実写映画版「折りたたみ北京」製作陣が決定 サイバーパンクなコンセプトアートも | VG+ (バゴプラ)

実写映画版「折りたたみ北京」製作陣が決定 サイバーパンクなコンセプトアートも

Emmanuel Shiu

実写版「折りたたみ北京」プロデューサーが決定

郝景芳(かく けいほう/ハオ・ジンファン)のSF中編小説「折りたたみ北京」の実写映画版『Folding City(中題:折叠城市)』の製作陣が明らかになった。米Varietyが報じた。プロデューサーには、以前から映画化の中心人物だったジョシュ・キムに加え、クリス・リー、ホンバー・ヤンが就任、エドワード・グナワンとキャサリン・リーが共同プロデューサーとして製作に加わる。

2020年9月に中国のワンダ(大連万達)グループが発表した際には、『メッセージ』(2016) の脚本を手掛けたエリック・ハイセラーが脚本を担当すると発表されていたが、今回の報道では触れられていない。一方、以前は製作に参加するとされていたインドネシアのAdd Word Productionsは、現在は製作に関与していないという。

「折りたたみ北京」映画化の中心人物であるジョシュ・キムは韓国系アメリカ人の映像監督/脚本家で、現在はHBOドラマ『Forbidden』(2021) を手掛けている。クリス・リーは『スーパーマン・リターンズ』(2006) で製作総指揮を務めたハリウッドのプロデューサー。

2015年に公開されたタイのテレビ映画『チェッカーで(毎回)勝つ方法(原題:How to Win at Checkers (Every Time))』では、ジョシュ・キムが脚本を手がけ、クリス・リーとエドワード・グナワンが製作を務めたことがある。同作はゲイのカップルとその兄弟の物語を、徴兵制度を通して描いており、日本でも2016年の第25回レインボー・リール東京~東京国際レズビアン&ゲイ映画祭~で上映されている。

ジョシュ・キムはかねてより「折りたたみ北京」の実写映画化を模索しており、複数の知人を辿って著者の郝景芳に映画化のアプローチを行ったという。「折りたたみ北京」は中編小説のため、長編映画化にあたっては複数の要素が追加される。郝景芳自身も“折りたたみ北京ユニバース”を拡張していく予定だとも報じられている。

“折りたたまれる都市”のコンセプトアートも

また、SF作品のコンセプトアーティストであるエマニュエル・シウは、自身のTwitterで『Folding City/折叠城市』のコンセプトアートを公開している。「彼(ジョシュ・キム)と仕事をするのは楽しいし、ストーリーも最高」とし、コンセプトアートは「全画面で見て!」と念押ししている。

エマニュエル・シウは『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』(2011) や『ブレード・ランナー2049』(2017)、『マトリックス4』(2021) といった名だたるSF作品のコンセプトアートを手掛けてきた。今回のコンセプトアートには、「折りたたみ」に最適化された都市の姿が映し出されている。サイバーパンクな雰囲気が漂う近未来SFとして製作されることになりそうだ。

なお、『Folding City/折叠城市』の製作費用は2,400万ドル(約24億円)とされているが、これはピッチの時点で製作陣が提示した要求コストだ。「中国初のSFブロックバスター」として大ヒットを記録した劉慈欣原作のSF映画『流転の地球』(2019) はの製作には約5,000万ドルが投じられており、『Folding City/折叠城市』がどれほどの規模の作品になるのか、注目が集まる。

快進撃続く中国SF

中国のSF界は、2015年にケン・リュウが翻訳した劉慈欣の『三体』がアジア初のヒューゴー賞長編小説部門を受賞すると、翌2016年には同じくケン・リュウが翻訳した郝景芳の「折りたたみ北京」がヒューゴー賞中編小説部門を受賞。2019年には劉慈欣のSF短編小説「流転の地球」を原作にした映画『流転の地球』が公開され、中国史上歴代4位の興行収入を記録している。2020年11月には、続編『流転の地球2』の製作が発表された。

また、現在の中国におけるSFの市場規模は1兆円とされており、北京に“SFシティ”を建設する構想も明らかになっている。

今回実写映画化される郝景芳の「折りたたみ北京」は、日本ではケン・リュウ編『折りたたみ北京 現代中国SFアンソロジー』(中原尚哉, 大谷真弓, 鳴庭真人, 古沢嘉通 訳、早川書房)と『郝景芳短篇集』(及川茜 訳、白水社) に収録されている。

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また、AIに関する論考2編とSF短編小説6編で構成される郝景芳最新作『人之彼岸』(立原透耶・浅田雅美 訳) は、早川書房より発売中。

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Source
Variety

 

VG+編集部

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