「パシフィック・リム」シリーズでおなじみのあの名コンビを演じた俳優とは…? | VG+ (バゴプラ)

「パシフィック・リム」シリーズでおなじみのあの名コンビを演じた俳優とは…?

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パシリムおなじみの凸凹コンビ

大人気シリーズで生まれた盟友関係

2013年に公開されたギレルモ・デル・トロ監督の『パシフィック・リム』、そしてスティーヴン・ S・デナイト監督による続編『パシフィック・リム:アップライジング』(2018)。いずれも豪華なハリウッド俳優たちが作品の屋台骨になりながらも、日本や中国を強く意識した演出で世界的な人気作品となった。一作目で主演を務めたのは、後に『キング・アーサー』(2017)でアーサー王役を務めることになるチャーリー・ハナム。『ヘルボーイ』に主演し、デル・トロ監督の盟友として知られるロン・パールマンも登場した。この二人とデル・トロ監督の関係については、「『パシフィック・リム』に出演したギレルモ・デル・トロ監督の盟友達。監督と俳優の熱い絆」を参照して頂きたい。だが、盟友関係は、監督と俳優の間だけのものではない。今回は、劇中のあの名コンビを演じた二人の俳優の姿に迫る。

続編では気まずい関係に!? 絶妙な演技が要求された科学者コンビ

「スターウォーズ」シリーズのC-3POとR2-D2が、黒澤明監督の『隠し砦の三悪人』(1958)に登場した百姓2人組・太平と又七のコンビを題材にしていることは、SFファンの間ではよく知られている。そして、パシフィック・リムシリーズに登場する科学者コンビも、おなじみのコミカルな凸凹コンビのスタイルを踏襲している。環太平洋防衛軍(PPDC)の科学士官として登場したのは、ハーマン・ゴットリーブ博士とニュートン・ガイズラー博士のドイツ人科学者コンビ。一作目では、犬猿の仲でありながらも協力して怪獣を倒すヒントを見つけ出した。続編ではガイズラーが中国系民間企業のシャオ・インダストリーに転職。アジア的な上下関係に適応しようとするガイズラーと、PPDCに残るゴットリーブとの、友人でありながらも気まずい関係が描かれた。そうした様々な感情が溢れるキャラクターを演じたのは、バーン・ゴーマン(=ゴットリーブ博士)とチャーリー・デイ(=ガイズラー博士)。この二人の俳優が、パシフィック・リムシリーズでおなじみになる名コンビを誕生させたのだ。

博士を演じたのは大人気コメディアン

チャーリー・デイ出演に至った意外な経緯

ガイズラー博士を演じたチャーリー・デイは、コメディシリーズの『フィラデルフィアはいつも晴れ』(2005-)で人気のコメディアン。『パシフィック・リム』の公開時は37歳だ。『フィラデルフィアはいつも晴れ』の大ファンというデル・トロ監督が、チャーリー・デイに出演を直接オファー。主演のチャーリー・ハナム同様、デル・トロ監督と仕事がしたいと、台本を読むこともなく出演を決めたという。複数の映画に出演しているチャーリー・デイだが、『パシフィック・リム』の同年に公開され、アート役の声優を務めた『モンスターズ・ユニバーシティ』を除いては、いずれもコメディ映画。「パシフィック・リム」シリーズへの出演は、チャーリー・デイにとって、初のSF大作映画への参戦だったのだ。

チャーリーは相棒をどう見ていた?

シリーズを通して科学者コンビとして共演したバーン・ゴーマンについて、彼は以下のように語っている。

バーンとの共演はとても楽しいよ。素晴らしい俳優であることはもちろん、個性的だしね。リンコ(菊地凛子=森マコ役)を除けば、僕とバーンは前作から引き続き登場する唯一のキャラクターなんだ。前作の要素やキャラクターを続編に登場させることができてよかったよ。まぁそれを差し置いても、バーンはめっちゃ良い奴なんだ。

by チャーリー・デイ

作品中のキャラクター同様、俳優としてもチャーリー・デイがバーン・ゴーマンにかなりの信頼を寄せていることが分かる。自身にとっても慣れないSF映画への出演であり、監督も代わった中で、シリーズを通して共演している出演者がいるというのは心強いもの。コメディの達人のシリアスな一面が垣間見えたエピソードだ。

もう一人の博士は、ドラマで活躍するイギリス人俳優

英米のドラマで活躍

そんなチャーリー・デイが信頼を寄せるバーン・ゴーマンは、アメリカ生まれのイギリス人俳優だ。幼少の頃からイギリスで暮らしており、主にイギリスの映画やドラマで活躍している。SF作品では、『ダークナイト ライジング』 (2012)に登場。ダゲット産業の副社長、フィリップ・ストライバー役を演じた(スケアクロウが「裁判長」を務める人民裁判の判決により薄氷の上を渡らされるシーンが印象的だ)。近年では、Amazonのドラマシリーズ『高い城の男』(2015-)、イギリスのテレビドラマ『スタン・リーのラッキーマン』(2016-)にも登場。SF作品でも活躍の場を広げている。チャーリー・デイとは対照的に、シリアスな役柄を演じることが多い職人俳優なのだ。

バーンは相棒をどう見ていた?

では、そんなゴーマンは、チャーリー・デイについてどのような印象を抱いているのだろう。

チャーリーと共演することは、いつも光栄なことだよ。とても楽しい人物だからね。それに、彼はその場面に陽気さと流れを作り出すための、しっかりしたアプローチを持ってるんだ。何かを試しみて、ダメだったらやり直して、っていう風にね。

by バーン・ゴーマン

ゴーマンが強調しているのは、チャーリー・デイが、ただの面白おかしいコメディアンではないという点だ。計算された演技が独特の陽気さを生み出し、パシフィック・リムシリーズの作品性に愛すべき特徴を加えたのである。
デル・トロ監督を虜にしたアメリカの人気コメディアンと、多数の映画・ドラマに出演してきたイギリス人俳優。陰と陽の凸凹コンビがキャラクターにピッタリハマったということだ。そして、役者としての互いへのリスペクトが、名コンビを生み出した。デル・トロ監督がお気に入りと話すこの科学者コンビは、今後のシリーズではどのような活躍を見せてくれるのだろうか。

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