妖精シリーズが連続刊行
季刊誌「ナイトランド・クォータリー」を発行するアトリエサードより「妖精」をテーマにした書籍が3ヶ月連続で刊行されている。いずれの書籍も、日本における妖精学の第一人者・井村君江が翻訳やエッセイを手掛けている。
『妖精の到来〜コティングリー村の事件』
5月28日(金)に刊行された『妖精の到来〜コティングリー村の事件』は、1917年にイギリスのコティングリー村で2人の少女が撮ったという「妖精の写真」をめぐって大きな論争が起きた“コティングリー妖精事件”についての一冊。当時、この写真に関する記事を雑誌に投稿したのが「シャーロック・ホームズ」シリーズで知られるコナン・ドイルであり、『妖精の到来〜コティングリー村の事件』はドイルがその記事に対する反響や妖精の写真についての経緯・見解をまとめた内容になっている。翻訳を手掛けた井村君江による解説も要チェックだ。
『ダン・アダン・デリー〜妖精たちの輪舞曲』
7月14日(水)発売の『ダン・アダン・デリー〜妖精たちの輪舞曲』は、イギリスの児童文学・幻想文学の名手であるウォルター・デ・ラ・メアが綴った詩を、アメリカのイラストレーターであるドロシー・P・ラスロップの挿絵で彩った一冊。こちらも日本における妖精学の第一人者、井村君江が翻訳を手掛け、更に人形彫刻家・戸田和子の作品が挿入され、更なる彩りを加えている。挿絵と人形彫刻に彩られた幻想的な詩の世界を堪能することができる。
『妖精が現れる! 〜コティングリー事件から現代の妖精物語へ』
そして、7月30日(金)に「ナイトランド・クォータリー増刊」として発売されたのは『妖精が現れる! 〜コティングリー事件から現代の妖精物語へ』。井村君江による「コティングリー村訪問記」を皮切りに、前述の“コティングリー妖精事件”に関する新旧の研究史を踏まえ、幻想文学の立場から妖精に関する多様な論点に触れていく。多数の評論やエッセイに詩、そして8編の小説を収録した充実の内容となっている。
なお、ホラー&ダークファンタジーの総合誌『ナイトランド・クォータリー』からは、『ナイトランド・クォータリー Vol.25 メメント・モリ〈死を想え〉〜病疾(えやみ)に蠢く死の舞踏』が6月18日(金)に発売されている。数々の海外SF小説を日本に紹介してきた翻訳家・評論家の大和田始への貴重なインタビューも収録。日本SF作家クラブが運営する「SF Prologue Wave」では、同号の紹介と共に特別コラムを読むことができる。
SF Prologue Wave (Pixiv Fanbox)
『妖精の到来〜コティングリー村の事件』『ダン・アダン・デリー〜妖精たちの輪舞曲』『妖精が現れる! 〜コティングリー事件から現代の妖精物語へ』『ナイトランド・クォータリー Vol.25』は、いずれもアトリエサードから発売中。