「アベンジャーズ再建を」『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』でソコヴィア協定の因縁再び? | VG+ (バゴプラ)

「アベンジャーズ再建を」『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』でソコヴィア協定の因縁再び?

©2024 Marvel

『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』新情報が明らかに

2025年2月14日(金) の日米同時公開を予定している映画『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』より、米国で2024年8月9日(金) から開催されているディズニーのファンイベントD23で、会場限定の映像が公開された。この映像の中では、MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)全体の未来を占うような描写があったようだ。

映画『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』は、「キャプテン・アメリカ」シリーズの第4弾で、サム・ウィルソンが新たなキャプテン・アメリカに就任してから初めての作品となる。ドラマ『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』(2021) での葛藤と超克を経て、キャプテン・アメリカの新たな物語が動き出す。

2024年のD23の会場で公開された『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』の映像には、注目すべきシーンが含まれていた。キャプテン・アメリカことサム・ウィルソンと、新たに大統領に就任したサディアス・ロスの会話シーンである。

アベンジャーズを再建?

ScreenRantによると、映像の中ではハリソン・フォード演じるサディアス・ロスがアンソニー・マッキー演じるサム・ウィルソンに、「アベンジャーズの再建」を手助けするよう要請するという。米ComicBookMovie.comでは、この要請に対してサムはソコヴィア協定がアベンジャーズをバラバラにしたと反論するという。

MCUでソコヴィア協定が初めて紹介されたのは「キャプテン・アメリカ」の前作である映画『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016) でのこと。『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』(2015) の戦いで民間人に被害が生じたことをきっかけにヒーローを国連の管理下におく目的で設立され、米国では当時国務長官だったサディアス・ロスがヒーローたちの署名を推進していた。

アイアンマンことトニー・スタークらが協定に加わる一方、キャプテン・アメリカことスティーブ・ロジャースや当時ファルコンとして活動していたサム・ウィルソンは署名を拒否。二人は逮捕され、ナターシャ・ロマノフに助けられた後、逃亡生活を送ることになった。

サディアス・ロスが推進したソコヴィア協定でアベンジャーズは仲間割れを起こし、結果としてサノス軍の襲来時に連携することができず、サノスに指パッチンを許すことになった。これを正すために、アベンジャーズはトニーやナターシャ、ヴィジョンを失ったのだ。今さらアベンジャーズを再建してほしいと言われても、都合の良さは否めない。

一方で、ロスは指パッチンで5年間消えており、アベンジャーズのおかげで復活し、大統領になることができたという背景が存在することも事実。ロスのスーパーヒーローに対する考え方が変わったという可能性もある。サディアス・ロスの本心はどこにあるのだろうか。

現在のソコヴィア協定とアベンジャーズ

なお、ドラマ『シー・ハルク:ザ・アトーニー』(2022) では、ソコヴィア協定が廃止されたことが明かされている。「エンドゲーム」直後を舞台にしたドラマ『ワンダヴィジョン』(2021) ではヴィジョンの遺体の扱いをめぐってソコヴィア協定が参照されており、『ワンダヴィジョン』と『シー・ハルク』の間でソコヴィア協定が廃止された可能性が高い。この判断にも、指パッチンによる消滅から復帰したサディアス・ロスが絡んでいたのかもしれない。

ソコヴィア協定の廃止後、アメリカ国内では映画『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』(2021) にも登場したダメージ・コントロール局がスーパーパワーを持つヒーローとヴィランを取り締まってきた。『シャン・チー/テン・リングスの伝説』(2021) ではウォンとブルース・バナー、キャロル・ダンヴァースが連携していることは明かされたが、チームとしてのアベンジャーズは存在していない。

サディアス・ロスの大統領就任で再び持ち上がるアベンジャーズ待望論。サム・ウィルソンは新しいアベンジャーズをどのように作り上げるのだろうか。

映画『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』は2024年2月14日(金) より、全国の劇場で公開。

『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』公式ページ

Source
ScreenRant / ComicBookMovie.com

『シー・ハルク』第8話で明かされたソコヴィア協定廃止についての解説と考察はこちらの記事で。

2024年のD23で明かされたドラマ『デアデビル:ボーン・アゲイン』の新情報はこちらから。

D23で発表された『ユア・フレンドリー・ネイバーフッド・スパイダーマン』の新情報はこちらから。

サンディエゴ・コミコンで明かされた映画『サンダーボルツ*』の新情報はこちらから。

映画『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』はアダマンチウムをめぐる物語になる。詳しくはこちらから。

映画『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』のヴィランについての解説はこちらの記事で。

【ネタバレ注意】映画『デッドプール&ウルヴァリン』ラストのネタバレ解説&考察はこちらから。

齋藤 隼飛

社会保障/労働経済学を学んだ後、アメリカはカリフォルニア州で4年間、教育業に従事。アメリカではマネジメントを学ぶ。名前の由来は仮面ライダー2号。 訳書に『デッドプール 30th Anniversary Book』『ホークアイ オフィシャルガイド』『スパイダーマン:スパイダーバース オフィシャルガイド』『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース オフィシャルガイド』(KADOKAWA)。正井編『大阪SFアンソロジー:OSAKA2045』の編集担当、編書に『野球SF傑作選 ベストナイン2024』(Kaguya Books)。
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