ネタバレ感想『異世界スーサイド・スクワッド』第2話/Episode2 王国と帝国の戦争 考察&解説 | VG+ (バゴプラ)

ネタバレ感想『異世界スーサイド・スクワッド』第2話/Episode2 王国と帝国の戦争 考察&解説

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王国と帝国の戦争に巻き込まれるスーサイド・スクワッド

近年、大流行している異世界転移作品と、アメリカンコミックスの老舗のDCコミックスがタッグを組んだ『異世界スーサイド・スクワッド』の第2話「★Episode2」が2024年7月12日(金)に放送開始された。異世界に送り込まれるDCコミックスのキャラクターは人気キャラクターたちが選ばれているが、人気ヒーローではない。異世界に送り込まれるのはアマンダ・ウォラー長官が選んだヴィランたち、通称“スーサイド・スクワッド”たちだ。

本記事ではスーサイド・スクワッドが異世界に送り込まれた理由や、送り込まれた異世界の政治的背景が語られる『異世界スーサイド・スクワッド』の第2話「★Episode2」について、解説と考察、感想を述べていこう。なお、以下の内容には『異世界スーサイド・スクワッド』★Episode2のネタバレを含むため、本編視聴後に読んでいただきたい。

ネタバレ注意
以下の内容は、アニメ『異世界スーサイド・スクワッド』の内容に関するネタバレを含みます。

『異世界スーサイド・スクワッド』★Episode2 ネタバレ解説

王国と帝国の戦争

飢餓にあえぎながらも、帝国との戦争の最中にある王国。王国を率いる孤高の女王と評されるアルドラは、スーサイド・スクワッドとオークの衝突による勝利を良しとしていなかった。その頃、その娘であるフィオナは飢える民衆を憂いていた。フィオナは騎士のセシルに頼みごとをする。

王国の大監獄にて刑務所に収監されていた頃を思い出すハーレイ・クイン。昨今のDCコミックスのハーレイ・クインはジョーカーから独立したキャラクターとなっており、植物を操るポイズン・アイヴィーと交際関係の設定であることが多い。それに反し、『異世界スーサイド・スクワッド』ではジョーカーに依存している初期の設定の色が濃い。

この状況を冷静に判断していたのは、意外にもピースメイカーだった。ピースメイカーはヘリの墜落から12時間経っていることを体内時計で確認しており、アマンダ・ウォラー長官が語っていた72時間経過し、ヘリから一定距離離れると首に仕込まれている爆弾が爆発する可能性を危惧していた。このまま大監獄に居ればスーサイド・スクワットは全員爆死してしまう。

リック・フラッグとの出会い

一人逃げようとしたクレイフェイスも魔法の手錠で能力が封じられてしまい、自由に行動できない。異世界のことをわかっているようで、わかっていないクレイフェイスは言語の通じないオーク相手に交渉を試みて失敗している。ここまで異世界転移作品で言語が通じないことが強調された作品も珍しいだろう。

魔法の杖で無力化されたスーサイド・スクワッドの面々が送られた独房にいたのは超人を束ねる先端研究集団(Advanced Research Group Uniting Super-Humans)、通称A.R.G.U.S.の兵士であるリック・フラッグだった。リック・フラッグはスーサイド・スクワッドの面々を最初救援隊だと考えるが、その後にアマンダ・ウォラー長官が異世界の植民地化に本腰を入れたと解釈している。また、リック・フラッグはリック・フラッグJrとリック・フラッグSrが存在しているが、全体の設定が『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』(2021)に近いことからリック・フラッグJrだと考察できる。

アマンダ・ウォラー長官と言えば非人道的行為も辞さない人物だが、『異世界スーサイド・スクワッド』では異世界を植民地にしようとしているようだ。前回のエピソードで語られていた先遣隊とはリック・フラッグが率いていた最初のタスクフォースX、つまりスーサイド・スクワッドだったと考察できる。

エンチャントレス、キラークロック、シンカー、ラットキャッチャーはリック・フラッグの部下だったはずだが、前回のエピソードの最後では帝国側と思わしき陣営の人物に従っている。首に爆弾を仕込まれているはずのスーサイド・スクワッドがどうして敵に寝返ることが出来たのかに注目が集まる。

大監獄の大暴動

キングシャークの怪力で独房からの脱出に成功したスーサイド・スクワッドとリック・フラッグ。クレイフェイスが泥の鍵で囚人たちを解放すると、その騒ぎに乗じて各々の技術や能力を駆使して暴動を引き起こしたのだった。暴力によって言語を越えた交流を持つというのがヴィランのチームであるスーサイド・スクワッドらしい展開だ。

その頃、セシルは難しい立場に置かれていた。フィオナはスーサイド・スクワッドに帝国と王国の戦争の勝利の鍵を見出していたのだ。しかし、セシルが派遣された大監獄はスーサイド・スクワッドたちによって陥落した後だった。

『異世界スーサイド・スクワッド』★Episode2 ネタバレ感想&考察

クレイフェイスの視点で解説される異世界

『異世界スーサイド・スクワッド』では売れない映画俳優としてのキャラクター性が強いクレイフェイスだが、その視点によって異世界転移作品あるあるが語られていくのでありがたい。クレイフェイスは異世界転移作品とも言えるルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』(1865)など古典に近い作品から、近年の異世界転移作品についてまで網羅しているようだ。

クレイフェイスが解説役を担ってくれることで、無茶苦茶なことをするスーサイド・スクワッドを主人公にした作品でも異世界転移作品として成立するのが興味深い。また、クレイフェイスが異世界転移作品あるあるを言った後に、デッドショットが刑務所あるあるを被せるのが犯罪者たちを集めたスーサイド・スクワッドらしい場面だ。

アルドラは異世界版アマンダ・ウォラー長官?

『異世界スーサイド・スクワッド』★Episode2では、王国と帝国が戦争状態であるという異世界の政治的な力関係が明かされる。それに加え、王国の民衆が飢餓状態にあり、貴族たちの好戦的な態度に反し、国力が落ちていることも明かされた。その王国を支配しているのが孤高の女王と評されるアルドラだ。

アルドラは独裁的な面が目立ち、王国版アマンダ・ウォラー長官とも言える人物だ。また、前回のエピソードで最初に送り込まれたスーサイド・スクワッドを従えている帝国側の存在が示唆されている。そのため、帝国版アマンダ・ウォラー長官も存在しているのかもしれない。

意外にも2回目に送り込まれたスーサイド・スクワッドの戦争利用を提案したのは優しい姫君と評されるフィオネだった。治世を行なうため、冷酷な面を持つしかないアルドラの血をフィオネも継いでいるということなのだろうか。次回でのフィオネとスーサイド・スクワッドとの接触に注目だ。

『異世界スーサイド・スクワッド』★Episode2は2024年7月12日(金)25:00よりABEMAにて見逃し配信開始。2024年7月15日(月)より各種配信サイトにて配信開始。

『異世界スーサイド・スクワッド』公式サイト

 

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鯨ヶ岬 勇士

1998生まれのZ世代。好きだった映画鑑賞やドラマ鑑賞が高じ、その国の政治問題や差別問題に興味を持つようになり、それらのニュースを追うようになる。趣味は細々と小説を書くこと。
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