんが寄稿した論考「過去に描かれた未来  マイノリティの想像力とSFの想像力」に登場する「クィア・タイム」概念がSFやゲームにおいて良い要素となること、過去のSF作品におけるアナクロニスティック(時代遅れになってしまった)な未来の描写が当時の社会規範を反映していることなどについて言及がありました。また、当日会場で配布された、金田さんによる熱のこもったレジュメを元に、『フェミニスト、ゲームやってる』に登場するさまざまなゲームにおけるクィア表象の良い点と批判すべき点が語られ、そこから現実のクィアが抱える問題にまで話題が広がりました。

『ポケモン』や『ピクミン』、また『アサシン・クリード』などメジャーなゲームから、『アンパッキング』をはじめとしたインディーゲーム、またシオドア・スタージョンやアーシュラ・ル=グウィン、韓国SF、さらには『老ナルキソス』や『マッドマックス:フュリオサ』など映画まで、お二人の幅広く豊富な知識に基づく、スピード感あるコンテンツ論が繰り広げられました。金田さんのSF遍歴の一端も明らかになり、大充実のイベントとなりました。

イベントのアーカイヴチケットは7月1日まで販売中!

三鷹UNITÉで開催された、近藤銀河さんと金田淳子さんの「ゲームばかりしていないで勉強しなさい?──ゲームとSFから学ぶフェミニズム」は、2024年7月1日までアーカイヴ視聴が可能です。こちらより、アーカイヴチケットをご購入いただけます。アーカイヴ配信をご購入の方も、金田淳子さんのレジュメPDFをダウンロードすることができます。

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SF作家はこう考える 創作世界の最前線をたずねて』(Kaguya Books)、『フェミニスト、ゲームやってる』(晶文社)は、三鷹UNITÉ店頭でもお買い求めいただけます。

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SF作家はこう考える 創作世界の最前線をたずねて

創作やSFに興味を持ったらまずこの一冊! SFの可能性と責任についての鋭い論考、近藤銀河「過去に描かれた未来  マイノリティの想像力とSFの想像力」他、充実したコンテンツが掲載されています。

編者:日本SF作家クラブ
刊行日:2024年4月27日
価格:1,900円(税込2,090円)
発行:Kaguya Books
発売:社会評論社
サイズ:A5・164頁

目次
〈第一部〉 作家のリアルとそこで生きる術
「SF作家のリアルな声」揚羽はな・大澤博隆・粕谷知世・櫻木みわ・十三不塔・門田充宏・藍銅ツバメ
「SF作家になるには」大森望
「戦略的にコンテストに参加しよう さなコンスタディーズ 2021-2023」 門田充宏

〈第二部〉 フィクションとの向き合い方
「え? 科学技術とSFって関係あるんですか? 本当に?」 宮本道人
「SFと科学技術を再考する」 茜灯里・安野貴博・日高トモキチ・宮本道人・麦原遼
「〝社会〟の中でフィクションを書く」 近藤銀河・津久井五月・人間六度・柳ヶ瀬舞
「過去に描かれた未来  マイノリティの想像力とSFの想像力」 近藤銀河

〈コラム〉小説にかかわるお仕事
編集者・翻訳者・校正者・デザイナー・『WIRED』編集者  小谷知也さんインタビュー

 

 

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