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映画版『メタルギア ソリッド』製作の進行状況が明らかに
「メタルギア愛」溢れるインタビュー
2018年8月、映画版『メタルギア ソリッド』で監督を務めるジョーダン・ヴォート=ロバーツ監督が、Colliderのインタビューに答え、製作の進行状況について語った。登場するキャラクターや、扱われるテーマについて触れらているが、何よりもロバーツ監督の「メタルギア愛」が感じられるインタビューになっている。
DAY 20 of #METALGEAR31st
I worked with Form Language Studio on KONG. These guys always deliver.
This beautiful photobash inspired by Walker Gear is an exploration of if bipedal technology proliferated into other countries earlier in history with their own spin on the design. pic.twitter.com/pszncWjMEJ
— Jordan Vogt-Roberts (@VogtRoberts) August 1, 2018
「僕にやらせて」熱烈な逆オファー
「僕にやらせてくれ」。役員室で映画版『メタルギア ソリッド』の企画書を見つけたロバーツ監督は、そう詰め寄ったという。「君にはできない」と言われ、自分がどれだけ同作の監督に相応しいかを必死に証明したそうだ。シリーズの生みの親である小島秀夫監督とは、不定期でミーティングを行っているようで、インタビューでも複数回、小島監督の名前が挙げられている。そんなロバーツ監督が原作へのリスペクトを込めて製作作業に取り組んでいる映画版『メタルギア ソリッド』は、現在どこまで製作が進んでいるのだろうか。
映画版『メタルギア ソリッド』の進行状況
映画版『メタルギア ソリッド』の脚本は、『ジュラシック・ワールド: 炎の王国』(2018)でも脚本を手がけたデレク・コノリー。彼が執筆した脚本は、既にソニーに提出されたという。現在、脚本は修正の段階にあるといい、内容は非常に「ワイルド」なものになっているとのことだ。
もし私がこの映画に関わっていなかったとしても、この脚本を読めば「すげぇ」って言ってたでしょうね。
ロバーツ監督は、「これまでのビデオゲーム映画や三幕構成の映画とは一線を画すものになっている」とも話しており、『ジュラジック・ワールド: 炎の王国』でも発揮されたコノリーの脚本力が遺憾なく発揮されていることが伺える。
映画化にあたっての最大の壁
ロバーツ監督によると、映画化にあたっての最大の壁は、「メタルギア」シリーズが築き上げてきた広大な範囲の物語だという。映画を「どこから始めるか」については「子どもの頃から考えてきた」とのこと。実に30年間、11作にも及ぶ大作ゲームシリーズを映画にするということは、相当な困難を伴うだろう。
だが、ロバーツ監督は、原作の広大で複雑な要素を取り入れる為の仕掛けを用意しているという。戦争、核、時代、遺伝子、意志といった「メタルギア」シリーズが掲げてきたテーマをどのように扱うのか、今から楽しみである。
DAY 11 of #METALGEAR31st@c780162 was known for his MGS1 speed-paintings, but I worked with him to apply his stunning style to the realm of MGS3.
The tragic relationship that occurrs between Naked Snake and The Boss is one of the most potent in the series.
Loyalty to the end. pic.twitter.com/hZ8TLyTJ8t
— Jordan Vogt-Roberts (@VogtRoberts) July 23, 2018
気になる登場キャラクターは!?
さらに、ロバーツ監督は、登場人物について、以下のように語っている。
(ソリッド) スネークと (ビッグ) ボス、このシリーズにおける主人公は、彼らの周りの人々との関係によって自己を定義していくんです。多くの場合は、最終的には登場人物たちの悲劇で終わりを迎える。ボス戦では、何かを成し遂げた、というよりも、何かを失ったという気持ちになるんです。メタルギアのユニークな点ですよね。だから、彼ら (スネークとビックボス) が「いつものメンバー」に囲まれているというのは、大切なことなんです。
また、具体的なキャラクターとしては、人気キャラクターの一人でもあるサイボーグ・ニンジャをスクリーンに登場させたいとも語っている。映画版『メタルギア ソリッド』にも、ゲームでおなじみの面々が登場することになりそうだ。
もう一つの外せない要素
そして、同監督が描こうとしているもう一つの要素が明らかになった。それは、核ミサイルを搭載しているメタルギアだ。
人々は、「相互確証破壊*」について忘れてしまっています。核の拡散について忘れてしまっている。核の恐ろしさを忘れてしまっているんです。
*敵対する国同士が核武装を行い、一方が核兵器を使用した場合に、「相互」が「確実」に「破壊」される状況を作り出す。これによって逆説的に核戦争を抑止しようとする概念。
奇しくも、このインタビューは原爆投下から73年が経った8月6日に公開された。映画版『メタルギア ソリッド』も、反戦・反核というテーマを扱った原作シリーズの精神を引き継ぐことになるようだ。
DAY 2 of #METALGEAR31st
The impeccable @eddiedelrio_art helped me bring the “Gas Mask Samurai” to life in KONG.
Cyborg Ninja & the Gekkos are two of the most iconic Hideo Kojima + Yoji Shinkawa designs. I wanted to see their potential in the same frame. Wish I could say more… pic.twitter.com/8OCkWH1zvY
— Jordan Vogt-Roberts (@VogtRoberts) July 14, 2018
「史上初の偉大なゲーム映画」
ロバーツ監督は、インタビューの冒頭では『オール・ユー・ニード・イズ・キル』(2014)など、ゲームの要素を取り入れた映画が成功した例を挙げた。一方で、ゲーム原作の映画から未だ『ダークナイト』(2008)レベルのヒットが生まれていないことも認めている。それでも、映画版『メタルギア ソリッド』は、「史上初の偉大なゲーム映画」になると豪語。「メタルギア」シリーズに対する深い愛情と理解が、これまでの歴史を覆してくれそうだ。
Source
Collider