ドラマ『スケルトン・クルー』配信開始
「スター・ウォーズ」ドラマ最新作『スケルトン・クルー』が2024年12月3日(火) より配信をスタート。本作は日本時間の毎週水曜日配信の作品だが、1日前倒しで火曜日に第1話と第2話が同時配信されている。
『スター・ウォーズ:スケルトン・クルー』には、『ガタカ』(1997) や「ファンタスティック・ビースト」シリーズ、『キャプテン・マーベル』(2019) といったSFファンタジー映画への出演で知られるジュード・ローも出演。子ども達の冒険と共に「スター・ウォーズ」初参戦のジュード・ローの演技にも注目が集まる。
今回は、ドラマ『スケルトン・クルー』第2話についてネタバレありで解説&考察していこう。以下の内容はネタバレを含むので、必ず本編をディズニープラスで視聴してから読んでいただきたい。
以下の内容は、ドラマ『スケルトン・クルー』第2話の内容に関するネタバレを含みます。
Contents
ドラマ『スケルトン・クルー』第2話ネタバレ解説
『反乱者たち』『アンドー』と繋がる要素
ドラマ『スケルトン・クルー』第2話「バリアを越えてはるか遠くへ」は、デヴィッド・ロウリーがエピソード監督を務める。デヴィッド・ロウリーは『ピートと秘密の友達』(2016) や『グリーン・ナイト』(2021)、『ピーター・パン&ウェンディ』(2023) といったファンタジー映画を手がけてきた人物だ。
前話で宇宙へと飛び立ってしまったウィム、ファーン、KB、ニールの4人は、さらにハイパースペースジャンプをしてしまう。KBは、今のがハイパースペースならかなり遠くに来てしまったと言っているが、確かにはハイパースペースジャンプにしては時間が長かったため、かなりの距離を移動してしまったものと考えられる。
そして、前話にも登場していた片目のドロイドが起動。このドロイド、SM-33の声を演じるのはニック・フロスト、日本語吹き替えは最上嗣生が担当している。ならずもの風の喋り方をするSM-33を手懐けたのはファーンで、自分が古い船長を殺して新たな船長になったことを宣言して船長に就任。怖めの作り話という特技が良い方向に出たようだ。
トラブルメーカーのウィムの代わりに、一行はSM-33に船の運転を任せることに。しかしい、SM-33のプログラムにはアト・アティンという名前がない。SM-33が名前を挙げた「アトロン」は『反乱者たち』(2014-2020) でフェニックス部隊が拠点を置いていた星。「アル・アルコー」はおそらくこれまで登場していない。
そして、「アルダーニ」は『キャシアン・アンドー』(2022-) に登場した惑星のことだ。帝国軍が先住民を強制移住させて基地を作っていた場所で、「アルダーニの目」と呼ばれる3年に一度の流星群の発生に乗じて反乱軍が資金奪取の作戦を遂行した。
無数の星を前にして、どれがアト・アティンか分かるはずもなく、子ども達は自分達が迷子になったことを自覚することになる。そこで一行は、情報と助けを得るためにSM-33が提案したスペースポート(宇宙船の港)へジャンプすることに。しかし「スター・ウォーズ」では“燃料”という概念もあるので、それも心配なところだ。
一方、子どもが宇宙に行ってしまったウィムの父は取り乱しながらもドロイドにこの件を報告。だがドロイドは規則や法律の話を優先していて、どうも会話が噛み合わない。やっぱりアト・アティンのドロイドは人間に寄り添うというよりも、人間の管理のためのドロイドという感じがする。
アト・アティンの謎
ウィムが船内で見つけた船長の部屋には海賊の帽子などがあり、この船が海賊船であったことが示唆されている。SM-33の乱暴な口調も、海賊のドロイドという背景があったのだ。そして、大家族のニールは家に帰りたがりたがっているが、ウィムはやっと本物の冒険に出られたことにワクワクしている様子だ。
船はポート・ボーゴに到着。マペット風の動きで懐かしさを醸し出すお猿の案内人に連れられ、一行はポーゴへ。SM-33が見送る時点で、フェーンの足にはブラスターが装備されていることが分かる。
ところが、一行が到着したのは海賊達が使う港だった。そして着くなりウィム&ニール、フェーン&KBが逸れてしまう。 KBは羽の生えた猫ちゃん風生物や殺傷ドロイドに目を奪われている様子。4人の中でもメカに強いKBはギーク枠ということのようだ。
フェーンとKBは親切に見える女性に家を聞かれ、アト・アティンと答えるが、まともに取り合ってもらえない。ついにはアト・アティンは「宝の尽きない消えた星」と言われてしまう。アト・アトティンは迷信扱いされているらしい。ウィムとニールも屋台でクレジットを使ったことでぼったくられそうになり、トラブルに発展。どこから来たか聞かれて「アト・アティン」と答えるも、やはり海賊達に笑われてしまうのだった。
そして、ここでウィムが出したクレジットは旧共和国のものであることが指摘されている。やはりアト・アティンには何か裏がありそうだ。また、このシーンでは第1話に続いて、『マンダロリアン』(2019-) に登場した海賊のヴェインが姿を見せている。
意外と強いSM-33
クレジットを巡ってトラブルを起こしたウィムとニームはフェーンとKBと合流。フェーンはブラスターを出すが簡単にヴェインに奪われてしまう。しかし、ここに助けに入ったのはSM-33だった。片目で片足も義足のようになっているSM-33だが、戦闘能力は高く、次々海賊達と殺傷ドロイドを倒していく。
SM-33は『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』(2016) に登場したK-2SOに似ているが、K-2SOはアラキッド・インダストリーズ社が製造したKXシリーズという帝国の警備用ドロイドだった。
SM-33は名前からして型番が違っていそうだが、加えて海賊向けに改造されているのか、かなり殺傷性の高い武器を使っている。なお、帝国時代はバトル・ドロイドの製造が禁止されていたため、KXシリーズはあくまで「セキュリティ・ドロイド」として製造されている。
SM-33はようやく自分達が海賊だったことを説明するが、同時に背後からブラスターで撃たれて倒れてしまう。撃ったのは第1話の冒頭で謀反を起こして海賊の新たな船長になったブルータスだ。
最後に登場したのは…?
4人の子ども達は捕まり営倉(未処分の者を留置する場所)に入れられ、万事休す。だが、最大の問題は牢屋から出られたとしても、誰もがアト・アティンが存在していないと思っているということだった。
KBは冷静に、アト・アティンには宝がたくさんあるという迷信があるのだろうと予測をつけるが、ウィムはそれが信じられない。よそから見れば、アト・アティンは科学技術も進歩していて、子ども達もたくさんいる豊かな星という印象を受けるが、退屈な毎日を過ごしてきたウィムにはその価値が分からないのだろう。
ここでまたウィムとフェーンが言い合いになるが、牢の奥から出てきた人物が、船で一緒に故郷まで連れていくことを条件に協力を申し出る。その人物は「その距離はまやかしに過ぎない」と言い、檻の向こうの壁にかけられた鍵を浮かせて手元に引き寄せる。フォースの力だ。
このシーンではフォースのテーマ(「The Force Theme」)の音楽が流れている。そしてウィムは「ジェダイだ」とつぶやき、フォースを操るこの人物はローブを取ると、ジュード・ロウが姿を現す。この人物が「秘密を守れるか?」と問いかけ、ドラマ『スケルトン・クルー』第2話は幕を閉じている。
『スケルトン・クルー』第2話ネタバレ感想&考察
アト・アティンはどこにある?
ドラマ『スケルトン・クルー』第2話では、子ども達が住んでいた惑星アト・アティンが迷信上の存在であることが分かり、そして、メインキャラクターの一人であるジュード・ロウ演じる人物がついに姿を現した。
アト・アティンの謎が『スケルトン・クルー』の大きなミステリー要素になりそう。4人が乗った船はかなりの距離をハイパースペースジャンプしたということだが、ヴェインが登場していることからポート・ポーゴは『マンダロリアン』の舞台となった宙域からそう遠くないと想像できる。つまり、4人は“私たちから見て”、かなり遠くからやって来たということになる。
ドラマ『アソーカ』(2023-) では、これまで「スター・ウォーズ」の舞台になってきた銀河系とは異なる銀河系が登場した。そもそも「スター・ウォーズ」の基本的な舞台は「はるか彼方の銀河系」なので、4人がやって来たのがその銀河系から離れた場所なのだとしたら、意外と私たちが住む銀河系に近い場所で、故に私たちの生活に似た雰囲気があったのかもしれない。
他にも、アト・アティンにはバリアが張られていたことから、何かの社会実験を施すための実験惑星という可能性も考えられる。旧共和国の通貨を使っていて、管理局次官が自分たちを「共和国」に所属していると思っているということは、過去に作られたまま放置されている実験場という可能性もあるだろう。仮にその実験場を作ったのが帝国だったとすれば、「大いなる計画」はデス・スター建設計画なのかもしれない。
もう一つ、「タイムトラベル説」も検討に値する。『反乱者たち』では「はざまの世界」を通して、アソーカが過去から未来へタイムスリップしている。ただし、『スケルトン・クルー』の場合はタイムトラベルするような特殊な描写がなく、アト・アティンのテクノロジーが最新のものであることから、可能性は低いセオリーだと言える。
最新技術が揃っていながら、他惑星との交流がおそらくなく、時代に取り残されているような印象を受けるアト・アティン。第3話以降も、その正体に注目していこう。
あれはジェダイ?
そして、ジュード・ロウ演じるフォースを操る人物は、おそらく子ども達がアト・アティンの話をしていたのを聞いて協力を申し出たはずだ。子ども達が他に人がいない前提でアト・アティンのことを真剣に話していたから、この人物はアト・アティンが伝説ではないことを確信したのだろう。
しかし、この人物はフォースを使えるのになぜ捕まっていたのだろうか。少なくとも、牢から出ていなかった理由は、船を持っておらずポートからの脱出は困難だと判断していたからだろう。ポート・ボーゴはお猿の案内人にチップを払って船まで辿り着く必要があるため、船を持った人を味方にする必要があったはずだ。
そして、この人物がジェダイだとすれば、オーダー66によるジェダイの粛清から生き延びていたとして、帝国時代はどこにいたのだろうか。『マンダロリアン』ではグローグーもどこかで帝国時代をやり過ごしたことが明かされている。ドラマ『オビ=ワン・ケノービ』(2022) では、ジェダイのクインラン・ヴォスが生き延びていたことも明かされている。
一方、「スター・ウォーズ」の世界では、ジェダイでなくてもフォースを使えるため、ジュード・ロウ演じる人物が胡散臭い人物である可能性は残されている。この人物がアト・アティンに行きたいと思っている海賊だとすれば、子ども達の冒険は一筋縄では行かなそうだ。
大人も楽しめるミステリー要素と、子どもも楽しめるアドベンチャー要素の組み合わせで好スタートを切った『スター・ウォーズ:スケルトン・クルー』。今後の展開が楽しみだ。なお、第3話からは水曜日午前11時の配信になるのでご注意を。
ドラマ『スター・ウォーズ:スケルトン・クルー』は2024年12月3日(火) よりディズニープラスで独占配信。
絵本『STAR WARS マンダロリアンとグローグー』は2025年1月20日発売で予約受付中。
2025年のウォールカレンダーも発売中。
『スケルトン・クルー』第3話のネタバレ解説&考察はこちらから。
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