Contents
実写版映画『リトル・マーメイド』の出演者と吹き替え声優は?
2023年に公開された映画『リトル・マーメイド』は、1989年に公開されたアニメ版を実写化した作品。主演のハリー・ベイリーの歌唱力と共に高い評価を受け、全世界興収約5億6,900万ドルという大ヒットを記録した。
実写版『リトル・マーメイド』には、優れたキャストと声優陣が集結している。今回は、実写版『リトル・マーメイド』に出演したキャストと日本語版の吹き替え声優を見ていこう。
『リトル・マーメイド』出演キャスト&吹き替え声優まとめ
アリエル役 ハリー・ベイリー/豊原江理佳
アトランティカを治める海の王であるトリトン王。その末娘であり、地上の世界に憧れる人魚の王女がアリエルだ。アリエルは地上への憧れから、海底に沈んだ陸上の物を沢山コレクションしているが、その使い方は誤ったものが多い。
実写版『リトル・マーメイド』の主人公であるアリエルを演じるのは、アトランタ出身で歌手であり、俳優でもあるハリー・ベイリーだ。ハリー・ベイリーは姉のクロイ・ベイリーとR&Bデュオ「クロイ&ハリー」としても有名で、実写版『リトル・マーメイド』でアリエルに抜擢されたことで女優としても一躍有名になった。
ハリー・ベイリーは2023年に第一子男児を出産したことを自身のInstagramで発表した。2025年3月6日にはX上に元気な息子の様子を投稿しており、その映像で実写版『リトル・マーメイド』を息子が鑑賞し、アリエルを観て「ママ」と呼んでいる様子はファンから好評だった。
guys ああi’m crying he actually knows ariel is me 😭🧜🏽♀️💕 pic.twitter.com/uDs9xVhhXT
— Halle (@HalleBailey) March 6, 2025
日本語吹替版でアリエルの声を務めるのはミュージカル俳優の豊原江理佳だ。ドミニカ共和国出身の豊原江理佳は音楽家の父の影響で歌と演技に親しみ、2008年のミュージカル『アニー』にて主人公アニー役で日本のミュージカル界でデビューした。その後、ニューヨークに留学するなど活動の幅を広げている。
ミュージカル以外にも2.5次元舞台にも出演しており、2022年の舞台版『呪術廻戦』ではメインキャラクターの釘崎野薔薇を演じている。これからの活躍が期待できるミュージカル俳優であり、それだけではなくミュージカルや舞台以外での豊原江理佳の活躍にも注目が集まる。
セバスチャン役 ダヴィード・ディグス/木村昴
トリトン王に仕える執事長のクリスマスアカガニで、アリエルに地上よりも海底が素晴らしいと歌うのがセバスチャンだ。セバスチャンを演じたのは、ヒップホップグループ「クリッピング」のラッパーであるダヴィード・ディグス。ダヴィード・ディグスは2015年のミュージカル『ハミルトン』でトニー賞ミュージカル助演男優賞を受賞している。
ドラマ版『スノーピアサー』(202-2024)では主人公のアンドレ・レイトンを演じるなど、ラッパーとしてだけではなく、俳優としても活躍している。2026年に配信が予定されている『ザ・ボーイズ』(2019-)のシーズン5にも出演することが決定しており、今後の出演作にも期待が高まる。
セバスチャンの吹替声優を務めるのはドイツ人オペラ歌手の父と日本人でバロック音楽のソリスト兼声楽家の母を持つ木村昴だ。木村昴は『ドラえもん』(2005-)のジャイアンこと剛田武を中学二年生から務めていることでも有名である。
音痴なジャイアンの声優と書くと歌に対して良くないイメージを抱くかもしれないが、木村昴はラップを題材にした『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』で山田一郎を演じ、ラッパーの掌幻とラップユニットを結成している。声優、ラッパーとしての顔以外にもアマチュア落語家「のゝ乃家ぶらんけんぶるく」とも知られ、多方面で活躍している声優だ。
スカットル役 オークワフィナ/高乃麗
セバスチャンを紹介するのならば、スカットルのことを忘れてはいけない。楽天家のシロカツオドリのスカットルは、アリエル唯一の地上に関する情報源だが、その内容はデタラメ。間の抜けたところが目立つスカットルとセバスチャンの掛け合いは実写版『リトル・マーメイド』の魅力の一つだ。
スカットルの声を演じたのはMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)映画『シャン・チー/テン・リングスの伝説』(2021)でケイティを演じたオークワフィナだ。オークワフィナは俳優だけではなく、ラッパーでもあり、その歌唱力は折り紙付きと言えるだろう。
日本語吹替版のスカットルは高乃麗が演じている。『ラーヤと龍の王国』(2021)のシスー役でも高乃麗はオークワフィナの声優を務めており、所縁のあるキャスティングだ。高乃麗はヘレナ・ボトム=カーターやナオミ・ハリスなど、数多くのハリウッド俳優の吹替を務めている。
高乃麗はゲームシリーズ「サクラ大戦」でマリア・タチバナを演じ、その舞台である「サクラ大戦歌謡ショウ」シリーズでも同役を演じた。ミュージカル俳優としても活躍し、2012年には田中真弓と伊倉一恵、竹田えりと共に演劇ユニット”コーネンキーズ”を結成している。他にも折笠愛と演劇ユニット”Something TWO”を結成するなど、声優だけではなく舞台でも幅広く活躍している俳優だ。
フランダー役 ジェイコブ・トレンブレイ/野地祐翔
臆病で怖がりなオヤビッチャのフランダー。アリエルの親友であるフランダーはジェイコブ・トレンブレイが演じる。カナダ出身の子役であるジェイコブ・トレンブレイは、MCU版キャプテン・マーベルで知られるブリー・ラーソンと共演した映画『ルーム』(2016)で全米映画俳優組合賞助演男優賞を受賞しており、ハリウッドのホープだと言えるだろう。
『ワンダー 君は太陽』(2017)ではトリーチャーコリンズ症候群を患う主人公のオーガスト・プルマンを演じたことでも有名なジェイコブ・トレンブレイだが、その日本語吹替を務めるのは野地祐翔だ。野地祐翔は劇団ひまわりに所属しており、CMなどで活躍している。
野地祐翔は声優として、『シャン・チー/テン・リングスの伝説』にて幼きシャン・チーの日本語吹替を担当しており、間接的にはオークワフィナと関係ある人物である。今後の野地祐翔の活躍に注目していきたい。
エリック王子役 ジョナ・ハウアー=キング/海宝直人
アリエルと恋に落ちる海辺の王国のエリック王子。実写版『リトル・マーメイド』のもう一人の主人公と言えるエリック王子を演じるのはジョナ・ハウアー=キングだ。ジョナ・ハウアー=キングは『ベラのワンダフル・ホーム』(2019)で一躍スターダムに駆け上った俳優である。
2017年に制作されたミニシリーズ『若草物語』では、マーチ家四姉妹と恋に落ちるセオドア・ローレンスを演じるなど、ジョナ・ハウアー=キングは映画だけではなく、ドラマでもマルチに活躍している。
そんなエリック王子の日本語吹替声優を務めるのは、劇団四季で経験を積み、ロックバンド”CYANOTYPE シアノタイプ”のボーカルも務めている海宝直人だ。海宝直人は「レ・ミゼラブル」や「ファントム」、「ライオンキング」など様々なミュージカルに出演しており、ロックバンドの経験と合わせて歌唱力には定評がある。
セリーナ女王役 ノーマ・ドゥメズウェニ/塩田朋子
実写版『リトル・マーメイド』でエリック王子の母親であり、船旅好きな息子を心配するセリーナ女王はノーマ・ドゥメズウェニが演じる。ノーマ・ドゥメズウェニは南アフリカ出身で、イギリスと南アフリカの両方で様々な舞台に立ってきた名優だ。
イギリスではロイヤルシェイクスピアカントリーで『マクベス』に出演し、ノーマ・ドゥメズウェニはそこで舞台俳優としてのキャリアを積んできた。また、2017年の舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』ではハーマイオニー・グレンジャーを演じて注目を浴びている。
セリーナ女王の日本語吹替声優を務めるのは塩田朋子。ミシェル・ヨーやケイト・ブランシェットなど、様々なハリウッド俳優の吹替声優を務める塩田朋子だが、2022年にはゴールデングローブ賞とアカデミー賞の二つにノミネートされた『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』と『TAR/ター』に主演吹替声優として出演している。
グリムズビー卿役 アート・マリク/仲野裕
セリーナ女王の側近で、エリック王子の指導者であるグリムズビー卿はアート・マリクが演じる。パキスタン出身のアート・マリクはノーマ・ドゥメズウェニと同じく、ロイヤルシェイクスピアアカデミーでキャリアを積んできた。
アート・マリクが活躍するのはミュージカル映画だけではない。イギリスの傑作スパイシリーズ「007」の『007 リビング・デイライツ』(1987)や、ジェームズ・キャメロン監督作『トゥルーライズ』(1994)などスパイアクション映画にも多く出演している。
そんなアート・マリク演じるグリムズビー卿の日本語吹替声優は、ケヴィン・スペイシーやジョン・スラッテリーの日本語吹替声優を担当している仲野裕が務めた。仲野裕はアニメ作品では「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」シリーズで、公安9課のメンバーの一人、イシカワを演じている。
トリトン王役 ハビエル・バルデム/大塚明夫
実写版『リトル・マーメイド』でアリエルの父親であり、海底王国アトランティカの王でもあるトリトン王を演じたのはハビエル・バルデムだ。ハビエル・バルデムは『ハモンハモン』(1992)で注目を浴び、それからはスペインを中心に活動してきた。
その後、『夜になるまえに』(2000)で英語作品の初主演を飾り、スペイン人俳優として初めてアカデミー賞主演男優賞にノミネートされる。それをきっかけにアメリカとスペインの両国で活躍したハビエル・バルデムだが、『ノーカントリー』(2007)で冷酷な殺し屋を演じ、アカデミー賞助演男優賞を受賞した。その演技は映画史に残る悪役と評価されるほど。
名優ハビエル・バルデムの日本語吹替声優を務めるのは大塚周夫を父に持つ大塚明夫。「メタルギア・ソリッド」シリーズの主人公スネークや「攻殻機動隊」シリーズのバトーなど、その渋い声は日本声優界でも一二を争うものである。大塚明夫は自身の声優活動だけではなく、後進の育成にも励んでいることでも有名だ。
アースラ役 メリッサ・マッカーシー/浦嶋りんこ
トリトン王の妹であり、王宮を追放されたディズニーヴィランのアースラはコメディアンのメリッサ・マッカーシーによって演じられた。メリッサ・マッカーシーはコメディアンとしても有名だがアカデミー賞にノミネートされる俳優としても有名である。
メリッサ・マッカーシーにとってのヒット作となった『プライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン』(2011)でアカデミー賞助演女優賞にノミネートされ、『ある女流作家の罪と罰』ではアカデミー賞主演女優賞にノミネートされている。その経歴を持つからこそ、アリエルを手玉に取るアースラの演技にも期待が高まる。
アースラの日本語吹替版声優を務めた浦嶋りんこは舞台俳優というだけではなく、大物ミュージシャンのバックコーラスや覆面ユニット「FUNK THE PEANUTS」で鍛えられた歌唱力が魅力的な俳優だ。アマチュア時代より久保田利伸のバックコーラスを務め、その後、B’zなどのバックコーラスを担当し、シングルデビューを果たした浦嶋りんこの歌声は必聴と言えるだろう。
ヴァネッサ役 ジェシカ・アレクサンダー/沢城みゆき
実写版『リトル・マーメイド』でアースラが変身したヴァネッサを演じるのはジェシカ・アレクサンダー。アニメ版からの再現性の高さで高い評価を得た。
ジェシカ・アレクサンダーは1999年生まれ、ロンドン出身の俳優。バイセクシュアルで、セクシュアルマイノリティの権利についてSNSで積極的な発信を行なっている。
これまで、ドラマ『Penny on M.A.R.S.』(2018-2020)、『ゲット・イーブン 〜タダで済むと思った?〜』(2020)などに出演、『Fallen』(2024)では主演を務めている。
ヴァネッサの日本語吹き替えを担当したのは沢城みゆき。言わずと知れた人気声優で、2011年以降の「ルパン三世」シリーズで峰不二子、第6期『ゲゲゲの鬼太郎』(2018-2020) の鬼太郎などを演じている。同じディズニーの実写版『アラジン』(2019)ではジャスミンの侍女ダリアの声を演じた。
6人の姉を演じたのは?
原作ではアリエルの6人の姉は「A」から始まる名前だったが、実写版『リトル・マーメイド』では名前が変更されている。長女のペルラを演じたのはロレーナ・アンドレアで、日本語吹替は和優希が演じた。
次女のカリーナ役を演じたのはカイサ・モハマーで、日本語吹替は藤田曜子が担当している。三女のインディラを演じたのはシモーヌ・アシュリー。日本語吹き替えは青森出身で多方面に活躍する王林が担当した。
四女タミカを演じたのはシエナ・キング。日本語吹き替えはお笑いコンビ・天才ピアニストのますみが担当した。五女マラを演じたのはカロリナ・コンチェットで、日本語声優は鳥越まあやが務めている。六女のカスピアはナタリー・ソレルが演じ、篠田有香が日本語吹替の声優を担当した。
以上が、実写版『リアル・マーメイド』に出演した主なキャストと日本語吹替版の声優陣だ。英語版と日本語版、両方で楽しもう。
実写版『リトル・マーメイド』はMovieNEXが発売中。
実写版『リトル・マーメイド』のサントラも発売中。
フェイス・ノエル 著、代田 亜香子 訳のノベライズ版は小学館ジュニア文庫から発売中。
実写版『アラジン』のキャストまとめはこちらから。
実写版『リトル・マーメイド』ラストのネタバレ解説&感想はこちらの記事で。
実写版『リトル・マーメイド』で歌われた曲のまとめはこちらから。
アースラ役の俳優が語ったスピンオフについてのはこちらから。
実写版『リトル・マーメイド』続編についてはこちらから。