ネタバレ考察 テディ・ペインはどうなる?『ヴェノム:ザ・ラストダンス』俳優が今後について語る | VG+ (バゴプラ)

ネタバレ考察 テディ・ペインはどうなる?『ヴェノム:ザ・ラストダンス』俳優が今後について語る

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『ヴェノム:ザ・ラストダンス』公開

映画『ヴェノム:ザ・ラストダンス』が2024年11月1日(金) より全国での一般上映を開始した。『ヴェノム』(2018)、『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』(2021) に続くシリーズ最終章として位置付けられた本作は、トム・ハーディ演じるエディと「ヴェノム」シリーズのラストを飾る作品になる。

今回注目したいのは、映画『ヴェノム:ザ・ラストダンス』でジュノー・テンプルが演じたテディ・ペインだ。科学者として登場したテディ・ペインは今後どうなっていくのか、俳優のコメントも踏まえて考察していこう。なお、以下の内容は『ヴェノム:ザ・ラストダンス』の結末に関するネタバレを含むため、劇場で本編を鑑賞してから読んでいただきたい。

ネタバレ注意
以下の内容は、映画『ヴェノム;ザ・ラストダンス』の内容に関するネタバレを含みます。

テディ・ペインはどうなった? ネタバレ解説

過去のトラウマと意外なラスト

映画『ヴェノム:ザ・ラストダンス』に登場したテディ・ペイン博士は、ネバダ州にあるエリア55で働く研究者で、砂漠に建てられた家に住んでいる。 警備員や部下との関係は悪くはなさそうだが、劇中では研究を優先するあまりにレックス・ストリックランドの部下の命を軽視するような発言もあり、セイディ・クリスマスに嗜められる場面も。

テディ・ペインの理想に対する強いこだわりの背景には、幼少の頃に死別した兄の存在があった。ペイン博士の双子の兄はテディと共に宇宙に別の生命体がいることを信じていた。だがある日、テディに落ちた雷が手を繋いでいた兄に感電して兄は死んでしまっていた。

余談だが、砂漠のように人間より背の高い物体がない場所では、立っている人間に雷が落ちる危険性がある。ペイン兄妹が親の言いつけを守って雷から逃げている様子を見るに、おそらくテディ・ペインはネバダで生まれ育ったものと思われる。

テディ・ペインはシンビオートとの共生を信じる学者の一人であり、最後にはポケットに忍ばせていたカプセルからシンビオートを解放し、自らに寄生させている。長い髪のような職種が特徴のペイン博士のシンビオートは、原作コミックの“アゴニー”に相当するキャラクターだと考えられる。

あの時、兄を死なせてしまったテディ・ペインは、今度こそはと後輩のクリスマスを助けることに成功する。身体に電気が流れているような演出は映画版オリジナルのもので、テディ・ペインが過去に雷から打たれたトラウマを演出に取り入れたものと思われる。

クリスマスを爆発から助けたテディ・ペインは、シンビオートと共生したことで雷に打たれた時の傷痕が消えていることに気が付く。エリア51及び55は焼け野原になってしまったが、ペイン博士に寄生しているシンビオートは生き残った。また、ポストクレジットシーンではペイン博士が残したカプセルにゴキブリが近づく場面も。新たな「ヴェノム」スピンオフの可能性を示唆して『ヴェノム:ザ・ラストダンス』は幕を閉じている。

スピンオフはある?

演じた俳優が語る

テディ・ペインの今後について、ソニー・ピクチャーズは新たなストーリーを用意しているのだろうか。テディ・ペインを演じた俳優のジュノー・テンプルは、米The Hollywood Reporterのインタビューで、今後、トム・ハーディのように人間のシンビオートの一人二役を演じる可能性について聞かれ、こう答えている。

なんてことでしょう、それは楽しいことになりますね。素晴らしい経験になるでしょう。身体的なことや、双方のキャラクターを共存させる素晴らしい演技を理解する方法についてはトム(・ハーディ)の脳みそを少し借りたいところです。でも、ぜひやりたいです。

興味深いですよね。ファンの皆さんにとって、このユニバースの一部であることがどれだけの意味を持つのか、皆さんが愛し、時に憎むこともあるストーリーとヒーローやヴィランにどれだけ熱心に向き合っているかを知りました。ですから、ファンの皆さんを失望させたくはありませんが、皆さんが面白い冒険だと思ってくださるなら、何でも受け入れます。そうでなくても、私はこの作品で素晴らしい時間を過ごすことができました。

テディ・ペインを演じたジュノー・テンプルは、『ダークナイト ライジング』(2012) でトム・ハーディと共演。「マレフィセント」シリーズのシスルウィット役、『FARGO/ファーゴ』(2014-) のドット・ライオン役などを演じてきた。1989年生まれで順調にキャリアを積み重ねてきているが、「ヴェノム」のユニバースでヒーローを演じることには前向きな様子だ。

スタジオとファンが望むなら…

そして、『ヴェノム:ザ・ラストダンス』のラストの展開については、今回が「ラストダンス」だということが前提だったとしつつ、こう話している。

(「ラストダンス」なので)これで終わる可能性もあると考えていましたが、私はどんな展開にもオープンです。このユニバースに加わるのは本当にエキサイティングなことですが、同時に自分の身の丈を超えてはいけません。

(シンビオートの)色について話を聞いた時は大喜びしました。私はピンキーパープルが大好きで(笑)。そもそも、こうした映画に参加することを依頼される立場になるなんて、思ってもみなかったんです。ですから、あの最後の——あえて言うなら——超ワルな展開を迎えることができて最高にクールな気分です。

ジュノー・テンプルは、テディ・ペインの次の展開についても知っていると話しているが、「ソニー・ピクチャーズが望むなら」という留保もつけられている。『ヴェノム:ザ・ラストダンス』のケリー・マーセル監督は、本作で残された可能性は「スタジオへの贈り物」と話しており、ストーリー上のその後の展開は「分かっている」と明かしている。

テディ・ペインを演じたジュノー・テンプルと、監督は『ヴェノム3』後についてオープンな姿勢であることが分かる。テディ・ペインが再びスクリーンに現れるかどうかは、ファンの評価と興行面でのスタジオの判断次第ということになりそうだ。『ヴェノム:ザ・ラストダンス』は日本での一般公開を迎えた時点で全世界興収2億ドル(約300億円)目前のヒットを記録しているが、果たして。

テディ・ペインはどうなる? ネタバレ考察

ネバダを舞台に活躍?

では、テディ・ペインが今後登場するとすれば、どのような形になるのだろうか。キャラクターとしてのペイン博士の難点は、砂漠の真ん中に住んでいて職場以外の他者との交流がほとんどなさそうに見えることだ。例えばエディは所属する組織を持たなかったが、元恋人のアンとその婚約者のダン、行きつけのコンビニの店主のチェンさんやホームレス状態にあったマリアなど、アクションを起こす動機となる人々に囲まれていた。

テディ・ペインの場合は砂漠に住み、同じく人里離れた職場で働き、亡き兄を思いながら仕事に没頭している。ゆえに職場の人間関係しか持っていないことが、キャラクターとしての広がりを作ることを困難にしている側面があったと言える。

だが、『ヴェノム:ザ・ラストダンス』でエリア51及びエリア55が破壊されたことで、テディ・ペインの活動地域も変わることになるだろう。エディ・ブロックも『ヴェノム3」ではこれまで舞台になっていたサンフランシスコを離れ、メキシコからニューヨークを目指すことになった。移動は新たな物語を生むのだ。

テディ・ペインがネバダ州内の都市に移ることになれば興味深いストーリーが生まれるかもしれない。実はこれまでのマーベル映画ではネバダ州が舞台になったことがほとんどない。登場したのは、MCU映画『キャプテン・マーベル』(2019) でキャロル・ダンヴァースとニック・フューリーが潜入した空軍施設くらいだろうか。

『ヴェノム:ザ・ラストダンス』では、ネバダ州のラスベガスで楽しむエディとヴェノムの姿が描かれた。政府の施設やカジノ以外のネバダの姿は、意外とテディ・ペインの物語を通して描かれることになるかもしれない。

『スパイダーマン4』でのアゴニー登場に期待?

テディ・ペインは今回、アゴニーと思われる個体に変身したが、原作コミックのアゴニーは、映画『ヴェノム』にも登場したライフ財団がヴェノムから摘出したシンビオートとして登場する。ライオット、スクリーム、ラッシャー、ファージというシンビオートと共にヴェノム&スパイダーマン相手に戦うことになる。その後、米軍によって所有された兵器となるのだが、映画のテディ・ペインもその力を知られたら米軍が放ってはおかないだろう。

「ヴェノム」関連の作品では、『スパイダーマン4(タイトル未定)』が2026年7月24日に全米で公開されることになっている。原作でスパイダーマンとヴェノムと対峙したアゴニーが『スパイダーマン4』に登場する可能性も考えられる。

しかし、テディ・ペインの物語が今後も描かれることに期待し過ぎるのもよくない。『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』のラストではパトリック・マリガン刑事にシンビオートが寄生し、原作コミックと同じくトキシンとして正義の味方になることが期待された。コミックでは単独シリーズも持つニューヒーローの実写化にファンは湧いたが、『ヴェノム:ザ・ラストダンス』ではトキシンはあっさり殺されてしまった。

一方で、スタジオ側は「ヴェノム」シリーズにおいてファンの意見を取り入れ、エディとアンのロマンスの再燃を取りやめてヴェノムとエディの物語に注力したことを監督が明かしている。テディ・ペイン/アゴニーについてはどんな判断が下されるのか、今後を注視しよう。

映画『ヴェノム:ザ・ラストダンス』は2024年11月1日(金) より一般上映開始。

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Source
The Hollywood Reporter

『ヴェノム:ザ・ラストダンス』ラストのネタバレ解説&考察はこちらから。

『ヴェノム:ザ・ラストダンス』でヴェノムは死んだのか? 再登場についての考察はこちらの記事で。

『ヴェノム:ザ・ラストダンス』を受けてのヴェノムのMCU合流についての考察と、監督が語ったバーのシーンの背景はこちらから。

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齋藤 隼飛

社会保障/労働経済学を学んだ後、アメリカはカリフォルニア州で4年間、教育業に従事。アメリカではマネジメントを学ぶ。名前の由来は仮面ライダー2号。 訳書に『デッドプール 30th Anniversary Book』『ホークアイ オフィシャルガイド』『スパイダーマン:スパイダーバース オフィシャルガイド』『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース オフィシャルガイド』(KADOKAWA)。正井編『大阪SFアンソロジー:OSAKA2045』の編集担当、編書に『野球SF傑作選 ベストナイン2024』(Kaguya Books)。
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