Contents
- 『怪盗グルーのミニオン危機一発』で流れた音楽に注目
- 『怪盗グルーのミニオン危機一発』で流れた音楽まとめ
- ファレル・ウィリアムス&トレイ・パーカー「ファン・ファン・ファン」
- Da Vinci’s Notebook「Another Irish Drinking」
- ファレル・ウィリアムス「Just a Cloud Away」
- マンゴ・ジェリー「イン・ザ・サマータイム」
- ファレル・ウィリアムス「Happy」
- ピットブル「Don’t Stop the Party feat. TJR」
- デヴィッド・ゲッタ「Where Them Girls At ft. Nicki Minaj & Flo Rida」
- ピットブル「Echa Pa’lla (Manos Pa’rriba)」
- ジョン・マイケル・モントゴメリー「I Swear」
- ヴィレッジ・ピープル「YMCA」
- シーロー・グリーン「Scream」
『怪盗グルーのミニオン危機一発』で流れた音楽に注目
2013年に公開された『怪盗グルーのミニオン危機一発』は、『怪盗グルーの月泥棒』(2010) に続く「怪盗グルー」シリーズの第2作目。心を入れ替えて良き父になろうとするグルーの新たな戦いが描かれた。特に注目を集めたのはその音楽で、主題歌の「Happy」(2013)をはじめとする盛り沢山の挿入歌が、作品に今も色あせないポップさを付け加えている。
サントラについては、前作では巨匠ハンス・ジマーが手掛けたが、『怪盗グルーのミニオン危機一発』ではハンス・ジマーのスタジオに所属するヘイター・ペレイラが担当。ヘイター・ペレイラはブラジル出身の作曲家で、「怪盗グルー」シリーズのスピンオフ『ミニオンズ』(2015)や続編『怪盗グルーのミニオン大脱走』(2017)の音楽も手掛けている。また、主題歌「Happy」を提供したファレル・ウィリアムスも映画サウンドトラックの作曲として名を連ねている。
今回は、『怪盗グルーのミニオン危機一発』で流れた挿入歌に注目してみよう。シーロー・グリーンらも参加した豪華な楽曲を、映画の場面ごとに紹介していく。
『怪盗グルーのミニオン危機一発』で流れた音楽まとめ
ファレル・ウィリアムス&トレイ・パーカー「ファン・ファン・ファン」
冒頭、アグネスの誕生日パーティの場面で流れているのはファレル・ウィリアムス&トレイ・パーカーの「ファン・ファン・ファン (Fun, Fun, Fun)」(2010)。そのタイトルと雰囲気通り、「楽しいところに連れてって」「楽しい時間を過ごそう」と歌われている。こちらは前作『怪盗グルーの月泥棒』でも使用された曲だ。
だが、今作でこの曲に意味が加わるのは、「夏だよママ、夏だよパパ/子ども達が最後に楽しい時間を過ごしてからしばらく経つね」と歌われる箇所。アグネスをはじめ、母がいないグルー家の三姉妹にとっての「家族」が今作のテーマであり、この楽しげな曲も受け止め方によっては少し悲しげにも聞こえる。
Da Vinci’s Notebook「Another Irish Drinking」
工場でパーティーをするミニオン達が歌っているのはDa Vinci’s Notebook「Another Irish Drinking」(2002)の替え歌。原曲は家族や知り合いが死んでしまったことを言葉遊びを織り交ぜながら挙げていき、サビで「みんな死んでしまった、だから涙が枯れるまで私たちは飲んで飲んで飲みまくる」と歌われる陽気な歌。『怪盗グルーのミニオン危機一発』では、ミニオンの声優であるピエール・コフィンが歌っているが、歌詞は「Badi badi badi badi badi kiya papoy」など、意味をなさないものになっている。この曲もサントラに収録されている。
ファレル・ウィリアムス「Just a Cloud Away」
モールで長女マーゴとアントニオが出会う場面、流れ出す曲はファレル・ウィリアムス「Just a Cloud Away」(2013)。『怪盗グルーのミニオン危機一発』のために書き下ろされた曲で、マーゴの初恋に合わせて、「雨はひと時だけ、移りゆくもの」「太陽が出て雲は消える」「泣いたことも戦ったこともあったけど、私たちには引力がある」と歌われている。
マンゴ・ジェリー「イン・ザ・サマータイム」
拐われたミニオン達が小島でバカンス気分に浸っているシーン。ここで流れているのはマンゴ・ジェリーの「イン・ザ・サマータイム (In The Summertime)」(1970)。マンゴ・ジェリー最大のヒット曲で、「さぁ夏だ、暑い日々、ストレッチして空に手を伸ばそう」「私たちはいつでもハッピー、人生は生きるためにある/それが私たちの哲学」と歌われている。なお、『怪盗グルーのミニオン危機一発』が公開される前年には、マンゴ・ジェリーのボーカルであるレイ・ドーセットが同曲の使用料の配分をめぐって版権管理会社を訴訟している。
ファレル・ウィリアムス「Happy」
グルーがルーシーに「ツルツル頭ステキ」と言われた翌朝、ご機嫌なグルーのバックで流れているのは言わずと知れたファレル・ウィリアムスの大ヒット曲「Happy」(2013)。
社会現象にもなった「Happy」は『怪盗グルーのミニオン危機一発』の主題歌として制作された曲で、2013年6月に発売された同作のサントラに収録された後、同年11月にシングルが発売された。この為、ミュージックビデオにもミニオンが登場している。また、グルーの英語版声優を務めたスティーヴ・カレルやマルゴ役のミランダ・コスグローヴも出演している。
「Happy」は全世界で1,000万枚以上の売り上げを記録し、アカデミー賞のアカデミー歌曲賞にもノミネートされた (受賞は『アナ雪』の「レット・イット・ゴー」)。歌詞の内容は「私はハッピーだから、天井なんてないって感じてるなら手を叩こう/私はハッピーだから、幸せなのは本当のことって気がしてるなら手を叩こう」と歌われている。
ピットブル「Don’t Stop the Party feat. TJR」
グルーが三人の娘を連れてパーティに向かうシーンで流れているのは、ピットブル「Don’t Stop the Party feat. TJR」(2012)。タイトル通りのパーティーソングで、「パーティを止めるな」「パーティは止まらない」と繰り返し歌われている。この曲はクラブシーンで大ヒットを記録した曲で、当時はパーティーのプレイリストには欠かせない曲だった。
デヴィッド・ゲッタ「Where Them Girls At ft. Nicki Minaj & Flo Rida」
パーティーで流れるもう一つの曲は、デヴィッド・ゲッタ「Where Them Girls At ft. Nicki Minaj & Flo Rida」(2011)。グルーが踊りながらアントニオと競り合おうとするシーンだ。パーティーを舞台に、フロー・ライダーとニッキ・ミナージュがそれぞれ「女の子達はどこ?」と歌い合う楽曲だ。
ピットブル「Echa Pa’lla (Manos Pa’rriba)」
グルーがアントニオを凍らせてパーティー会場を後にするシーン。ここで流れているのはピットブルの「Echa Pa’lla (Manos Pa’rriba)」。スペイン語のこのタイトルは「動け、手を上げろ」という意味で、ひたすらに「手を振れ」と歌われている。ただのパーティーソングにも聞こえるが、敵のエル・マッチョがメキシコ系のキャラクターということもあり、グルー達がスペイン語で追い立てられているようにも聞こえる。
ジョン・マイケル・モントゴメリー「I Swear」
結婚式でミニオンが歌うのは、ジョン・マイケル・モントゴメリーの「I Swear」(1993)。「あの月と星に誓うよ、まるで影が寄り添うように、いつも側にいると」と歌われているが、ここではコミカルな替え歌で歌われている。吹き替え版では、ミニオン達は「誓うよ」の部分を「オケツ〜」と歌っており、英語版では「アンダーウェア〜 (下着)」と歌っている。
ヴィレッジ・ピープル「YMCA」
次にミニオン達が歌うのは、ヴィレッジ・ピープルの大ヒットソング「YMCA」(1978)。元々はゲイの人々をコンセtプトとした曲で、日本でも西城秀樹のカバーバージョン「YOUNG MAN (Y.M.C.A.)」(1979) が知られている。ミニオンのカバーバージョンでは「ヤングマン」のところが「Bokka」、「YMCA」のところが「La pa ta ke alo、Tu pu de bwa」と意味をなさない言葉になっている。一方で、このシーンでのミニオン達はヴィレッジ・ピープルのコスプレをしており、それぞれネイティヴアメリカン、工事作業員、警察官の格好をしている (フルーツは無関係)。
シーロー・グリーン「Scream」
エンディングで流れるのはシーロー・グリーンの「Scream」(2013)。こちらは『怪盗グルーのミニオン危機一発』のために作られた楽曲で、ファレル・ウィリアムスがプロデュースを手掛けている。「興味あるなら、こっちにおいで」「年寄りはお暇して、子ども達は叫ぶんだ」と歌われている。もともと、ファレル・ウィリアムは「Happy」をシーロー・グリーンのために書いたというのは有名な話。シーロー・グリーンは多忙を理由に「Happy」を歌うことはできなかったが、エンディング曲で本作に参加することになった。
以上が、映画『怪盗グルーのミニオン危機一発』で流れる主題歌・挿入歌・エンディング曲だ。なんとも豪華な作品に仕上がっている。時折混ざるミニオンによるカバー曲もいい味を出している。ミニオンが歌った曲とファレルが書いた曲、そしてヘイター・ペレイラが作曲した音楽が収録されたサウンドトラックが発売されているので、ぜひこちらもチェックしてみよう。
『怪盗グルーのミニオン危機一発』のサントラはBack Lot MusicよりMP3で発売中。Amazonミュージックでも聴くことができる。
映画『怪盗グルーのミニオン危機一発』は、Blu-rayが発売中。
『怪盗グルーのミニオン危機一発』の声優キャストまとめはこちらの記事で。