第6話ネタバレ解説 ドラマ『スター・ウォーズ:スケルトン・クルー』KBが教えてくれたこと 考察&感想 | VG+ (バゴプラ)

第6話ネタバレ解説 ドラマ『スター・ウォーズ:スケルトン・クルー』KBが教えてくれたこと 考察&感想

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『スター・ウォーズ:スケルトン・クルー』第6話はどうなった?

2024年12月から配信されているドラマ『スター・ウォーズ:スケルトン・クルー』は、ドラマ『マンダロリアン』(2019-) と同じ新共和国を舞台に子ども達の冒険を描く作品。全8話で構成され、惑星アト・アティンの謎を追うと共に子ども達の成長が描かれる。

今回は、『スケルトン・クルー』第6話をネタバレありで解説&考察していこう。なお、以下の内容はネタバレを含むため、必ずディズニープラスで本編を視聴してから読んでいただきたい。

ネタバレ注意
以下の内容は、ドラマ『スター・ウォーズ:スケルトン・クルー』第6話の内容に関するネタバレを含みます。

ドラマ『スケルトン・クルー』第6話ネタバレ解説

エピソード監督はアノ人

ドラマ『スター・ウォーズ:スケルトン・クルー』第6話のエピソード監督を務めるのはブライス・ダラス・ハワード。『スパイダーマン3』(2007) のグウェン・ステイシー役や「ジュラシック・ワールド」のクレア役などで知られ、ドラマ『マンダロリアン』ではシーズン3まで各1話ずつでエピソード監督を務めている。

ブライス・ダラス・ハワードは、スピンオフの『ボバ・フェット/The Book of Boba Fett』(2021-2022) でもエピソード監督を務めており、もはや新共和国を舞台にした「スター・ウォーズ」ドラマの常連監督である。第6話の脚本は第5話に続きミュン・ジョー・ウェスナーが担当している。

前話でジョッドの裏切りにあった4人の子ども達は、第6話ではラニューパからの脱出を試みる。ところが、KBは増強装置の補助によって動いていたようで、無理が祟って不調に陥ってしまう。KBが抱えるハンディキャップとどう向き合うかというのが『スケルトン・クルー』第6話のテーマの一つだ。

一方、アト・アティンの座標と財宝を手に入れたジョッドは、SM-33と共にブルータス達の海賊に捕まってしまう。そこに現れたのはXウイング・スターファイターだった。Xウイングはかつて反乱軍が使用しており、新共和国時代は軍が使用している。この場面では海賊を追ってやってきたのだろう。

ちなみにドラマ『マンダロリアン』シーズン3ではネヴァロが海賊に襲われたが、ネヴァロが新共和国に非加盟だったため軍は援護を拒否している。ラニューパは加盟惑星なのか、襲われていなくてもスターファイター部隊がやって来るのというのは不公平さを感じるところだ。

ジョッドのスピーチ

KBはアト・アティンの座標を記録していたようで、船に戻れれば故郷に帰れるという希望が出てくる。しかし、ファーンが崖を登って船を目指そうと言い出したことでチームは二つに分裂。一人で突っ走ってしまうファーンと、自分の弱さを見せようとしないKBの間に亀裂が生じるのだ。

ファンとニールは崖を登ることに、KBとウィムはヤドカリのような生き物を追って助けを探すことになる。とはいえ、ウィムが「話せる」と思っているヤドカリのような生き物は、人間の言葉を繰り返しているだけで知的生命体ではなさそうだ。

一方、なんとかスターファイター部隊から逃げ出したブルータスの海賊団は、ジョッドに最後の主張の機会を与える。ジョッドは元船長らしく船員達の心を動かすスピーチを行い、アト・アティンに旧共和国のクレジットが眠っていることを明かす。

前回、アト・アティンは忘れ去られた旧共和国の造幣局だったことが明らかになっている。海を買い、艦隊を買えるというジョッドのスピーチは見事で、船員の夢や事情を把握しているからこその説得力もある。

そして、ジョッドはオニックス・シンダー号やアト・アティンの名が登場するタック・レノッド船長の歌を唄い士気を高めていく。現体制への不満も利用し、海賊達をアト・アティンへ向かわせることに成功したのだった。

このジョッドの一連の振る舞いと海賊達が誘導される様は、映画『パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち』(2003) のジャック・スパロウと海賊たちを想起させる。同じディズニー傘下のコンテンツということもあり、意図的な演出なのだろう。

KBが教えてくれたこと

ウィムとKBは、ゴミ捨て場の周辺を歩いていたが、ここで増強装置が錆びてKBが動けなくなってしまう。ウィムは部品を集めるとKBの指示通りに修理作業に取り組み、KBの再起動に成功したのだった。

どうやらKBは過去に事故に遭ってから機械の力を借りた身体になったらしく、ファーンはKBが事故後も昔みたいに動けると思っていると明かしている。第4話のアト・アクランの寒い環境も、第5話のラニューパの湯気が立ち込める環境も、KBにとっては辛い環境だったのだ。

「ファーンは現実世界に生きてない時がある」というKBの指摘は鋭い。ファーンは空想のお話作りが得意で、その想像力が魅力でもあるのだが、その前向きで活発な傾向は異なる現実を抱える他者を置き去りにしてしまうこともあるということだ。

そしてKBは、本当のことを言えば“また”友達がいなくなることを危惧してファーンに本当のことを伝えられないでいた。子どものみならず、創作やチームでのプロジェクトに携わる大人にとっても大事な視点を教えてくれている。

ウィムに助けられたKBは、ウィムに「ありがとう、ジェダイ」と告げる。ジェダイとは、人に寄り添い、自分にできることをやり人を助けようとする、その心のありようなのだということを思い出させてくれる。

脱皮するオニックス・シンダー号

ファーンとニールは崖を登っていくが、ニールは人間型のファーンと身体の構造が違い、うまくついていくことができない。ファーンは自分を基準にしないでほしいという訴えを聞き入れ、ロープで互いを繋いでハシゴを登っていくのだった。

ウィムとKBが怪獣のように巨大なヤドカリの親分に遭遇する一方、ファーンとニールはオニックス・シンダー号を差し押さえようとしている小船を操作してウィムとKBを救い出す。一同は再会を果たすと、ファーンは話を聞かなかったことを、KBは正直に言えなかったことを謝罪して仲直り。

だが、そうしている間にオニックス・シンダー号がごみ収集の巨大エビ型ロボットに飲み込まれそうになってしまう。4人はなんとかオニックス・シンダー号を飛ばそうとするも、エビロボに捕まってしまい、絶体絶命の危機を迎える。

ここでファーンが行き着いた選択は、緊急時の船殻爆破だった。ファーンはSM-33が絶対に触るなと言っていたスイッチを起動。捕まった外殻を脱ぎ捨て、脱皮するようにしてエビロボから逃げていくオニックス・シンダー号の映像は、新年から良いものを見たという気持ちにさせてくれる。

とてもメカメカしい素材でここまで巨大生物っぽく描けるのはすごい。さらに、外殻を脱ぎ捨ててスッキリしたオニックス・シンダー号の“軽さ”が、船頭を地面にぶつけながらターンをする姿でも表現されている点も素晴らしい。

新しい姿で飛び立っていくオニックス・シンダー号の後ろ姿が映し出されて、『スケルトン・クルー』第6話は幕を閉じている。

ドラマ『スケルトン・クルー』第6話ネタバレ考察&感想

成長した子ども達

ドラマ『スケルトン・クルー』第6話は、完全に大人と離れた子ども達の冒険が描かれた。大人と逸れるのは第2話のポート・ポーゴ以来だが、この時はSM-33が後から助けてくれていた(その上で捕まってしまったが)。

いくつかの冒険を経て子ども達は成長したようで、第6話では、大人がいなくても互いに支え合うことで、自分たちの抱える問題と向き合えるようになっていた。これまではメカっぽくてカッコいい雰囲気を持っていたKBも、それなりの事情を抱えていることが明かされた。観る側にとってもKBは頼もしい存在であっただけに、こちらも背筋を正される展開だった。

ドラマ『スター・ウォーズ:スケルトン・クルー』としては、やはり前話と同様の感想になるが、基本的には子どもやファミリー向けのシリーズであり、「スター・ウォーズ」の要素は最低限という印象だ。その分、この作品が「スター・ウォーズ」の入り口になる人という人もいるだろう。

『スケルトン・クルー』は残り2話。1月7日と1月14日の配信で全8話に幕を下ろす。ジョッドも子ども達もアト・アティンの座標を手に入れているため、順調にいけば第7話ではアト・アティンが舞台になるだろう。あるいは、ジョッドの過去を描く回想回もあり得る。

なお、2025年の「スター・ウォーズ」は、ドラマ『キャシアン・アンドー』シーズン2の配信開始が米時間4月22日(火) に予定されている。4月18日から20日かけては幕張メッセでスター・ウォーズ セレブレーションが開催される。17年ぶりの日本開催でディエゴ・ルナやマニー・ジャシントらの来日が決定している。

2025年はどんな年になるのか、『スケルトン・クルー』のクライマックスと共に目が離せない。

ドラマ『スター・ウォーズ:スケルトン・クルー』はディズニープラスで独占配信中。

『スター・ウォーズ:スケルトン・クルー』配信ページ

絵本『STAR WARS マンダロリアンとグローグー』は2025年1月20日発売で予約受付中。

2025年のウォールカレンダーも発売中。

『スケルトン・クルー』第7話のネタバレ解説&考察はこちらから。

第5話のネタバレ解説&考察はこちらから。

第4話のネタバレ解説&考察はこちらから。

第3話のネタバレ解説&考察はこちらから。

第2話のネタバレ解説&考察はこちらから。

第1話のネタバレ解説&考察はこちらから。

 

4月23日配信開始の『キャシアン・アンドー』シーズン2の情報はこちらから。

【ネタバレ注意】『スター・ウォーズ:アコライト』最終話の解説&考察はこちらから。

【ネタバレ注意】ドラマ『アソーカ』シーズン1最終回のネタバレ解説&考察はこちらから。

【ネタバレ注意】アニメ『バッド・バッチ』シーズン3フィナーレの解説はこちらから。

齋藤 隼飛

社会保障/労働経済学を学んだ後、アメリカはカリフォルニア州で4年間、教育業に従事。アメリカではマネジメントを学ぶ。名前の由来は仮面ライダー2号。 訳書に『デッドプール 30th Anniversary Book』『ホークアイ オフィシャルガイド』『スパイダーマン:スパイダーバース オフィシャルガイド』『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース オフィシャルガイド』(KADOKAWA)。正井編『大阪SFアンソロジー:OSAKA2045』の編集担当、編書に『野球SF傑作選 ベストナイン2024』(Kaguya Books)。
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