実写映画版『ソニック』ネットミーム化でデザイン変更発表も、アニメーターを気遣う声が多数 | VG+ (バゴプラ)

実写映画版『ソニック』ネットミーム化でデザイン変更発表も、アニメーターを気遣う声が多数

©︎Paramount Pictures

『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』予告映像が公開

トレイラー公開も予想外の反応……

パラマウント・ピクチャーズは米時間の2019年4月30日、2019年12月に日本で公開される予定 (11月米公開予定) だった実写映画『ソニック・ザ・ヘッジホッグ (邦題: ソニック・ザ・ムービー)の予告トレイラーを公開。ロボトニック博士/ドクター・エッグマン役のジム・キャリー、主演のジェームズ・マースデンも登場する中、初めてソニックのアクションシーンが公開された。

しかし、公開された『ソニック・ザ・ヘッジホッグ/ソニック・ザ・ムービー』でのソニックの見た目を巡り、ネット上は大騒ぎに。「なぜ歯があるのか」「手足が長すぎる」「目が怖い」など、多数の批判が寄せられた。“実写版ソニック”はもはやネットミーム化し、「#sonic」を付けたコラ画像がSNS上に次々と投稿されている。

リモデル版が登場

だが、批判だけで終わらないのが現代のネット社会の良いところでもある。一部のTwitterユーザーが、勝手にリモデルしたソニックの画像を投稿し始めたのだ。イラストレーターのアーロン・ハンマーストームは、トレイラー中の“驚くソニック”を昔ながらの姿に塗り直し。

デジタルアートを手がけるエドワード・パンはソニックがミサイルに囲まれるワンシーンをやはりおなじみの姿に描き換えている。

この画像には28万件以上の「いいね」がついており、これはパラマウントがYouTubeに投稿した『ソニック・ザ・ヘッジホッグ/ソニック・ザ・ムービー』のトレイラーに対する高評価数27万件を上回っている (いずれの数字も5月3日午前11時現在)。

デザインの見直しを約束

この一連のムーブメントに反応したのは、他でもない『ソニック・ザ・ヘッジホッグ/ソニック・ザ・ムービー』で監督を務めるジェフ・フォウラーだ。日本時間の5月3日午前6時、フォウラー監督は以下のようにツイートし、ソニックのデザインを見直すことを約束した。

サポートに感謝を。そして批判にも。皆さんのメッセージは明瞭です……みんなこのデザインを良いと思っていないし、変えたいと思っている。そうしましょう。パラマウントとセガの全ての関係者が彼を最高のキャラクターにできるよう取り組みます。

アニメーターを気遣う声

あっという間に改善が発表された『ソニック・ザ・ヘッジホッグ/ソニック・ザ・ムービー』のキャラクターデザインだったが、喜びの声も上がる一方で、意外な反応も起きている。ゲーム界のインフルエンサー、ニック・ロビンソンは「待って、マジで」と驚きを見せている。同じくゲーム界のインフルエンサーであるAleksは「マジか。気の毒になってきた」とツイート。KOTAKのヒーサー・アレクサンドラ記者は、「労働者目線でいうと“最高”とは言えませんね……」とし、他のユーザーからも「アニメーターのことを思うと辛い気持ちになる」「嘘でしょ、誰も過労になりませんように」と、パラマウントの労働者を気遣う声が次々と寄せられている。ファンタジー作家のサム・サイクスも、「いいね。でもアニメーター達はリデザインの報酬をちゃんともらうべき」と投稿した。

ネットミームが持つ影響力

また、「デザインを変えなくてもみんな結局観に行って、あーだこーだ言って楽しんでたはず」という声も寄せられている。ネットミームとして楽しんでいただけのユーザーも多くいたのだろうが、批判に“遊び”の要素が加わることで、ネットミームは拡大を続ける。そしてSNS上の反応を深刻な事態と受け止めた『ソニック・ザ・ヘッジホッグ/ソニック・ザ・ムービー』の製作陣は、デザイン変更という決断を下した。実際にアニメーターに負担がおよぶ段階になって、ネット上の熱も少し冷めてきたようだ。

今回『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』のトレイラー公開でこれだけの盛り上がりを見せたことは、ソニックが世界で愛されている証拠だ。一方で、ネットミームの盛り上がりが良くも悪くもビジネスの現場に大きな影響を及ぼすということが改めて証明される結果ともなった。果たして、ソニックのデザインをめぐる騒動はこれで終結するのだろうか。

映画『ソニック・ザ・ムービー』は、2020年6月26日(金)日本公開。

『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』公式サイト

VG+編集部

映画から漫画、ゲームに至るまで、最新SF情報と特集をお届け。 お問い合わせ

関連記事

  1. モスラに冷凍怪獣も登場! 『ゴジラxコング 新たなる帝国』新予告映像解禁

  2. 「デッドプール3はマーベルを救う」 『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』監督が語る

  3. 『デッドプール&ウルヴァリン』ヴィランは誰? アライオス、ラヴォーナ、ロキもありえる? 予想&考察

  4. ネタバレ解説『ブラック・ウィドウ』の時系列はどうなってる? ラストシーンもまとめて解説