2021年のヒューゴー賞発表! マーサ・ウェルズ『ネットワーク・エフェクト』がSF賞三冠達成 セミプロジン部門にFIYAH、ゲーム部門に『Hades』(受賞リスト掲載) | VG+ (バゴプラ)

2021年のヒューゴー賞発表! マーサ・ウェルズ『ネットワーク・エフェクト』がSF賞三冠達成 セミプロジン部門にFIYAH、ゲーム部門に『Hades』(受賞リスト掲載)

© The Hugo Awards / 東京創元社 ©︎2009 TOKYO SOGENSHA Co., Ltd.

ヒューゴー賞2021発表!

世界SF大会(ワールドコン)に参加するSFファンによる投票で決定されるSF賞ヒューゴー賞の授賞式が、米時間2021年12月18日(土)に第79回ワールドコンが開催されている米ワシントンD.C.で行われた。前年のヒューゴー賞授賞式はリモートで開催されたが、2021年は開催時期を8月から12月に変更しての現地開催となった。

注目の小説部門は…

2021年のヒューゴー賞長編小説部門に選ばれたのは、マーサ・ウェルズ『ネットワーク・エフェクト』。同作は中原尚哉による日本語翻訳で東京創元社から刊行されている「マーダーボット・ダイアリー」シリーズの最新作だ。日本でも『ネットワーク・エフェクト マーダーボット・ダイアリー』のタイトルで、2021年10月15日に創元SF文庫から発売されたばかり。

また、2019年に日本で刊行された中原尚哉訳の『マーダーボット・ダイアリー』上下巻は、第7回日本翻訳大賞を授賞している。

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『ネットワーク・ネットワーク・エフェクト』は今回発表されたヒューゴー賞に加え、ローカス賞とネビュラ賞も受賞しており、SF賞三冠を達成した。マーサ・ウェルズの「マーダーボット・ダイアリー」シリーズは、今回のヒューゴー賞シリーズ部門も受賞。シリーズ部門は3作品以上かつ24万ワード以上が発表され、対象年中に新作が刊行されたシリーズが対象になる。マーサ・ウェルズはヒューゴー賞の長編小説部門とシリーズ部門を受賞するのはこれが初めて。

中長編小説部門にはNghi Vo「The Empress of Salt and Fortune」が選ばれた。Nghi Voの同作は2021年3月にも、優れた新進のファンタジー作家に贈られるクロフォード賞を受賞している。中編小説部門はサラ・ピンスカーの「Two Truths and a Lie」が受賞。ネビュラ賞でも同部門を制しており、二つのSF最高賞を制する“ダブルクラウン”を達成した。

サラ・ピンスカーの日本語訳は、昨年ネビュラ賞長編小説部門を受賞した『A SONG FOR A NEW DAY』が村山美雪の翻訳で竹書房から2021年8月に刊行されている。

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短編小説部門にはT. Kingfisher「Metal Like Blood in the Dark」が選ばれた。T. Kingfisherは小説『A Wizard’s Guide to Defensive Baking』でも、ヒューゴー賞と共に発表されるヤングアダルト小説を対象としたロードスター賞を受賞。ネビュラ賞と共に発表されるアンドレ・ノートン賞も受賞しており、同作は早川書房より2022年に刊行される予定だという。

また、半商業誌の媒体を対象にしたセミプロジン部門には、FIYAH Magazine of Black Speculative Fiction が選ばれた。FIYAH Magazineは黒人作家たちの物語、アフリカ系の人々の物語を紹介し、マイノリティのSF関係者たちを招いたイベントFIYAHCONを主催してきた媒体だ。3度目のノミネートで初の受賞となった。グラフィックストーリー部門には、Damian Duffy & John Jenningsが手がけたオクテイヴィア・E・バトラー『Parable of the Sower』のグラフィックノベル版が選ばれている。オクテイヴィア・E・バトラーの『Parable of the Sower』は、2022年に竹書房より邦訳が刊行予定。

オクテイヴィア・E・バトラーの『キンドレッド』は、 風呂本惇子/岡地尚弘による日本語訳が2021年11月5日に発売されている。

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特設のゲーム部門は…

また、2021年のヒューゴー賞はゲーム部門を特設。司会から「自分の本当の姿をスクリーンの中で見つける人もいる」とその意義が紹介され、受賞作品としてグレッグ・カサヴィンが脚本を手掛けたスーパージャイアント・ゲームの『Hades』が選ばれたことが発表された。『Hades』はもう一つのSF最高賞ネビュラ賞に常設されているゲームライティング部門も受賞しており、ゲーム作品としては初の“ダブルクラウン”を達成した。

ゲーム部門には日本から『あつまれ どうぶつの森』と『ファイナルファンタジーVII リメイク』もノミネートされたが、受賞はならなかった。『Hades』はギリシャ神話をモチーフにしたアクションゲームで、日本でもSwitchで発売されている。

2021年のヒューゴー賞受賞者および受賞作品は以下の通り。

長編小説部門

Network Effect, Martha Wells (Tor.com)

中長編小説部門

The Empress of Salt and Fortune, Nghi Vo (Tor.com)

中編小説部門

Two Truths and a Lie, Sarah Pinsker (Tor.com)

短編小説部門

“Metal Like Blood in the Dark”, T. Kingfisher (Uncanny Magazine, September/October 2020)

シリーズ部門

The Murderbot Diaries, Martha Wells (Tor.com)

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関連書籍部門

Beowulf: A New Translation, Maria Dahvana Headley (FSG)

グラフィックストーリー部門

Parable of the Sower: A Graphic Novel Adaptation, written by Octavia Butler, adapted by Damian Duffy, illustrated by John Jennings (Harry N. Abrams)

長編映像部門

The Old Guard, written by Greg Rucka, directed by Gina Prince-Bythewood (Netflix / Skydance Media)

短編映像部門 (90分以内)

The Good Place: Whenever You’re Ready, written and directed by Michael Schur (Fremulon / 3 Arts Entertainment / Universal Television, a division of Universal Studio Group)

プロアーティスト部門

Rovina Cai

短編編集者部門

Ellen Datlow

長編編集者部門

Diana M. Pho

セミプロジン部門 (半商業誌)

FIYAH Magazine of Black Speculative Fiction, publisher Troy L. Wiggins, executive editor DaVaun Sanders, managing editor Eboni Dunbar, poetry editor Brandon O’Brien, reviews and social media Brent Lambert, art director L. D. Lewis, and the FIYAH Team.

ファンジン部門(非商業誌)

nerds of a feather, flock together, ed. Adri Joy, Joe Sherry, The G, and Vance Kotrla

ファンアーティスト部門(非商業アーティスト)

Sara Felix

ファンライター部門(非商業ライター)

Elsa Sjunneson

ファンキャスト部門(非商業オーディオ・ビデオ部門)

The Coode Street Podcast, presented by Jonathan Strahan and Gary K. Wolfe, Jonathan Strahan, producer

ビデオゲーム部門

Hades (Publisher and Developer: Supergiant Games)

ロードスター賞

A Wizard’s Guide to Defensive Baking by T. Kingfisher

アスタウンディング新人賞

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