超大作SF『プロジェクト・ヘイル・メアリー』刊行
SF作家アンディ・ウィアーによる最新作『プロジェクト・ヘイル・メアリー』が小野田和子による翻訳で早川書房より刊行された。
『プロジェクト・ヘイル・メアリー』はアメリカで2021年5月に刊行されたばかりの大作SF小説。宇宙船<ヘイル・メアリー>号で昏睡状態から目覚めた主人公のライランドは、徐々に記憶を取り戻していき、太陽エネルギーを吸収する粒子の発生という宇宙規模の災厄が発生したこと、太陽系を救うヘイル・メアリープロジェクトの一員として宇宙船に乗り込んだことなどを思い出していく。同じくこの災厄の解決に取り組んでいると思われる異星人との出会いも描かれ、ライランドは徐々に謎の核心に迫っていく。
映画化も進行中
『プロジェクト・ヘイル・メアリー』は、ライオンが吠えるロゴでお馴染みのメトロ・ゴールドウィン・メイヤー社が既に映画化の権利を獲得しており、『スパイダーマン:スパイダーバース』(2018) の脚本や「レゴムービー」シリーズを手掛けてきたフィル・ロード&クリス・ミラー監督が指揮を取る。脚本を手がけるのはドラマ『LOST』(2004-2010) や『Marvel デアデビル』(2015-2018) 、そして映画『オデッセイ』(2015) の脚本を手掛けたドリュー・ゴダード。
作者のアンディ・ウィアーは2015年にマット・デイモン主演で『オデッセイ』として映画化された『火星の人』で知られる作家。『火星の人』も小野田和子による邦訳で刊行され、第46回星雲賞海外長編部門を受賞している。『火星の人』は元々アンディ・ウィアーが自分のウェブサイトで公開していた作品で、読者から一冊にまとめてほしいという要望を受けてKindleで自費出版したところ、後にハリウッド映画化もされる世界的なベストセラーとなった。
『プロジェクト・ヘイル・メアリー』は、アンディ・ウィアーにとって第3作目の長編小説。『火星の人』に続いて2017年に刊行され、翌年に小野田和子による翻訳で日本でも刊行された『アルテミス』に続く新作になる。
なお、アンディ・ウィアーの短編小説「The Egg」は、30カ国以上に翻訳されており、全てウェブ上で無料で読むことができる。日本語訳はAlex Onsagerが手掛けている。
アンディ・ウィアー『プロジェクト・ヘイル・メアリー』(小野田和子 訳) は、早川書房より上下巻で2021年12月16日発売。
小野田和子による翻訳作品は、N・K・ジェミシン『第五の季節』『オベリスクの門』も東京創元社より発売中。