『スター・ウォーズ:スケルトン・クルー』第5話はどうなった?
ドラマ『スター・ウォーズ:スケルトン・クルー』は「スター・ウォーズ」シリーズ最新作。2024年12月より配信を開始し、ジュード・ロウ演じるフォースを操る人物と4人の子ども達、そしてドロイドの冒険が描かれている。
全8話で構成される『スケルトン・クルー』では、2024年最後の水曜日に第5話が配信された。今回は『スケルトン・クルー』第5話をネタバレありで解説&考察していこう。なお、以下の内容はネタバレを含むため、必ずディズニープラスで本編を視聴してから読んでいただきたい。
以下の内容は、ドラマ『スター・ウォーズ:スケルトン・クルー』第5話の内容に関するネタバレを含みます。
Contents
ドラマ『スケルトン・クルー』第5話ネタバレ解説
大人達も奮闘中
ドラマ『スター・ウォーズ:スケルトン・クルー』第5話「お前たちは海賊を分かってない」のエピソード監督を務めるのは、2025年5月公開のMCU映画『サンダーボルツ*』で監督を務めるジェイク・シュライアー。脚本については、本シリーズのほとんどのエピソードをMCU「スパイダーマン」でタッグを組んだクリストファー・フォード&ジョン・ワッツのコンビが脚本を手掛けているが、第5話と第6話のみドラマ『ハイ・ポテンシャル(原題)』(2024) のミョン・ジョー・ウェスナーが手がけている。
『スケルトン・クルー』第5話はアト・アティンの親パートから幕をあける。ウィムの父ウェンドルは、ニールの母ノーマの依頼を受け、惑星外と通信するためにバリアのアクセスコードを手に入れようとしている。
これはもちろん規則違反で、ドロイドに取締られてしまうのだが、上司であるフェーンの母ファラがこれをもみ消すことに。ファラは正規ルートで対応していると言うが、監理官は動く気配がないという。子ども達のみならず親達も日常から一歩踏み出して、行動を起こすことを求められる展開だ。
前回暴走したSM-33だが、タック・レノッド船長の古い命令に従った結果だと明かす。ジョッドはレノッド船長が銀河で最も悪名高い海賊であり、銀河中を恐怖に陥れたと紹介しているが、「銀河一の賞金稼ぎ」だったボバ・フェットらと違って、初めて聞く名前だ。それを踏まえるとやっぱりジョッドの言説は怪しい。
クワイ=ガン・ジンの言葉
一同は、SM-33の故郷であり、タック・レノッドが座標を隠しているというスカル・リッジ山へ。思ってた冒険と違い、落ち込むウィムにジョッドは「愛着」を捨てるよう助言する。
この考えはもちろんジェダイの教えだ。幼い頃に親元から離れて訓練されるジェダイオーダーのメンバーは家族などへの執着を捨てるよう言われて訓練される。アナキン・スカイウォーカーにとっては、この教えがダークサイドに堕ちる大きな要因となってしまった。
ジョッドは続けて「何に集中力を注ぐかで真実が決まる」と口にする。このセリフは、英語では「Remember, your focus determines your reality.」となっており、かつてクワイ=ガン・ジンが幼いアナキン・スカイウォーカーにかけた「集中力が真実を見抜く」という言葉と全く同じラインになっている。もしかして、ジョッドはジェダイ・オーダーでクワイ=ガン・ジンから教えを受けたことがあるのだろうか?
ジョッドの年齢は不明だが、アナキン・スカイウォーカー/ダース・ベイダーが45歳で死んだのが4 ABY。『スケルトン・クルー』の舞台は『マンダロリアン』(2019-) シーズン3と同じ頃なので10 ABYあたりだと考えられる。もしアナキンが生きていたら51歳くらいという時期だが、ジョッドを演じるジュード・ロウも『スケルトン・クルー』配信開始時点で51歳だ。
クワイ=ガン・ジンはアナキン少年と出会ったすぐ後にダース・モールに殺されてしまったが、ジョッドもまた幼い頃にクワイ=ガン・ジンに拾われ、訓練を受けたという可能性もある。ただ、訓練の結果本物のジェダイにはなれず、そのお陰でジェダイ狩りを生き延びたということなのかもしれない。
ラニューパに潜入
一行はスカル・リッジ山があるラニューパに到着するが、そこはリゾート地に変わってしまっていた。子ども達を長老達ということにして侵入することにしたジョッドは、没収されたナイフをフォースの力で取り戻しており、改めてジェダイとしてのバックグラウンドを匂わせている。
SM-33には暴力抑止用のボルトが付けられるが、ラニューパは温泉にビュッフェも揃った魅力満載の惑星だった。ジョッドはクレジットの賄賂を渡して入場に成功するが、そこでポキットという名の賞金稼ぎがジョッドのことを「ダッシュ・ゼンティン」と呼んで近づいてくる。ジョッドはまた別の偽名を使ってトラブルを起こしていたのである。
このポキットという賞金稼ぎを演じているのは俳優のケリー・マクドナルド。『メリダとおそろしの森』(20129 では、主人公メリダの声を演じた。ポキットは「バクタに浸からなきゃ」と言っているが、バクタは「スター・ウォーズ」世界の傷を癒せる物質のことだ。
ジョッド達はゴーロックス教授名義でチェックインすることができたが、ポキットはブルータスにジョッドの居場所を教えていた。ブルータスはジョッドがシルヴォの名前で船長をしていた海賊を乗っ取り、ジョッドが子ども達と逃げた後にはシルヴォと子ども達に懸賞金をかけていた。
ラニューパには、ジャバ・ザ・ハットに代表されるハット族の客も来ている。ジョッドは警備員からゴーロック教授かと確認され、「スキピオの?」と聞かれているが、スキピオとはインターギャラクティック銀行グループが拠点としていた惑星で『スター・ウォーズ/クローン・ウォーズ』(2008-2020) に登場している。
KBが機転を効かせたことでジョッド達は逃げることに成功し、ファーンが冒険譚を話してクタロプスに助けてもらうことに。ファーンは人を怖がらせる作り話をするキャラだったが、本物の冒険を経て、優秀なストーリーテラーになりつつあるのかもしれない。ちなみにクタロプスの声を演じたのは声優のパトリック・セイズで、アニメ『ONE PIECE』英語版のフランキー役の声優として知られている。
アト・アティンの財宝の正体
罠だらけの洞窟を進み、確実にタック・レノッド船長の隠れ家に近づいていくジョッド達だったが、早くもブルータスたちが到着。「大いなる犠牲を払うべし」という暗号に隠された意味が、海賊にとっての大いなる犠牲=財宝だと思い付いた一同は、クレジットを酸の湖へ投げ入れると、秘密の部屋への入り口を開くことに成功する。ちなみにこのシーンで第5話のタイトルである「お前たちは海賊を分かってない」というセリフが登場している。
一同は謎解きを経て船長のログを見つけると、SM-33によってアト・アティンの座標を読み取ることに成功する。ジョッドは追ってきていたブルータス達がいる部屋に酸を流し込む徹底ぶり。さすが海賊だ。
そして、ログにはタック・レノッドの映像が残されており、アト・アティンの財宝が「旧共和国 最後の造幣局」であることが明かされる。つまり、アト・アティンは旧共和国が隠していた造幣局を司る惑星だったということだろうか。確かに「スター・ウォーズ」には銀行は登場するが、貨幣を作っている場所はおそらく登場していない。
アト・アティンでは子ども達に綺麗な旧共和国クレジット(「スター・ウォーズ」世界のお金)が与えられており、貨幣の製造がアト・アティンの「大いなる事業」なのだとすれば合点がいく。隠された惑星だったアト・アティンは、旧共和国崩壊後も誰からも気づかれずに貨幣を作り続けていたということかもしれない。
ライトセーバーの使い方
この情報を手に入れたジョッドは、船長のファーンに対して“挑戦”を突きつける。海賊の掟では、挑戦を受ければどちらかが死ぬまで戦うか、どちらかが降参しなければならないらしい。ジョッドはフォースの力まで使ってファーンを追い詰めると、ウィムが部屋にあったライトセーバーを持って立ちはだかる。
だが、そのライトセーバーの持ち方は逆さまで、地面に向かって刃が飛び出してしまうのだった。確かにそれは銀河のどこかで誰かがやっているとは思ったけれど。ファーンは降参を宣言し、SM-33はジョッドの支配下に。ジョッドはSM-33に子ども達を監禁するよう命令を出すが、ウィム達はレノッド船長が残した罠をわざと発動させ、床下へと落下していったのだった。
そして、『スケルトン・クルー』第5話のラストシーンでは、ジョッドが落ちていた先ほどのライトセーバーを見つけてフォースで手繰り寄せると、ライトセーバーの音が鳴り響いて幕を閉じる。
ドラマ『スケルトン・クルー』第5話ネタバレ考察&感想
ジェダイはどう描かれるのか
ドラマ『スケルトン・クルー』第5話では、ジョッドは3度フォースを使い、最後にはライトセーバーを手にするという展開で、フォース感応者としての顔が強調されていた。それに、ジェダイの掟を思わせる「愛着」に対する否定的な論と、クワイ=ガン・ジンの言葉の引用で、ジェダイ・オーダーとの繋がりも匂わせた。
ジェダイにヤングリングとして加わり、修行を積んだとしても、適性によってはジェダイになれるとは限らない。ジョッドはジェダイの落ちこぼれであり、そのお陰で戦争を生き延びた可能性もあるだろう。ジェダイを“失格”となった者の物語は『スター・ウォーズ:アコライト』(2024) でも描かれたが、ジョッドの場合は果たして……。
第5話と第6話の脚本をミョン・ジョー・ウェスナーが続けて手がけるのは、第6話も引き続きラニューパでの物語が描かれるからだろう。次回は、子ども達がファーンの話を楽しみにしていたクタロプスから助けてもらう展開が想像できる。
ドラマとしての『スケルトン・クルー』は少々だれてきた感じもするが、そもそもが子ども向けのシリーズとして制作されているのだろう。子ども同士の出会いや罠だらけの洞窟、海賊達の戦いなど、ホリデーシーズンに子ども達が親と一緒に「スター・ウォーズ」を楽しめるような場面がかなり意識的に盛り込まれている感じがする。
そうであれば、本作でジェダイがどんな風に扱われるのかということは注目ポイントになる。『エピソード9/スカイウォーカーの夜明け』が公開された2019年12月20日からちょうど5年。次の世代の子ども達に向けて、「スター・ウォーズ」はどんなメッセージを放つのだろうか。『スケルトン・クルー』ラスト3話からも目が離せない。
ドラマ『スター・ウォーズ:スケルトン・クルー』はディズニープラスで独占配信中。
絵本『STAR WARS マンダロリアンとグローグー』は2025年1月20日発売で予約受付中。
2025年のウォールカレンダーも発売中。
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